第四話 クスリ





翌日



『さぁてと…

(どうにか今週末に会う予定は作れたけど…

まだ情報が足りなすぎる…

ん~…)』






安「何か悩み事ですか?」





顔を上げると、そこには爽やかな上司の笑顔



安室透としての笑顔だが…




現在##NAME4##は学校帰りにポアロによって夕食を済ませることが日課となってしまっていた



自炊もするが、無難な味付けなのでポアロで食べた方が満足感が得られる



本来ならお互いの潜入中に会うのはよろしくないのだが…




なぜか今回は許可がもらえた





降「安室透はの潜入先が危険なわけではないし…蘭さんの高校教師ならポアロで食事をしていても不思議じゃない

何より、俺のサポートがしやすくなるだろう?(ニコ)」




…ということらしいが絶対自分が楽になると思ったからだろう絶対そうだ!!








に、しても…




『(蘭さん…ねぇ…?)』




安「? ##NAME3##さん?」



『(あ、ヤバ)
あ。すみません!ちょっと考え事をしていて…』



安「僕でよかったらいつでも相談に乗りますよ(ニコ)」



『ありがとうございます(ニコ)』



安「…本当に大丈夫ですか?
よろしければ、もうすぐシフトが終わるのでお送りしますよ?」




…傍から聞いたら口説いているようにも聞こえるだろうが…



騙されちゃいけない










この人はこれから登庁予定なのだ!!!



そして私もね!!










道すがら報告できるから登庁後書類整理に集中できる、か…




そこまで考えてから『ご迷惑じゃなければ…』と控えめに言い、「いえいえ!むしろ、寂しい帰り道にならずに済みます」とまた歯の浮くようなセリフを言い放ち

安室は梓と少し話をした後バックヤードへと入っていった



するとキラキラとした笑顔で梓が近寄ってきた




…相変わらず可愛いなぁ~と梓の顔を見ながら訪れるのも待つと、机に手をつき詰め寄ってきた



そして耳元でコソコソと…





梓「##NAME3##先生、安室さんと付き合い始めたんですか!?」




…勘違いさせてごめんね…



『いえいえ、安室さんは親切ですけど私にはもったいない人ですから…』



梓「と、いうことは…っ













安室さんの事好きなんですか!?」
















どうしてそうなった…
















だが安室のあのセリフを聞いている側からすれば、確かに勘違いさせてしまう内容ではある…が、先輩“は”未だに私の事は後輩・部下…良くて妹だろう


なんせ警察学校時代からの付き合いだ


実際昔「##NAME2##は俺たちの可愛い妹みたいなもんだ」という松田先輩の発言に降谷先輩をはじめ伊達先輩たちも同意していた


可愛いといわれて嬉しくもあり、恥ずかしくもあり…少し悔しかったのを覚えている…


先輩たちに認められたい


そう思って必死に努力した




でも、降谷先輩からみれば





私はまだまだ半人前だ…









梓「? ##NAME3##先生?」




ハッ
『す、すみません梓さん;

…私なんかが安室さんに好意を寄せた所で、安室さんには梓さんの様な方がお似合いでしょうし…

人としては好きですけど、男性として好意を寄せるつもりはありませんから、ご安心を♡』




慌てて弁解したときは、普通に会話する音量に戻っていて…店内の人にも聞かれてしまったかとさらに慌てた##NAME3##



そして同時にバキッという音が店内に響いた



音のするほうへ視線を向ければ



ドアノブをつかんでいる安室







…ドアノブが浮いているように見えるのは私だけだろうか…







梓「あ、安室さん!?;」




吃驚した梓さんが安室さんに駆け寄り声をかける



安「…あぁ…すみません、つい」



店内にいた人全員が思っただろう




つい!?と…




「も~なにしてるんですか~」「あはは」そんな会話が聞こえてくる


紅茶を飲み干しながら会話を聞いていると、靴の音がこちらに近づいてくる




安「すみません。お待たせして」



『いえ、こちらこそお世話になります(ニコ)』



そのまま会計をし、店を出る


すると「あ。」という声が聞こえた


安室越しに顔を覗かせると、“勘のいい小学生くん”がいた




安「やぁコナンくん、今帰りかい?」



コ「う、うん!
安室さんもポアロのお仕事終わったんだね!

…あれ?##NAME3##先生?」



『こんにちは。コナンくん(ニコ)』



気づかれてしまったので挨拶を交わす


が、未だ警戒されているようだ



コ「最近安室さんと2人で見ることが多いけど…
付き合ってるの?」





…付き合っているか聞くのが今流行っているのだろうか…





『違うよ;
安室さんとお話ししてたら、またまた共通の友人がいるってわかってね?

それで仲良くはさせてもらってるけど、私なんかが安室さんと付き合っているって噂立っちゃったら安室さん可哀そうだから

コナンくん、今度そう言ってる人いたら違う!って言っておいてくれるかなぁ?』



コ「え;…う、うん!わかった!」



『うん!ありがとう!』




…コナンくんは何故一瞬困った顔をしたのだろう?


言ってたら否定してって…迷惑だったか?




一応、「無理にとは言わないから!」と言ったのだが…余計困った顔をされてしまった…なぜ…?



じゃぁまたね~とコナンくんと別れ、安室に続いて車へと向かった
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