第17話 パル
「すみません。遅くなりました…」
目暮「ん?どちら様かな?」
「2つ隣の部屋で飲んでいた入間順平といいます
深酒をしてしまい今の今まで眠っていまして…お恥ずかしい(苦笑)」
『入間様!
お目覚めになられたのですね
…体調はいかがですか?』
入間「大丈夫です(ニコッ)
私が先に眠ってしまっている間にこんなことになっているなんて…
あなたが不安な時にお側にいられず、申し訳ありません…」
目暮「おぉ!あなたが!
お話しは彼女から聞いておりました!
少しお話しをお聞きしてもよろしいですかな?」
入間「えぇ、構いませんよ(ニコッ)」
『では私はあちらで休ませていただいております』
入間「わかりました
私もお話しが終わったらそちらに参ります」
コナン「(目が覚めたのか…
これでやっと役者が揃ったな)」
コナンが怪しむ様子も無く入間を受け入れたことに、##NAME1##は口元を上げたのだった
ベル「へぇ、彼がねぇ…
確かに、変装術は中々筋がいいわね」
『あなたのお眼鏡にかなったなら、彼も喜ぶわ
(ウォッカには帰ってもらったから使えた手だけどね(苦笑))』
安室「僕の目から見てもレベルが高いですね」
『彼、情報収集だけじゃなくスナイパーの腕もいいので…
よく情報を流したりしてもらってる仲です』
安室「にしても、よく見つけましたね?」
『組織の任務中に偶々出会いまして…
お互い"任務成功"が絶対条件だったので、協力しはじめたのがキッカケでそのあと何度か一緒に仕事をしたんですよ
まぁ、持ちつ持たれつの関係ですかね~
(いや〜ほんと、持ちもたれつの関係よね〜
山田♡)』
そう、公安の部下である山田を組織に入れる良い機会だ、と直接山田を召喚したのだ
もちろんウォッカに本物の入間は回収してもらっているし、潜入してた山田だからこそ入間に化けるのは容易い
変装は##NAME1##がちょくちょく教えていたのと、公安メンバーが必死に##NAME1##から送られてきたメイク指示の通りにサポートしたからだ
『体格も似てるし、ベルモットがお気に入りの彼も気づいてない様ですから、このまま演じてもらいましょうか
あ。本物の方は私が丁寧にお礼したいので誰も手、出さないで下さいね?というか起きたら追加で睡眠薬ぶち込んでくださいね?目が覚めても誰も口聞いちゃダメですよ?目覚めて最初に私がいないとお礼できませんから、ね?』
ね?(2回目)と念を押すようにベルモットに迫り、どんな脅し方をしたのよあの男…と怒りを露わにする##NAME1##に少し引いたように口元を引き攣らせた
入間「お待たせしました」
『お疲れ様でした
もうお話はよろしいので?』
入間「えぇ、ひとまずお話できる事は全てお話ししてきました」
安室「はじめまして
探偵業をしている安室透です
##NAME1##さんとはバイト先のポアロでよくご贔屓にしていただいておりまして…」
入間「これはご丁寧にありがとうございます(ニコッ)」
『入間様、ご体調はよろしいのですか?』
入間「えぇ、もうすっかり
そちらの女性は…?」
べ「アンリー・ベルツと申します
下の会場で安室さんと知り合いまして…」
入間「そうでしたか
お二人とも、ご気分は…?」
べ「少し落ち着いてきました」
『私も…』
会話をしていることをいいことに##NAME1##が一歩歩み寄り、全員に小声で指示を出す
コソッ
『全員、裏の顔合わせは後でやりましょう
今は早くこの事件が解決するのを待った方がよさそうです』
バ「同感です」
べ「そうね」
入間「わかりました」
だが##NAME1##の不安を他所に、事件は"眠りの小五郎"が解決に導いた
トリックとしてはクローゼットの中で犯人が正面にもう一枚板を置いたことで、開けた時に人がいないように見える、というものだった
つまり犯人は事情聴取の間もずーーーっとクローゼットに潜んでいたそうだ
『(…ある意味バカね
手口はマジシャンが良く使う手だけど…)』
なぁんて思っていたら、犯人は元マジシャンだった
…よくできた話だこと
警察からは捜査協力への謝罪と感謝を述べられ、その場で解散となった為、安室が送ってくれるという話になり4人で下へ降りることにした
コ「おねーさぁーん!」
『…どうしたの?ボク』
コ「おねーさんにお話ししたいことがあるんだけど…恥ずかしいからあっちでお話ししたいなぁ?」
『(カワイイッ…!!待て私、今はパルよ!絆されちゃいけないッ…!!)
…ん~…ちょっとだけだよ?♡』
安「(負けたな;)
じゃあ先に車で待ってますよ」
安室とベルモットは##NAME1##に呆れた視線を向けつつ、山田も一緒に先に降りてもらうことにした
廊下の曲がり角にしゃがみ込みコナンと視線を合わせると、一瞬で顔が新一になった
『…で?話ってなに?今日はゆっくりお話しできる方の仕事じゃないってわかってるでしょ?』
あえて突き放すように話すが、コナンの険しい表情は変わらない
コ「さっきの入間って人、姉さんが部屋に入っていった人と別の人でしょ」
『!…その観察眼はさすがだけど、組織の人間でコードネームはなんだって話し?』
コ「いや、俺が聞きたいのは"本物の"入間さんはどうしたの?ってことだよ」
『…安心して、殺してない
"コッチ"でどうにかできないか今調整中よ
(コソッ)
私が公安の##NAME2####NAME1##ってバレてたの』
コ「なに!?」
『だから咄嗟に眠らせるしかなくてね…
大丈夫、なんとかするわ
こっちも長年の努力を無駄にしたくないし(苦笑)』
コ「…大丈夫なんだよね?」
『大丈夫
私の上司が誰か忘れた?(ニヤッ)』
コ「!…安室さんも姉さんも優秀な人だって知ってるよ」
『! カワイイこと言ってくれちゃって~この~ぉ!』
コ「わっ!?や、やめろよ~!」
ぎゅーっと抱きしめて頬ずりをして充電し、名残惜しいがかわいい弟を手放した
『は~、ハグはストレス軽減にいいって本当なんだなって実感するわ…(至福)』
コ「ほんと気をつけろよ?」
『わかってるよ~、ありがと♡
じゃあそろそろ行くわね』
そういってエレベーターに乗り込み、地下駐車場へと向かう
5分ほどだったと思うが、もう自己紹介はしあっただろうか?と思いながら駐車場へと足を踏み入れた
『(いた、)お待たせしました』
べ「大丈夫だったの?」
『えぇ、なんとか(苦笑)
で?自己紹介はできましたか?』
山田「えぇ、こんな優秀な方たちを紹介してくださって、感謝しますよ、パル」
『どういたしまして♡』
べ「で、バーボンと話してたんだけど…
ジンに会わせてみようかと思うの」
『あら、随分気に入られたようですね
いいんじゃないですか?彼の狙撃の腕は私が保証しますし、この通り、諜報も得意みたいですから』
バ「決まりですね
僕よりあなたから言った方がいいでしょうから、あとは任せますね
ベルモット」
べ「はいはい
じゃあ、私はここで失礼するわね
ジンとの都合がわかったら連絡するわ」
山田「はい。また」
そしてベルモットの姿が見えなくなり、バーボンの車へと乗りこむ
カバンから盗聴感知器を取り出して安全を確認する
『OKです』
降「急だったのに助かったよ、山田」
『ほんと助かったわ~!ありがとう、山田♡』
山田「い、いえっ
僕…変じゃなかったですか?」
『むしろ100点満点よ!
風見さんから言った情報だけでよく入間になりきったわね!』
降「あぁ。初めてとは思えなかった
よくやった」
山田「あ、ありがとうございます…///」
降「で、だ…山田の組織入りはほぼ決まったものだが…それは本庁に帰ってからゆっくり話そう
それより今本題なのは…」
『入間ですね…』
私が話している間にウォッカと会えたらしく、バーボンの車のトランクに入れてあるらしい
『このまま公安で捕えたいところですが…
山田は入間の会社から何か見つけた?』
山田「それが…色々出てきまして…」
『…今の聞かなかったことにして帰って寝ていいですか「いいわけないだろ」…ですよね~(めんどくさい予感しかしない…)』
山田「例のバラ事件…
まだまだ終わりがみえないみたいですよ」
『…帰って「ダメだ」…(もうやだ…泣)』
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