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午前の仕事が終わり、社員たちが椅子から立ち上がる。いつもの癖でスマホをいじった小西の目に、案の定進藤のお気楽な投稿が入ってくる。写真付きだ。おとといのあの件は忘れたのだろうか、あの通話の闇の欠片も見せない、明るい絵文字が使われた投稿だった。
写真にはたくさんのグッズを飾った棚が映っていた。ラバーストラップにアクリルスタンド、壁にはアニメ一期の大きなポスター。そのどれもがアーモンドグリーンだ。ただグッズを置いただけではなく、照明にもこだわっているようで、椎名くんたちはきらきらと輝いている。最推しである彼を愛している、というメッセージが伝わってくる。
その投稿に、たくさんのいいねがつけられていた。魂を込めた作品の告知ではなく、銭さえあれば揃えられるグッズの投稿に。その数字は、グッズが欲しいという欲があまりなく、原作にしかお金を出していない小西を、複雑な気持ちにさせた。私、負けてる。椎名くんへの愛さえも、負けている。睡眠不足もあり、仕事の疲労がより重たくなって小西の肩にのしかかる。
オフィスのカフェスペースで友達が待っている。小西はスマホをスリープにして深いグリーンのロングスカートのポケットに入れた。切り替えなくちゃ。歩きながら気持ちが穏やかになるように、深呼吸をする。
「あれ? 今日ネイルしてないの?」
軽く挨拶をして座り、今朝作った塩昆布のおにぎりをもそもそと食べていると、太田さんに話しかけられた。白いブラウスに落ち着いたピンクのカーディガン、しっかりオフィスメイクをした彼女と対照的に、今日の小西はすっぴんだった。朝は憂鬱で、洗顔と保湿、日焼け止めで精一杯だったのだ。そのくらい、疲れていた。なにも塗られていない爪を見て、「うん……」と力なく返事をする。
写真にはたくさんのグッズを飾った棚が映っていた。ラバーストラップにアクリルスタンド、壁にはアニメ一期の大きなポスター。そのどれもがアーモンドグリーンだ。ただグッズを置いただけではなく、照明にもこだわっているようで、椎名くんたちはきらきらと輝いている。最推しである彼を愛している、というメッセージが伝わってくる。
その投稿に、たくさんのいいねがつけられていた。魂を込めた作品の告知ではなく、銭さえあれば揃えられるグッズの投稿に。その数字は、グッズが欲しいという欲があまりなく、原作にしかお金を出していない小西を、複雑な気持ちにさせた。私、負けてる。椎名くんへの愛さえも、負けている。睡眠不足もあり、仕事の疲労がより重たくなって小西の肩にのしかかる。
オフィスのカフェスペースで友達が待っている。小西はスマホをスリープにして深いグリーンのロングスカートのポケットに入れた。切り替えなくちゃ。歩きながら気持ちが穏やかになるように、深呼吸をする。
「あれ? 今日ネイルしてないの?」
軽く挨拶をして座り、今朝作った塩昆布のおにぎりをもそもそと食べていると、太田さんに話しかけられた。白いブラウスに落ち着いたピンクのカーディガン、しっかりオフィスメイクをした彼女と対照的に、今日の小西はすっぴんだった。朝は憂鬱で、洗顔と保湿、日焼け止めで精一杯だったのだ。そのくらい、疲れていた。なにも塗られていない爪を見て、「うん……」と力なく返事をする。
