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catastrophe

(何が、あった…?)

目の前に広がっているのは秋葉原アキバの街。
〈エルダー・テイル〉日本サーバー最大の街だ。
辺りを見回す。うずくまっている誰も彼も が、中世ファンタジー世界の住民の姿をしている。
それもそのはずだ。
〈エルダー・テイル〉は剣と魔法の世界をモチーフにしている。
だが、それはあくまでゲームとして・・・・・・・・・・、だったはずだ。
レベッカの頬を撫でる風はあくまで冷たく、水気を含んでいて、この場所はレベッカの慣れ親しんでいた世界ではないと告げている。

(いやいやいや、流石に…夢でしょ)

レベッカは自分の頬を叩いてみたが、痛いだけであった。
仕方なくレベッカは頭を振って思い出す。
自分は〈エルダー・テイル〉をプレイしていた。
自宅のデスクに向かい〈エルダー・テイル〉に12番目の拡張追加パックが当てられるその時を待っていた。
拡張パック導入当日ということもあり、レベッカの友人も大勢ログインしていたのは、フレンド・リストで確認している。

レベッカは〈エルダー・テイル〉ではベテランプレイヤーに当たる。
小学生のときにはじめ、10年以上このゲームで遊んでいる。
世界中では2000万人を超える愛好者のいる、この巨大なネットワークゲームは、本当に長い間レベッカを魅力し続けていた。
レベッカ自身はといえば、今回の追加パックを楽しみに、自分の兄と談笑していたはずだ。

『そうだ。直ちゃん探さなきゃ』
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