祭りのあと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
❁❁❁❁❁❁❁
「あれっ?
花巻、今日ってバレー部休みじゃなかった?」
文化祭も終わった後、最初の月曜日。
長引いたホームルームも終わり、荷物を手に部室棟に向かっていると、背後からバスケ部のコンドウに声を掛けられた。
「月曜なのに、校門に行かずにコッチ向かってるからさ……
何か忘れ物?」
バレー部の月曜部活休みは他の部にも認知されているせいか、少しでも違う事をするから目立つようだ。
「あー、違う違う。
今日はさ、ちょっとしたレクリエーションがあってさ……」
「レクリエーション?!
あー、文化祭も終わったから?
お前ら男女仲良かったんだな……」
「あ、まぁな……」
コンドウの話に適当に合わせて苦笑い。
部室棟で別れると、急いで着替えて 体育館に向かう。
「ちょっとっ!!
皆さ、手加減っていう言葉知らないの?!」
すると既にそれは始まっていた。
ネットの張られたコートのエンドラインには女バレの3年レギュラーがズラリと並び、それぞれ得意のサーブを次々に打ち込む。
ボールのその先、ネットの向こう側には及川がギャーギャーと喚きながら、それをレシーブ。
まだ無駄口叩く余裕があるのか、きっちりとネット前に返していく。
リサがムッとした表情でジャンプフロータサーブを打ち込みながら、
「手加減って言葉なんか、私の辞書にはないっ!」
と叫ぶ。
怒っているせいか、いつもより球威が増しているように見える。
「あーーっ!
もうっ、100本いったんじゃないの?!
ねぇ、もういいじゃん!」
及川はコート側で仁王立ちする岩泉に声を掛けるが、
「まだまだ!
始まったばかり~」
ニヤニヤ面白がっている松川がサーブを打ち込まれる度に点数表を一枚ずつ捲っていく。
「あと77本。」
眉間のシワを更に深くした岩泉がボソリと呟く。
「ひええぇーーっ!!」
及川の悲鳴にも似た絶叫が体育館から漏れる中、他の部の奴等が不思議そうな顔して覗き込む。
及川のファンクラブが見たら、大ブーイングを起こしそうだが、生憎月曜という事もあり、ギャラリーは無し。
「岩ちゃん、勘弁してよ~」
「はぁ?!
文化祭抜け出して、ライヴ観てたヤツに言われたかねぇよ。
それ以上、寝惚けた事言ってると100本追加するぞ。」
「やめてっ!
俺が、俺が悪かったからさ……」
文化祭の最中に抜け出した及川のお陰で、今年のバレー部の評価が去年より1ランク下がり、全体の3位だったのだ。
それに伴い、来年度の予算額が若干(3,000円程度)下がるらしい。
後半、平岩が執事として助っ人に入り、少しは盛り返したが、及川の穴はそう簡単に補えるものではなかった。
今回の結果に上層部の岩泉やリサが激怒し、任務放棄した及川へのペナルティ(見せしめ)として、部活休みの月曜に100本レシーブを課したのだ。
「ねぇ、悪かったと思ってるからさ、ちょっとは手を抜いてよ~」
「……ごめん、及川。
それは出来ない。」
今度は平岩が思い切りジャンプサーブを放つ。
性格上、そういう事が出来ないヤツだから、これまたいつもよりも凄い回転がかかった状態で及川目掛けて飛んでいく。
「痛っ!
ちょっとっ、お前はバカなの?!
この及川さんの腕見て!
さっきから力任せに打ってくるから、俺の腕 真っ赤だよ。」
文句言いながらも、平岩のサーブを難なくレシーブする及川。
こうして改めて見るとやっぱり上手い。
「お前ら、遠慮せずに全力でいけよ。
今日は及川のバレー部ファン感謝デーだ。
女バレが50打ったら、ラスト50は俺らの番だからな。
それまでにアップしとけよ。」
「いわちゃーーーーーん!
許してぇーーーーーーーー!」
及川が文化祭から逃げ出さなければ、こんな目に遭う事もなかっただろうに。
嫌な事から逃げ出すと録な事がない……
後の男バレの生きた教訓となったとか、なってないとか。
2019.9.24
Web拍手お礼小話として公開
「あれっ?
花巻、今日ってバレー部休みじゃなかった?」
文化祭も終わった後、最初の月曜日。
長引いたホームルームも終わり、荷物を手に部室棟に向かっていると、背後からバスケ部のコンドウに声を掛けられた。
「月曜なのに、校門に行かずにコッチ向かってるからさ……
何か忘れ物?」
バレー部の月曜部活休みは他の部にも認知されているせいか、少しでも違う事をするから目立つようだ。
「あー、違う違う。
今日はさ、ちょっとしたレクリエーションがあってさ……」
「レクリエーション?!
あー、文化祭も終わったから?
お前ら男女仲良かったんだな……」
「あ、まぁな……」
コンドウの話に適当に合わせて苦笑い。
部室棟で別れると、急いで着替えて 体育館に向かう。
「ちょっとっ!!
皆さ、手加減っていう言葉知らないの?!」
すると既にそれは始まっていた。
ネットの張られたコートのエンドラインには女バレの3年レギュラーがズラリと並び、それぞれ得意のサーブを次々に打ち込む。
ボールのその先、ネットの向こう側には及川がギャーギャーと喚きながら、それをレシーブ。
まだ無駄口叩く余裕があるのか、きっちりとネット前に返していく。
リサがムッとした表情でジャンプフロータサーブを打ち込みながら、
「手加減って言葉なんか、私の辞書にはないっ!」
と叫ぶ。
怒っているせいか、いつもより球威が増しているように見える。
「あーーっ!
もうっ、100本いったんじゃないの?!
ねぇ、もういいじゃん!」
及川はコート側で仁王立ちする岩泉に声を掛けるが、
「まだまだ!
始まったばかり~」
ニヤニヤ面白がっている松川がサーブを打ち込まれる度に点数表を一枚ずつ捲っていく。
「あと77本。」
眉間のシワを更に深くした岩泉がボソリと呟く。
「ひええぇーーっ!!」
及川の悲鳴にも似た絶叫が体育館から漏れる中、他の部の奴等が不思議そうな顔して覗き込む。
及川のファンクラブが見たら、大ブーイングを起こしそうだが、生憎月曜という事もあり、ギャラリーは無し。
「岩ちゃん、勘弁してよ~」
「はぁ?!
文化祭抜け出して、ライヴ観てたヤツに言われたかねぇよ。
それ以上、寝惚けた事言ってると100本追加するぞ。」
「やめてっ!
俺が、俺が悪かったからさ……」
文化祭の最中に抜け出した及川のお陰で、今年のバレー部の評価が去年より1ランク下がり、全体の3位だったのだ。
それに伴い、来年度の予算額が若干(3,000円程度)下がるらしい。
後半、平岩が執事として助っ人に入り、少しは盛り返したが、及川の穴はそう簡単に補えるものではなかった。
今回の結果に上層部の岩泉やリサが激怒し、任務放棄した及川へのペナルティ(見せしめ)として、部活休みの月曜に100本レシーブを課したのだ。
「ねぇ、悪かったと思ってるからさ、ちょっとは手を抜いてよ~」
「……ごめん、及川。
それは出来ない。」
今度は平岩が思い切りジャンプサーブを放つ。
性格上、そういう事が出来ないヤツだから、これまたいつもよりも凄い回転がかかった状態で及川目掛けて飛んでいく。
「痛っ!
ちょっとっ、お前はバカなの?!
この及川さんの腕見て!
さっきから力任せに打ってくるから、俺の腕 真っ赤だよ。」
文句言いながらも、平岩のサーブを難なくレシーブする及川。
こうして改めて見るとやっぱり上手い。
「お前ら、遠慮せずに全力でいけよ。
今日は及川のバレー部ファン感謝デーだ。
女バレが50打ったら、ラスト50は俺らの番だからな。
それまでにアップしとけよ。」
「いわちゃーーーーーん!
許してぇーーーーーーーー!」
及川が文化祭から逃げ出さなければ、こんな目に遭う事もなかっただろうに。
嫌な事から逃げ出すと録な事がない……
後の男バレの生きた教訓となったとか、なってないとか。
2019.9.24
Web拍手お礼小話として公開
2/2ページ