策略
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彼女の退路を塞げば、
「……はい。」
抗うことなく素直に従う。
男に免疫が無い彼女は戸惑いながらもその瞳に俺の顔を映り込ませる。
そう、そのまま……見つめていて。
俺だけを意識して。
「じゃあさ、まずはその恥ずかしがりなところを直す必要があるな。
こうやって、至近距離で目を合わせても動じないくらいの神経がないと、いつまで経っても思ってる事が相手に読まれっぱなしだ。」
俺を怖がらないで……
信じてくれ。
「だから、神谷……今日から俺と特訓する?」
そして、
寝ても覚めても俺のことだけ考えて。
「と、とっくん?!」
彼女は両目を見開き、大きな声で驚く。
あ……
これ、微妙な反応だ。
早急過ぎたか?
「そうだ。
どうにかしたいんだろ?」
俺は慌てて、彼女からわざと離れる。
ここで仲良くなるはずが、敬遠されてしまってはこの計画も水の泡。
「まずは今日の放課後、至近距離で目を十秒合わせることから始める。」
飽くまで自然に。
神谷の為に……っていうのをアピールしないと。
十秒見つめ合うことから慣れていけば、神谷との関係も夜久以上に縮まる……はず。
っていうか、俺達 付き合うことになるかもしれない。
「そこから徐々に慣れていけば、その赤面するところも少しは抑えられると思うんだけどな。」
って……ヤバい。
妄想しただけなのに顔がニヤけてしまいそうだ。
只のクラスメイトの俺がこんな風に頼られるチャンスなんて、もうこの先ないだろう。
今にも弛みそうな顔の筋肉を引き締め、下心を慌てて覆い隠す。
「なぁ、神谷……どうする?」
頬を赤らめる彼女に軽くプレッシャーを与えながら、答えを急かす。
押しても駄目なら引く……
いつもなら駆け引きを楽しむが、今回は悠長なことしてられない。
恋愛経験ゼロの慎重な彼女のことだ。
ここで猶予を与えてしまえば……
①神谷、オカン夜久に相談。
↓
②夜久、激怒。
↓
③夜久、神谷に思い止まるように説得。
(俺の下心、いや恋心を神谷に全てバラされる)
↓
④神谷、俺を軽蔑。
(汚い物でも見るような目で見られる)
↓
⑤当然、弱点克服メニューは却下。
↓
⑥神谷、夜久との信頼関係が更に深まる。
(やっぱり、私には夜久くんしか信じられないとか言って……)
↓
⑦最悪 神谷、夜久と付き合うことに……。
……俺の予想ではこうなる。
ようやくここまでこぎ着けたんだ。
それだけは絶対に避けたい!
だから、神谷……
頼む!!!!
首を縦に振ってくれ!
あー、告白した訳でもないのに、柄にもなく胸がドキドキする。
俺の提案に乗るのか、断るのか……
こればかりは読めない。
彼女の口から早く聞きたい気持ちと真逆の気持ちが入り交じる複雑な気分で、考え込む彼女を見つめる。
すると、頬を染めた神谷の口が開き、
「黒尾くん……」
意を決した様子で俺の名を呼んだ瞬間、握り締めた手のひらにじわり汗が滲む。
「特訓 お願いします!」
彼女は深々と頭を下げてきた。
……今、何て?
「お願いします」って言った?
マジで?!
「……ッシャ!!!」
嬉しさのあまり、握り締めていた拳を突き上げていると、
「くーろーおー、うるさい。」
背後から低い声がする。
慌てて振り返ると、担任が厳めしい顔で真後ろに突っ立っていた。
「……はい。」
抗うことなく素直に従う。
男に免疫が無い彼女は戸惑いながらもその瞳に俺の顔を映り込ませる。
そう、そのまま……見つめていて。
俺だけを意識して。
「じゃあさ、まずはその恥ずかしがりなところを直す必要があるな。
こうやって、至近距離で目を合わせても動じないくらいの神経がないと、いつまで経っても思ってる事が相手に読まれっぱなしだ。」
俺を怖がらないで……
信じてくれ。
「だから、神谷……今日から俺と特訓する?」
そして、
寝ても覚めても俺のことだけ考えて。
「と、とっくん?!」
彼女は両目を見開き、大きな声で驚く。
あ……
これ、微妙な反応だ。
早急過ぎたか?
「そうだ。
どうにかしたいんだろ?」
俺は慌てて、彼女からわざと離れる。
ここで仲良くなるはずが、敬遠されてしまってはこの計画も水の泡。
「まずは今日の放課後、至近距離で目を十秒合わせることから始める。」
飽くまで自然に。
神谷の為に……っていうのをアピールしないと。
十秒見つめ合うことから慣れていけば、神谷との関係も夜久以上に縮まる……はず。
っていうか、俺達 付き合うことになるかもしれない。
「そこから徐々に慣れていけば、その赤面するところも少しは抑えられると思うんだけどな。」
って……ヤバい。
妄想しただけなのに顔がニヤけてしまいそうだ。
只のクラスメイトの俺がこんな風に頼られるチャンスなんて、もうこの先ないだろう。
今にも弛みそうな顔の筋肉を引き締め、下心を慌てて覆い隠す。
「なぁ、神谷……どうする?」
頬を赤らめる彼女に軽くプレッシャーを与えながら、答えを急かす。
押しても駄目なら引く……
いつもなら駆け引きを楽しむが、今回は悠長なことしてられない。
恋愛経験ゼロの慎重な彼女のことだ。
ここで猶予を与えてしまえば……
①神谷、オカン夜久に相談。
↓
②夜久、激怒。
↓
③夜久、神谷に思い止まるように説得。
(俺の下心、いや恋心を神谷に全てバラされる)
↓
④神谷、俺を軽蔑。
(汚い物でも見るような目で見られる)
↓
⑤当然、弱点克服メニューは却下。
↓
⑥神谷、夜久との信頼関係が更に深まる。
(やっぱり、私には夜久くんしか信じられないとか言って……)
↓
⑦最悪 神谷、夜久と付き合うことに……。
……俺の予想ではこうなる。
ようやくここまでこぎ着けたんだ。
それだけは絶対に避けたい!
だから、神谷……
頼む!!!!
首を縦に振ってくれ!
あー、告白した訳でもないのに、柄にもなく胸がドキドキする。
俺の提案に乗るのか、断るのか……
こればかりは読めない。
彼女の口から早く聞きたい気持ちと真逆の気持ちが入り交じる複雑な気分で、考え込む彼女を見つめる。
すると、頬を染めた神谷の口が開き、
「黒尾くん……」
意を決した様子で俺の名を呼んだ瞬間、握り締めた手のひらにじわり汗が滲む。
「特訓 お願いします!」
彼女は深々と頭を下げてきた。
……今、何て?
「お願いします」って言った?
マジで?!
「……ッシャ!!!」
嬉しさのあまり、握り締めていた拳を突き上げていると、
「くーろーおー、うるさい。」
背後から低い声がする。
慌てて振り返ると、担任が厳めしい顔で真後ろに突っ立っていた。