特訓
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「神谷サン……」
いつもは呼び捨ての私の名字に「サン」付け……
何事かと思い、隣の黒尾くんに視線を向ければ、
「ボクがそんな薄情なことするわけないデショ。」
さっきまでのニヤケた表情から一変。
すごい真剣な顔で抑揚のない外国人のような口調で喋る。
それが違和感あり過ぎて、
「それ、変……」
つい笑ってしまうと黒尾くんも、
「人の顔見て笑うとは失礼な。」
とか言いつつも怒る様子もなく、ニッと笑みを返してくれた。
「っていうか、俺ら 同じ場所に戻るんだし、一緒に帰るに決まってるだろ。
ほら、行くぞ。」
……という訳で、黒尾くんと一緒に教室へと戻ることになった。
あ……私、また赤面してんだろうな。
今度は耳まで熱い。
「次って、現国だったよな?」
「えっ……そうだったっけ?」
とりあえず、移動教室じゃなかったな、くらいの認識だったから……
曖昧な返事をしてしまった。
「神谷……大丈夫か?
次はげ・ん・こ・く。
っていうか、階段 ちゃんと見て歩けよ。
頼むから、転けるなよ。」
私=危なっかしいという認識なのだろうか。
口煩い親みたいな口調の忠告を聞き流しながら、再び 考え込む。
これからどうすればいいのかと。
毎回、思っていることが顔に現れるのか、黒尾くんに簡単に知られてしまう……
普段、そこまで意識したことなかったのだが、ここまで言い当てられる程 顔に出てしまっているのだから、相当 重症だ。
人生80年と言われる昨今。
これから先、ずーっとこんな風に心の声が駄々もれっていうのは非常にマズい。
デメリット以外の何物でもない。
それでなくても人見知りで赤面するっていうのに……
今からでも、何らかの対策をしなくては!!
まずはどの程度、酷いのかをリサーチしないと。
まずは身近にいる人物から……
「く……ろ尾くん……」
階段の踊り場、ふと足を止めて一歩先を行く彼の名を呼ぶ。
だが、私の声が小さかったのか、
「…………」
完全スルーされる。
いつもなら、めげてしまいそうだけど、こんなところで挫折出来ない!
「黒尾くん!」
いつもより少し気合いを入れて、再び 彼の名を呼ぶと、
「……え?」
彼は考え事でもしていたのだろうか?
少し慌てたような表情でこちらを振り返った。
「今、俺の事 呼んだ?」
どうやら、声を掛けられたことに気付かないくらい物思いに耽っていたらしい。
「はい。」
苦笑しつつ頷くと、彼は踊り場にいる私と同じ目線になる為か……
踊り場から一段 下りた所で立ち止まった。
「何、どうした?
あ、もしかしてさ、図書室に忘れ物か?」
彼のその言葉に少しホッとした。
今、この段階で私の尋ねたいことがわかっていなくて。
「あの……そうじゃなくて。」
あ……緊張してきた。
手が震えていることに動揺しながらも気を取り直して口を開く。
「あの……私って、そんなにわかり易いですか?」
私がこんなことを尋ねると思っていなかったのだろう。
ポカンと口を開き、呆気にとられたような表情で私を見つめる。
いつもは呼び捨ての私の名字に「サン」付け……
何事かと思い、隣の黒尾くんに視線を向ければ、
「ボクがそんな薄情なことするわけないデショ。」
さっきまでのニヤケた表情から一変。
すごい真剣な顔で抑揚のない外国人のような口調で喋る。
それが違和感あり過ぎて、
「それ、変……」
つい笑ってしまうと黒尾くんも、
「人の顔見て笑うとは失礼な。」
とか言いつつも怒る様子もなく、ニッと笑みを返してくれた。
「っていうか、俺ら 同じ場所に戻るんだし、一緒に帰るに決まってるだろ。
ほら、行くぞ。」
……という訳で、黒尾くんと一緒に教室へと戻ることになった。
あ……私、また赤面してんだろうな。
今度は耳まで熱い。
「次って、現国だったよな?」
「えっ……そうだったっけ?」
とりあえず、移動教室じゃなかったな、くらいの認識だったから……
曖昧な返事をしてしまった。
「神谷……大丈夫か?
次はげ・ん・こ・く。
っていうか、階段 ちゃんと見て歩けよ。
頼むから、転けるなよ。」
私=危なっかしいという認識なのだろうか。
口煩い親みたいな口調の忠告を聞き流しながら、再び 考え込む。
これからどうすればいいのかと。
毎回、思っていることが顔に現れるのか、黒尾くんに簡単に知られてしまう……
普段、そこまで意識したことなかったのだが、ここまで言い当てられる程 顔に出てしまっているのだから、相当 重症だ。
人生80年と言われる昨今。
これから先、ずーっとこんな風に心の声が駄々もれっていうのは非常にマズい。
デメリット以外の何物でもない。
それでなくても人見知りで赤面するっていうのに……
今からでも、何らかの対策をしなくては!!
まずはどの程度、酷いのかをリサーチしないと。
まずは身近にいる人物から……
「く……ろ尾くん……」
階段の踊り場、ふと足を止めて一歩先を行く彼の名を呼ぶ。
だが、私の声が小さかったのか、
「…………」
完全スルーされる。
いつもなら、めげてしまいそうだけど、こんなところで挫折出来ない!
「黒尾くん!」
いつもより少し気合いを入れて、再び 彼の名を呼ぶと、
「……え?」
彼は考え事でもしていたのだろうか?
少し慌てたような表情でこちらを振り返った。
「今、俺の事 呼んだ?」
どうやら、声を掛けられたことに気付かないくらい物思いに耽っていたらしい。
「はい。」
苦笑しつつ頷くと、彼は踊り場にいる私と同じ目線になる為か……
踊り場から一段 下りた所で立ち止まった。
「何、どうした?
あ、もしかしてさ、図書室に忘れ物か?」
彼のその言葉に少しホッとした。
今、この段階で私の尋ねたいことがわかっていなくて。
「あの……そうじゃなくて。」
あ……緊張してきた。
手が震えていることに動揺しながらも気を取り直して口を開く。
「あの……私って、そんなにわかり易いですか?」
私がこんなことを尋ねると思っていなかったのだろう。
ポカンと口を開き、呆気にとられたような表情で私を見つめる。