君の隣
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
右に滑らせて、『え』 を表示させると、
「なるほど!
表示される文字が変わるんだ!」
仕組みを理解したのか、画面を覗き込む彼女は興奮気味に喋る。
「慣れたら簡単だけど、それまでは同じ文字盤を使って、別の入力方法をしてもいいかも。
例えば、『の』 を表示させたかったら、『な』 のボタンを五回押すと……」
「あ、『の』 が出た!」
一般的な入力方法を知らないところを見ると、彼女は今まで携帯電話を持ったことがないのだろう。
「南雲さんはパソコン持ってる?」
すると、彼女は首を横に振る。
「そっか。
この文字入力のキーボードもこれと違って、パソコンのキーボードと同じ文字配置のもあるんだ。
それでパソコンと同じようにローマ字入力出来るんだよ。」
文字盤を切り替えて、QWERTYキーボードを表示させて説明していると、
「縁下くん、すごい……先生みたい。」
彼女は感心したように呟いた。
「先生だなんて、南雲さん 大袈裟だよ。」
今まで人からそんな風に褒められたことがなかったから、どう反応していいか わからない。
恥ずかしくて、彼女のスマホを見つめていると、
「そんなことないよ。
機械苦手な私でもわかるように丁寧に教えてくれて……本当にありがとう。」
南雲さんが再び俺に礼を言う。
その横顔をちらりと盗み見ると、俺を見つめながら笑みを浮かべる。
「私、今まで携帯持ったことなくてね。
今回、家族に『連絡取れないと困るから』 って言われて、初めて持つことになって……
スマホ買ったのはいいけど、使い方とか全くわからなくて、困っていたんだ。」
それは俺にとってはすごく意外な話だった。
南雲さんなら、何でもテキパキとこなすイメージがあったから、スマホ操作とかもお手の物とばかり……
彼女にも苦手な物事があるっていう一面を知れて嬉しかった。
「覚えるまではそうかもしれないけど、慣れていけば何てことないよ。
焦らずに、ちょっとずつでいいから。」
南雲さんを励ますように笑いかけると、
「そうだね。
縁下くんがそう言ってくれると何だか心強い。」
彼女もにっこりと微笑みを返してくれた。
「そうだ……
縁下くんとメールすれば、わからないところもすぐ教えてもらえるね。
お互いのことも知れるし、文字入力の勉強にもなるし……
迷惑じゃなかったら、そうしてもらえると嬉し……」
「迷惑だなんて、そんな訳ないよ!
実は俺もそうしたいと思っていたから……
じゃ、俺の番号とアドレス登録しておくね。」
連絡先交換するとか、メル友になれるとか……昨日までの俺からは想像出来ない。
予想外の出来事の連続に舞い上がった俺は、自分の連絡先を彼女のスマホに登録した。
右に滑らせて、『え』 を表示させると、
「なるほど!
表示される文字が変わるんだ!」
仕組みを理解したのか、画面を覗き込む彼女は興奮気味に喋る。
「慣れたら簡単だけど、それまでは同じ文字盤を使って、別の入力方法をしてもいいかも。
例えば、『の』 を表示させたかったら、『な』 のボタンを五回押すと……」
「あ、『の』 が出た!」
一般的な入力方法を知らないところを見ると、彼女は今まで携帯電話を持ったことがないのだろう。
「南雲さんはパソコン持ってる?」
すると、彼女は首を横に振る。
「そっか。
この文字入力のキーボードもこれと違って、パソコンのキーボードと同じ文字配置のもあるんだ。
それでパソコンと同じようにローマ字入力出来るんだよ。」
文字盤を切り替えて、QWERTYキーボードを表示させて説明していると、
「縁下くん、すごい……先生みたい。」
彼女は感心したように呟いた。
「先生だなんて、南雲さん 大袈裟だよ。」
今まで人からそんな風に褒められたことがなかったから、どう反応していいか わからない。
恥ずかしくて、彼女のスマホを見つめていると、
「そんなことないよ。
機械苦手な私でもわかるように丁寧に教えてくれて……本当にありがとう。」
南雲さんが再び俺に礼を言う。
その横顔をちらりと盗み見ると、俺を見つめながら笑みを浮かべる。
「私、今まで携帯持ったことなくてね。
今回、家族に『連絡取れないと困るから』 って言われて、初めて持つことになって……
スマホ買ったのはいいけど、使い方とか全くわからなくて、困っていたんだ。」
それは俺にとってはすごく意外な話だった。
南雲さんなら、何でもテキパキとこなすイメージがあったから、スマホ操作とかもお手の物とばかり……
彼女にも苦手な物事があるっていう一面を知れて嬉しかった。
「覚えるまではそうかもしれないけど、慣れていけば何てことないよ。
焦らずに、ちょっとずつでいいから。」
南雲さんを励ますように笑いかけると、
「そうだね。
縁下くんがそう言ってくれると何だか心強い。」
彼女もにっこりと微笑みを返してくれた。
「そうだ……
縁下くんとメールすれば、わからないところもすぐ教えてもらえるね。
お互いのことも知れるし、文字入力の勉強にもなるし……
迷惑じゃなかったら、そうしてもらえると嬉し……」
「迷惑だなんて、そんな訳ないよ!
実は俺もそうしたいと思っていたから……
じゃ、俺の番号とアドレス登録しておくね。」
連絡先交換するとか、メル友になれるとか……昨日までの俺からは想像出来ない。
予想外の出来事の連続に舞い上がった俺は、自分の連絡先を彼女のスマホに登録した。