all night long
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✭✭✭✭✭✭✭
「菅原くん。」
しばらく走ったところで彼女が繋いだ手を引っ張る。
気が付けば人気のない校舎裏にいた。
「ごめん、昼 食べるはずだったのに……
あんな騒ぎ起こして。」
公衆の面前で、あんなことして絶対に怒られる……
そう覚悟していたが、
「ははっ、いいよ。
でも、あの店 しばらく行けなくなっちゃったね。」
彼女は笑っていた。
許してくれたのかとホッと胸を撫で下ろしていると、突然 彼女が俺の腕を抱き締めるようにしがみ付く。
「菅原くんが助けに来てくれて、本当に良かった。
実はあの時、怖くて席から立てなかったんだ……」
彼女の声は微かに震えていた。
数週間前の冷水を浴びせられた出来事が相当堪えているのだろう。
俺、彼氏失格だな。
肝心な時に遅れるなんて……
「俺がもっと早く着いていたら良かったな……」
何だか、情けない。
「ごめんな。
頼りなくて……」
俺は平岩さんの身体を強く抱き締めてやる。
不安な気持ちが少しでも薄れるように……。
「……ううん、そんなことない。」
いつも笑っているから、あの時の事を忘れてしまっていると思っていたけど……
人間 誰でも嫌な出来事は覚えている。
彼女も例外ではなかった。
「菅原くん、ありがとう。」
いつも恥ずかしがる彼女が感謝の気持ちを込めて(多分)、自分からハグしてくれる。
キスもエッチもまだしてないけど、俺にとって それだけで充分だった(今だけだろうけど……)。
✭✭✭✭✭✭✭
カフェのランチを食べ損ねた俺達は売店でパンを買い、校舎裏の芝生に座って昼食をとっていた。
話題はさっきのカフェでの救出劇について、
「でも、私……嬉しかったよ。
菅原くんが現れて、あっという間に連れ出してくれて……
何だかドラマみたいで凄くドキドキした。」
彼女が珍しく興奮した様子で喋っている。
まぁ、俺もあんな大胆な事して、久々に心拍数上がったけど……彼女の『ドラマ』って表現に苦笑いしてしまう。
「平岩さんて、時々 夢見る乙女みたいなこと言うね。」
「えっ、そう?
っていうか、私 一応『乙女』ですけど?!
菅原くん、君 失敬だぞ!」
あ……また、やってしまった。
「あ、すみません。
お詫びにこのパン、一口どうです?」
そう言って食べかけていた菓子パンを差し出すも、ムッとした表情でそっぽを向かれる。
俺の『乙女』な彼女は御機嫌斜めになってしまった。
この状況、どうしようか……
小首を傾げて悩んでいると、怒っているはずの平岩さんが何か言いたげにこちらを見ている。
「パンはいらないから……
呼び方 変えてほしいんだけど。」
「呼び方?」
「名字より、さっきみたいに名前で呼んで。」
『乙女』の顔はみるみる内に真っ赤なリンゴのように染まっていく。
その様子が物凄く可愛くて……
「夏乃……」
無防備な彼女の身体を抱き締めた。
すると、彼女は俺の胸板を押し返す。
「ち、ちょっと!
もぅ……ここ、外!!」
ハグくらい、いいじゃん。
さっき、自分からしてくれたくせに~
「誰もいないよ。」
「いなくても!!」
もう、『乙女』なんだから~
「じゃ、中でならいい?」
上目遣いでお願いしてみると、
「……ハグ程度なら、少しだけ。」
作戦成功。
恥ずかしそうにOKしてくれた。
お願いしてみるもんだね~
「ありがとう~」
再び、強く抱き締めると、
「だから、ここではダメってば!!」
今度は背中をバシバシと叩かれる。
この調子だと、キスもエッチもまだまだ先の話だな……
恥ずかしがる夏乃の叫び声を聞きながら、溜息をもらした。
「菅原くん。」
しばらく走ったところで彼女が繋いだ手を引っ張る。
気が付けば人気のない校舎裏にいた。
「ごめん、昼 食べるはずだったのに……
あんな騒ぎ起こして。」
公衆の面前で、あんなことして絶対に怒られる……
そう覚悟していたが、
「ははっ、いいよ。
でも、あの店 しばらく行けなくなっちゃったね。」
彼女は笑っていた。
許してくれたのかとホッと胸を撫で下ろしていると、突然 彼女が俺の腕を抱き締めるようにしがみ付く。
「菅原くんが助けに来てくれて、本当に良かった。
実はあの時、怖くて席から立てなかったんだ……」
彼女の声は微かに震えていた。
数週間前の冷水を浴びせられた出来事が相当堪えているのだろう。
俺、彼氏失格だな。
肝心な時に遅れるなんて……
「俺がもっと早く着いていたら良かったな……」
何だか、情けない。
「ごめんな。
頼りなくて……」
俺は平岩さんの身体を強く抱き締めてやる。
不安な気持ちが少しでも薄れるように……。
「……ううん、そんなことない。」
いつも笑っているから、あの時の事を忘れてしまっていると思っていたけど……
人間 誰でも嫌な出来事は覚えている。
彼女も例外ではなかった。
「菅原くん、ありがとう。」
いつも恥ずかしがる彼女が感謝の気持ちを込めて(多分)、自分からハグしてくれる。
キスもエッチもまだしてないけど、俺にとって それだけで充分だった(今だけだろうけど……)。
✭✭✭✭✭✭✭
カフェのランチを食べ損ねた俺達は売店でパンを買い、校舎裏の芝生に座って昼食をとっていた。
話題はさっきのカフェでの救出劇について、
「でも、私……嬉しかったよ。
菅原くんが現れて、あっという間に連れ出してくれて……
何だかドラマみたいで凄くドキドキした。」
彼女が珍しく興奮した様子で喋っている。
まぁ、俺もあんな大胆な事して、久々に心拍数上がったけど……彼女の『ドラマ』って表現に苦笑いしてしまう。
「平岩さんて、時々 夢見る乙女みたいなこと言うね。」
「えっ、そう?
っていうか、私 一応『乙女』ですけど?!
菅原くん、君 失敬だぞ!」
あ……また、やってしまった。
「あ、すみません。
お詫びにこのパン、一口どうです?」
そう言って食べかけていた菓子パンを差し出すも、ムッとした表情でそっぽを向かれる。
俺の『乙女』な彼女は御機嫌斜めになってしまった。
この状況、どうしようか……
小首を傾げて悩んでいると、怒っているはずの平岩さんが何か言いたげにこちらを見ている。
「パンはいらないから……
呼び方 変えてほしいんだけど。」
「呼び方?」
「名字より、さっきみたいに名前で呼んで。」
『乙女』の顔はみるみる内に真っ赤なリンゴのように染まっていく。
その様子が物凄く可愛くて……
「夏乃……」
無防備な彼女の身体を抱き締めた。
すると、彼女は俺の胸板を押し返す。
「ち、ちょっと!
もぅ……ここ、外!!」
ハグくらい、いいじゃん。
さっき、自分からしてくれたくせに~
「誰もいないよ。」
「いなくても!!」
もう、『乙女』なんだから~
「じゃ、中でならいい?」
上目遣いでお願いしてみると、
「……ハグ程度なら、少しだけ。」
作戦成功。
恥ずかしそうにOKしてくれた。
お願いしてみるもんだね~
「ありがとう~」
再び、強く抱き締めると、
「だから、ここではダメってば!!」
今度は背中をバシバシと叩かれる。
この調子だと、キスもエッチもまだまだ先の話だな……
恥ずかしがる夏乃の叫び声を聞きながら、溜息をもらした。
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