all night long
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✽✽✽✽✽✽✽
……耳元に風を感じる。
一定のリズムで繰り返されるそれに目が覚めた。
室内は真っ暗でカーテンの隙間から月明かりだろうか、弱い光が差し込んでいる。
何だろう?
目を凝らしてみると、向かいに黒い影が見える。
布団……だろうか?
寝起きのせいか、目が慣れてなくてそれが何かわからなかったが、何となく嫌な予感がする。
「……ゴホ、ゴホッ…………」
目の前の黒い影が咳き込む度に大きく動く。
その声は確かに菅原くんだ。
……どうやら、彼も私同様にうたた寝してしまったのだろう。
6月といえど、朝方はやはり冷え込み、肌寒い。
こんなことで季節外れの風邪なんてひかれては困る!!
私は慌てて身体を起こし、暗がりの中 開け放たれた押し入れから掛け布団を引っ張り出す。
「……おやすみ。」
彼の身体にそっと掛けてやると、やはり寒かったのか……すぐに菅原くんが布団に抱き着いた。
眠る表情はあどけなさが残り、見ていて愛らしくて、まるで子供みたい。
私はそれを眺めながら、少し離れた壁際に凭れて座る。
スマホを見れば、現在 午前4時過ぎ……ネットで運行情報を調べると、深夜遅い時間に復旧したらしい。
あと少しすれば、始発も動き出すだろう。
「よかった……」
小さく呟き、そのまま目を閉じる。
それまでしばらく眠ろう。
✽✽✽✽✽✽✽
ほんのちょっと仮眠を取るつもりだった。
だが、目覚めてみたら、
「おはよう……」
目の前にニッと笑う菅原くんの顔。
「……ひっ?!」
驚いて、身体を起こすと彼に掛けたはずの布団がまとわり着く。
えっ、私……
向こうの壁際に座っていたはずなのに、どうしてここで寝てるの?
寒くなって、無意識に菅原くんの布団に入ったのだろうか……
もしかして、夢遊病?!
「えっ、あ……」
自分の置かれた状況が全く把握出来ずにいると、菅原くんがクスクスと笑い始めた。
「ごめん、俺が移動させたんだ。
平岩さんが壁に凭れていたから、風邪ひいたらいけないと思って……」
「あ……うん。
ありがとう。」
動揺を隠しながら礼を言うと、
「まだ5時だし、もう少し寝たら。
平岩さん、ほとんど寝てないでしょ?」
彼が私に掛かっていた布団をギュッと引っ張る。
「でも……それは菅原くんも一緒でしょ。
それに一人の方が寝られるんじゃない?」
「そうかな?
平岩さんも寝不足なんだし、こうなったら 二人で眠ればいいじゃん。」
これって……
菅原くんと同じ布団で横になるってことだよね?
「ね、早く。」
躊躇する私に向かって、笑顔で手招きする。
「ほら……髪、撫でてあげるから。」
「…………うっ……」
菅原くん、ずるい。
私が誘惑に簡単に負けてしまうこと、わかっていて……!
「ち……ちょっとだけ、ですよ?」
「うん、ちょっとだけ!」
付き合ってない男女が一組の布団で寝るなんて……
両親が知ったら確実に激怒するだろうな。
彼に髪を撫でてもらいながら、ぼんやりと考えた。
今夜のような事は、今後 間違っても無いだろう。
穏やかな菅原くんの隣でこうして甘えることも出来ない。
朝になれば、この夢のような時間も終わってしまう……
『チャンスは何度も転がってくる訳じゃないって気付いたのは、それからずっと後になってから……。
後悔はやってから、いくらでもすればいい。』
おばあちゃんの言葉がふと浮かぶ。
このチャンス逃したら、私 一生後悔するかも。
「菅原くん……」
「何?」
「私と付き合ってください。」
「はぁ?!」
……耳元に風を感じる。
一定のリズムで繰り返されるそれに目が覚めた。
室内は真っ暗でカーテンの隙間から月明かりだろうか、弱い光が差し込んでいる。
何だろう?
目を凝らしてみると、向かいに黒い影が見える。
布団……だろうか?
寝起きのせいか、目が慣れてなくてそれが何かわからなかったが、何となく嫌な予感がする。
「……ゴホ、ゴホッ…………」
目の前の黒い影が咳き込む度に大きく動く。
その声は確かに菅原くんだ。
……どうやら、彼も私同様にうたた寝してしまったのだろう。
6月といえど、朝方はやはり冷え込み、肌寒い。
こんなことで季節外れの風邪なんてひかれては困る!!
私は慌てて身体を起こし、暗がりの中 開け放たれた押し入れから掛け布団を引っ張り出す。
「……おやすみ。」
彼の身体にそっと掛けてやると、やはり寒かったのか……すぐに菅原くんが布団に抱き着いた。
眠る表情はあどけなさが残り、見ていて愛らしくて、まるで子供みたい。
私はそれを眺めながら、少し離れた壁際に凭れて座る。
スマホを見れば、現在 午前4時過ぎ……ネットで運行情報を調べると、深夜遅い時間に復旧したらしい。
あと少しすれば、始発も動き出すだろう。
「よかった……」
小さく呟き、そのまま目を閉じる。
それまでしばらく眠ろう。
✽✽✽✽✽✽✽
ほんのちょっと仮眠を取るつもりだった。
だが、目覚めてみたら、
「おはよう……」
目の前にニッと笑う菅原くんの顔。
「……ひっ?!」
驚いて、身体を起こすと彼に掛けたはずの布団がまとわり着く。
えっ、私……
向こうの壁際に座っていたはずなのに、どうしてここで寝てるの?
寒くなって、無意識に菅原くんの布団に入ったのだろうか……
もしかして、夢遊病?!
「えっ、あ……」
自分の置かれた状況が全く把握出来ずにいると、菅原くんがクスクスと笑い始めた。
「ごめん、俺が移動させたんだ。
平岩さんが壁に凭れていたから、風邪ひいたらいけないと思って……」
「あ……うん。
ありがとう。」
動揺を隠しながら礼を言うと、
「まだ5時だし、もう少し寝たら。
平岩さん、ほとんど寝てないでしょ?」
彼が私に掛かっていた布団をギュッと引っ張る。
「でも……それは菅原くんも一緒でしょ。
それに一人の方が寝られるんじゃない?」
「そうかな?
平岩さんも寝不足なんだし、こうなったら 二人で眠ればいいじゃん。」
これって……
菅原くんと同じ布団で横になるってことだよね?
「ね、早く。」
躊躇する私に向かって、笑顔で手招きする。
「ほら……髪、撫でてあげるから。」
「…………うっ……」
菅原くん、ずるい。
私が誘惑に簡単に負けてしまうこと、わかっていて……!
「ち……ちょっとだけ、ですよ?」
「うん、ちょっとだけ!」
付き合ってない男女が一組の布団で寝るなんて……
両親が知ったら確実に激怒するだろうな。
彼に髪を撫でてもらいながら、ぼんやりと考えた。
今夜のような事は、今後 間違っても無いだろう。
穏やかな菅原くんの隣でこうして甘えることも出来ない。
朝になれば、この夢のような時間も終わってしまう……
『チャンスは何度も転がってくる訳じゃないって気付いたのは、それからずっと後になってから……。
後悔はやってから、いくらでもすればいい。』
おばあちゃんの言葉がふと浮かぶ。
このチャンス逃したら、私 一生後悔するかも。
「菅原くん……」
「何?」
「私と付き合ってください。」
「はぁ?!」