all night long
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✭✭✭✭✭✭✭
「はい、いってらっしゃい~」
笑顔の平岩さんに見送られ、脱衣場へ向かう。
頬が茹で上がりそうなくらい熱く感じる。
まるで新婚夫婦みたいなお見送りに照れてしまう。
「夢みたいだ……」
洗面台の鏡に写る自分に呟くと、自信のなさそうな俺が顔を赤らめて、こちらを見つめ返す。
「信じられないの、わかる……
俺も信じられない。」
入学して以来、ずっと片想いしていたあの平岩さんとの距離が一日でこんなに近付くなんて……。
おまけに俺のアパートに泊まることになるとは!
俺の計画では時間をかけて仲良くなる予定だった。
彼女の行き着けのカフェの店員になり、彼女と顔見知りになってから……
偶然装って大学で出くわすつもりでいたのに。
今日一日でトントン拍子に事が運んだ。
マジでツキ過ぎ。
その上、彼女 付き合っていた彼氏と別れたって言ってたし……俺、今 猛烈に恐怖を感じている。
多分、俺……この先 良いことなんて一生起こらないんじゃないか?
そう思わずにはいられなかった。
✭✭✭✭✭✭✭
『ヤベッ……どこだろ……迷った……』
4月……
入学して間もない頃、俺は大学の構内で迷子になっていた。
大学生にもなって、何してんだって思われるかもしれないけど、この大学のキャンパスはだだっ広く、学生の人数も半端無い。
その為、増築を繰り返している内にいろんな棟が入り組む複雑な構造になったらしく、この時期 新入生は必ず迷ってしまうそうだ(サークルの先輩談)。
『……この階だと思ったんだけどな。』
教室のドアをソッと開けば、違う学部の学生がたむろしている。
……どうやら、棟をまた間違えたようだ。
次の講義は遅刻にうるさい若い講師。
前回も迷って遅れてしまった俺は要注意人物としてマークされていて、今後 遅刻は絶対許されない。
俺に残された時間はあと7分。
『もうこんな時間?!
ヤバい……』
入学式の時にもらった構内図 片手に廊下をウロウロしていた俺に、
『あの、どうしました?』
声を掛けてくれたのが、平岩さんだった。
『あ……この棟に行きたいんですけど……』
『あ、ここね。
私達もこの前、迷った~
わかりにくいんだよね……』
そう言って、隣にいた友達と構内図を見て笑う。
『ゆり、先に席取ってて。
私、案内してくる。』
彼女は友達に荷物を預けると、
『じゃ、行きましょうか?』
『あ……はい。』
わざわざ講義を受ける教室まで案内してくれた。
自分も講義に遅刻するかもしれなかったのに。
「はい、いってらっしゃい~」
笑顔の平岩さんに見送られ、脱衣場へ向かう。
頬が茹で上がりそうなくらい熱く感じる。
まるで新婚夫婦みたいなお見送りに照れてしまう。
「夢みたいだ……」
洗面台の鏡に写る自分に呟くと、自信のなさそうな俺が顔を赤らめて、こちらを見つめ返す。
「信じられないの、わかる……
俺も信じられない。」
入学して以来、ずっと片想いしていたあの平岩さんとの距離が一日でこんなに近付くなんて……。
おまけに俺のアパートに泊まることになるとは!
俺の計画では時間をかけて仲良くなる予定だった。
彼女の行き着けのカフェの店員になり、彼女と顔見知りになってから……
偶然装って大学で出くわすつもりでいたのに。
今日一日でトントン拍子に事が運んだ。
マジでツキ過ぎ。
その上、彼女 付き合っていた彼氏と別れたって言ってたし……俺、今 猛烈に恐怖を感じている。
多分、俺……この先 良いことなんて一生起こらないんじゃないか?
そう思わずにはいられなかった。
✭✭✭✭✭✭✭
『ヤベッ……どこだろ……迷った……』
4月……
入学して間もない頃、俺は大学の構内で迷子になっていた。
大学生にもなって、何してんだって思われるかもしれないけど、この大学のキャンパスはだだっ広く、学生の人数も半端無い。
その為、増築を繰り返している内にいろんな棟が入り組む複雑な構造になったらしく、この時期 新入生は必ず迷ってしまうそうだ(サークルの先輩談)。
『……この階だと思ったんだけどな。』
教室のドアをソッと開けば、違う学部の学生がたむろしている。
……どうやら、棟をまた間違えたようだ。
次の講義は遅刻にうるさい若い講師。
前回も迷って遅れてしまった俺は要注意人物としてマークされていて、今後 遅刻は絶対許されない。
俺に残された時間はあと7分。
『もうこんな時間?!
ヤバい……』
入学式の時にもらった構内図 片手に廊下をウロウロしていた俺に、
『あの、どうしました?』
声を掛けてくれたのが、平岩さんだった。
『あ……この棟に行きたいんですけど……』
『あ、ここね。
私達もこの前、迷った~
わかりにくいんだよね……』
そう言って、隣にいた友達と構内図を見て笑う。
『ゆり、先に席取ってて。
私、案内してくる。』
彼女は友達に荷物を預けると、
『じゃ、行きましょうか?』
『あ……はい。』
わざわざ講義を受ける教室まで案内してくれた。
自分も講義に遅刻するかもしれなかったのに。