all night long
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私がここにいたら、話しにくいだろうな……
っていうか、聞き耳立てているみたいで私の方が居づらい。
廊下で待ってようかな……
そう勝手に判断してスニーカーを履き、玄関のドアノブに手を掛けた途端、
「……えっ?!」
強い力で手首を掴まれた。
驚いて振り返ると、ムッとして首を振る菅原くんの口が『ダメ!』と動く。
「え、あ……何でもない。
うん……、うん………はぁ、マジ?!」
私が一人で帰ると思ったのか、電話中 彼の手が離れることはない。
それどころか 掴む力は更に強まり、彼の方へ引き寄せられる。
「そりゃ、災難だったな……
うん……うん……」
彼の話す内容から、ルームシェアしてる友達に何かアクシデントでもあったのだろうか。
緊張で身体を強張らせながら、菅原くんの方を見ると目がばっちり合う。
すると、彼の口が『あと少し、待って』と動いたように見えた。
その瞬間、私の心拍数は跳ね上がり、まとわり付く視線から逃げるように俯く。
たかが、目が合っただけ。
それなのに、こんなにドキドキするのは何故?
「じゃ、気を付けて。
うん、おやすみ。」
話は終わったのか、彼の手にしたスマホから不通音が聞こえてきた。
それと同時に掴まれていた手首がゆっくりと解放され、
「平岩さん……」
すぐ近くで菅原くんが私の名を呼ぶ。
その声は何処と無く震えているように感じた。
何だか、嫌な予感がするのは気のせいか?
「はい?」
ふと顔を上げると、彼の顔が心無しか困惑している。
……明らかに何かあったのだ。
「あのさ、さっきの電話……
ルームシェアしてる友達からだったんだけど、今 電車が止まってるんだって……」
「えっ?」
菅原くんが友達から聞いた話によると、電車の信号機トラブルが発生。
今 現在、運行をストップして点検を行っているらしい。
今の段階で運行再開の目処がたってないようで、彼の友達はバイトが終わってもアパートへ戻るに戻れず……
今夜はバイト先の仲間宅へ転がり込むそうだ。
「あ……そうなんだ……」
それ以上、言葉が続かない。
壁に掛かる時計を見上げると、あと20分もすれば午後11時。
鞄の中のスマホを手に取り、電車の運行情報を確認すると、確かに『信号機トラブルの為、運転休止。』の文字。
どうしよう……
これから駅まで行き、電車が動くのを待ってもいいけど、今夜中に運行再開するのだろうか?
かといって……この辺に住んでる友達 居ないし、こんな事態だから 駅前のマンガ喫茶もカラオケも満室なのは目に見えている。
最終手段として、ここからタクシーで帰宅するっていう手もあるけど、今日に限って乗って帰れる程の持ち合わせも無いし……
残された道は公園で野宿か、ヒッチハイクか……
何時間掛かるか、わからないけど 徒歩帰宅しかない。
「どうしよう……」
途方に暮れていると、
「ねぇ、平岩さん……今 凄いこと考えてない?
野宿しようとか……やめてよっ!」
私の暴走する頭の中を覗いたのか、菅原くんが苦笑いしながら止めに入る。
「でも……」
「『でも』じゃない!
そんなことしなくても、今夜 ここに泊まればいいじゃん。」
「は……?」
突然の彼の申し出に固まった。
っていうか、聞き耳立てているみたいで私の方が居づらい。
廊下で待ってようかな……
そう勝手に判断してスニーカーを履き、玄関のドアノブに手を掛けた途端、
「……えっ?!」
強い力で手首を掴まれた。
驚いて振り返ると、ムッとして首を振る菅原くんの口が『ダメ!』と動く。
「え、あ……何でもない。
うん……、うん………はぁ、マジ?!」
私が一人で帰ると思ったのか、電話中 彼の手が離れることはない。
それどころか 掴む力は更に強まり、彼の方へ引き寄せられる。
「そりゃ、災難だったな……
うん……うん……」
彼の話す内容から、ルームシェアしてる友達に何かアクシデントでもあったのだろうか。
緊張で身体を強張らせながら、菅原くんの方を見ると目がばっちり合う。
すると、彼の口が『あと少し、待って』と動いたように見えた。
その瞬間、私の心拍数は跳ね上がり、まとわり付く視線から逃げるように俯く。
たかが、目が合っただけ。
それなのに、こんなにドキドキするのは何故?
「じゃ、気を付けて。
うん、おやすみ。」
話は終わったのか、彼の手にしたスマホから不通音が聞こえてきた。
それと同時に掴まれていた手首がゆっくりと解放され、
「平岩さん……」
すぐ近くで菅原くんが私の名を呼ぶ。
その声は何処と無く震えているように感じた。
何だか、嫌な予感がするのは気のせいか?
「はい?」
ふと顔を上げると、彼の顔が心無しか困惑している。
……明らかに何かあったのだ。
「あのさ、さっきの電話……
ルームシェアしてる友達からだったんだけど、今 電車が止まってるんだって……」
「えっ?」
菅原くんが友達から聞いた話によると、電車の信号機トラブルが発生。
今 現在、運行をストップして点検を行っているらしい。
今の段階で運行再開の目処がたってないようで、彼の友達はバイトが終わってもアパートへ戻るに戻れず……
今夜はバイト先の仲間宅へ転がり込むそうだ。
「あ……そうなんだ……」
それ以上、言葉が続かない。
壁に掛かる時計を見上げると、あと20分もすれば午後11時。
鞄の中のスマホを手に取り、電車の運行情報を確認すると、確かに『信号機トラブルの為、運転休止。』の文字。
どうしよう……
これから駅まで行き、電車が動くのを待ってもいいけど、今夜中に運行再開するのだろうか?
かといって……この辺に住んでる友達 居ないし、こんな事態だから 駅前のマンガ喫茶もカラオケも満室なのは目に見えている。
最終手段として、ここからタクシーで帰宅するっていう手もあるけど、今日に限って乗って帰れる程の持ち合わせも無いし……
残された道は公園で野宿か、ヒッチハイクか……
何時間掛かるか、わからないけど 徒歩帰宅しかない。
「どうしよう……」
途方に暮れていると、
「ねぇ、平岩さん……今 凄いこと考えてない?
野宿しようとか……やめてよっ!」
私の暴走する頭の中を覗いたのか、菅原くんが苦笑いしながら止めに入る。
「でも……」
「『でも』じゃない!
そんなことしなくても、今夜 ここに泊まればいいじゃん。」
「は……?」
突然の彼の申し出に固まった。