all night long
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「ごめん、女の子をこんな時間まで引き留めて……
電話入れてないなら、今からでも連絡しておかないとお母さんとか……心配するよね?
責任持って家まで送っていくって、俺から話そうか?」
ますます青ざめていく彼の申し出に私は唖然とした。
私……今まで、前の彼氏にそんなことを言われたこともないし、そんな気配りをされたこともなかった。
デートで遅くなったとしても、いつも私が電話で平謝りしている様子を隣で涼しい顔して眺めていたのを思い出す。
同じ男でも、こうも違うものなのだろうか……!
そう思った瞬間、胸の辺りがキュンと締め付けられる。
「あの、それは大丈夫!
昨日から旅行中で、家に誰もいないから。」
とりあえず、彼を安心させてあげよう。
そんなつもりで伝えたが、
「本当?
ねぇ、俺に気を遣ってる?」
私が気を遣ってると思ったらしく、神妙な面持ちで食い下がる。
この人、心配性なのかな……と思いつつ、昼間に母から届いたメールと添付された画像を見せて説明。
「平岩さんって、お母さん似なんだね~」
菅原くんはそこでようやく信用してくれたようで、ホッとした表情を見せて笑った。
「そう?
初めて言われた。」
私もそれにつられるように微笑み、鞄からノートを取り出す。
「じゃ、始めよう。」
とりあえず、これ以上 遅くなると、私の今夜の予定(ソファでダラダラ)は総崩れ。
さっさと済ませて、帰らなくては。
✽✽✽✽✽✽✽
菅原くんの持っていたノートは伊達に古いだけではなかった。
「凄い……これっ……」
講義の板書をただメモった物だろう……と思っていたら、良い意味で裏切られていた。
「でしょ?
うちのサークルが出来て以来、十数年 ずっと受け継いでいるノートだし、いろんな人の叡智を纏めたような物だから。」
菅原くんの言う通り、書き込まれている筆跡は様々で、沢山の人の手で書かれているのは一目瞭然。
余白部分には分かりにくい専門用語の意味を書き加えていたり、講義の要点を簡単にわかりやすくまとめていたり……
最後の方はおじいちゃんが好むレポートの内容(傾向と対策)まで書いてある。
「おじいちゃんもさ、教授なら 毎年 講義内容ぐらい、少しは変えればいいのに……
ズボラにも程があるね。」
「ははっ……
でも、毎年同じだから、このノートが存在するんだけどね。」
「そうか。
じゃ、ズボラでラッキーだって喜ばないといけなかったね~」
それにしても、これが大学生のノートなのだろうか。
自分のノートが板書を書き写しただけの内容だったことに軽くショックを受けつつ、必死で書き込みをしていると……
右側から視線を感じる。
「………?」
ふと顔を上げると、隣でノートを広げていた菅原くんと目が合う。
途端、頬を赤らめた彼は私から視線を外し、慌ててノートを覗き込んだ。
もしかして ノートが見えにくくて、私に抗議しようとしてたのか?
私……借りてきた張本人の邪魔して、どうすんのっ!!
「菅原くん……見えなかったね?
もう少し、そっちに寄せようか?」
今更だよな……
愛想笑いを浮かべつつ、机の中央に置いていたノートを彼の方へ寄せようとすると、
「あ……だ、大丈夫。
俺のことは気にせずに続けて。」
彼ははにかみながら、それを元の位置へと押し返してきた。
「でも……」
「いいから!
俺は後でも大丈夫だから!!」
私に遠慮しているせいでノートは全く書き込みしてないのに、菅原くんは嫌な顔一つせずに微笑む。
何、この人っ。
超~良い人じゃん!
「ありがとう。
すぐに終わらせるから!!」
「そんな、急がなくてもいいって!
ゆっくり時間をかけて大丈夫だから。」
おまけに謙虚……
前の彼氏がこんな気配りが出来ない残念な人だったから、菅原くんの人柄の良さが余計に目映い。
さぁ、菅原くんの為にもさっさと済ますぞっ!!
電話入れてないなら、今からでも連絡しておかないとお母さんとか……心配するよね?
責任持って家まで送っていくって、俺から話そうか?」
ますます青ざめていく彼の申し出に私は唖然とした。
私……今まで、前の彼氏にそんなことを言われたこともないし、そんな気配りをされたこともなかった。
デートで遅くなったとしても、いつも私が電話で平謝りしている様子を隣で涼しい顔して眺めていたのを思い出す。
同じ男でも、こうも違うものなのだろうか……!
そう思った瞬間、胸の辺りがキュンと締め付けられる。
「あの、それは大丈夫!
昨日から旅行中で、家に誰もいないから。」
とりあえず、彼を安心させてあげよう。
そんなつもりで伝えたが、
「本当?
ねぇ、俺に気を遣ってる?」
私が気を遣ってると思ったらしく、神妙な面持ちで食い下がる。
この人、心配性なのかな……と思いつつ、昼間に母から届いたメールと添付された画像を見せて説明。
「平岩さんって、お母さん似なんだね~」
菅原くんはそこでようやく信用してくれたようで、ホッとした表情を見せて笑った。
「そう?
初めて言われた。」
私もそれにつられるように微笑み、鞄からノートを取り出す。
「じゃ、始めよう。」
とりあえず、これ以上 遅くなると、私の今夜の予定(ソファでダラダラ)は総崩れ。
さっさと済ませて、帰らなくては。
✽✽✽✽✽✽✽
菅原くんの持っていたノートは伊達に古いだけではなかった。
「凄い……これっ……」
講義の板書をただメモった物だろう……と思っていたら、良い意味で裏切られていた。
「でしょ?
うちのサークルが出来て以来、十数年 ずっと受け継いでいるノートだし、いろんな人の叡智を纏めたような物だから。」
菅原くんの言う通り、書き込まれている筆跡は様々で、沢山の人の手で書かれているのは一目瞭然。
余白部分には分かりにくい専門用語の意味を書き加えていたり、講義の要点を簡単にわかりやすくまとめていたり……
最後の方はおじいちゃんが好むレポートの内容(傾向と対策)まで書いてある。
「おじいちゃんもさ、教授なら 毎年 講義内容ぐらい、少しは変えればいいのに……
ズボラにも程があるね。」
「ははっ……
でも、毎年同じだから、このノートが存在するんだけどね。」
「そうか。
じゃ、ズボラでラッキーだって喜ばないといけなかったね~」
それにしても、これが大学生のノートなのだろうか。
自分のノートが板書を書き写しただけの内容だったことに軽くショックを受けつつ、必死で書き込みをしていると……
右側から視線を感じる。
「………?」
ふと顔を上げると、隣でノートを広げていた菅原くんと目が合う。
途端、頬を赤らめた彼は私から視線を外し、慌ててノートを覗き込んだ。
もしかして ノートが見えにくくて、私に抗議しようとしてたのか?
私……借りてきた張本人の邪魔して、どうすんのっ!!
「菅原くん……見えなかったね?
もう少し、そっちに寄せようか?」
今更だよな……
愛想笑いを浮かべつつ、机の中央に置いていたノートを彼の方へ寄せようとすると、
「あ……だ、大丈夫。
俺のことは気にせずに続けて。」
彼ははにかみながら、それを元の位置へと押し返してきた。
「でも……」
「いいから!
俺は後でも大丈夫だから!!」
私に遠慮しているせいでノートは全く書き込みしてないのに、菅原くんは嫌な顔一つせずに微笑む。
何、この人っ。
超~良い人じゃん!
「ありがとう。
すぐに終わらせるから!!」
「そんな、急がなくてもいいって!
ゆっくり時間をかけて大丈夫だから。」
おまけに謙虚……
前の彼氏がこんな気配りが出来ない残念な人だったから、菅原くんの人柄の良さが余計に目映い。
さぁ、菅原くんの為にもさっさと済ますぞっ!!