紅をさす
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「ははっ……」
我慢しても笑いが止まらない。
その度に、
「本当にすみません。」
巫女姿のアカアシくんが申し訳なさそうに謝る。
「いいよ。
木兎と付き合ってるって勘違いされるの、今日が初めてじゃないし。」
小、中、高校とずっと同じ学校でご近所さんで、仲が良いだけの私と木兎。
今までもこんな勘違いは随分とされてきた。
お陰で言い寄ってくる輩は皆無(良いんだか、悪いんだか……)。
只の幼馴染なんだけど、端から見れば恋人に見えるのだろうか……
「でも、そんな風に見えてたなんて、意外。」
赤いアイシャドウを彼の目尻に着け、指の腹で軽く擦り 薄くぼかす。
すると、彼の眉間が微かに動く。
「そう……ですか?
木兎さんって、俺達の前でも 平岩先輩の話ばかりしてたんで、てっきりノロけてるのかと……
多分 勘違いしてるの、俺だけじゃないと思います。」
うわっ、マジか!
「そうなの?
彼氏いないのに、いるって思われるのも複雑だわ……」
おどけるような口調で一人笑ってみる。
仕方ないか……
小、中学生くらいまでは否定して歩いたけど、高校三年になった今……否定するのも面倒臭い。
木兎とこの学校に通うのも、あと少し。
もうこの際、放置してしまえ。
そんな諦めの気持ちをしまい込み、アイライナーで彼の目の際に沿うようにラインを描く。
切れ長の目が更に強調され、涼しげな印象になる。
この後、マスカラで睫毛にアクセントを加えて、口紅を塗ったら完成。
アカアシくんがどんどん綺麗になっていくのを見てると本当に遣り甲斐がある。
残りの瞼も同様に描こうとした瞬間、
「俺が……代わりに否定しときましょうか?」
私に同情したのか、アカアシくんが淡々とした様子で呟く。
「えっ……」
「平岩先輩が迷惑に思ってるなら……」
「あ、いや 迷惑って程じゃ……
昔からそうだったから、またか~って感じだし……」
気にしないでと続けようとしたが、
「それでいいんですか?」
彼はまだ納得していない。
「彼氏のいない平岩先輩が木兎さんと付き合ってもないのに、それでいいんですか?
失礼ですが、そんなこと言ってるとずっーと彼氏無しでダラダラいい年までいきそうですけど。」
アカアシくんの発言に凍りつく。
今日初めて話す彼から、こんなこと言われるなんて……
放課後、木兎と一緒にいるのを見掛けて綺麗な子だな……って思っていたイメージは跡形もなく崩壊していく。
私のこと知りもしないのに、思ったことズバズバ言うなんて……本当に失礼!
そんなこと、木兎でも言わないわ。
「そう?」
でも、私 彼より一年先輩ですから、そんな売り言葉 簡単に買いませーん。
我慢しても笑いが止まらない。
その度に、
「本当にすみません。」
巫女姿のアカアシくんが申し訳なさそうに謝る。
「いいよ。
木兎と付き合ってるって勘違いされるの、今日が初めてじゃないし。」
小、中、高校とずっと同じ学校でご近所さんで、仲が良いだけの私と木兎。
今までもこんな勘違いは随分とされてきた。
お陰で言い寄ってくる輩は皆無(良いんだか、悪いんだか……)。
只の幼馴染なんだけど、端から見れば恋人に見えるのだろうか……
「でも、そんな風に見えてたなんて、意外。」
赤いアイシャドウを彼の目尻に着け、指の腹で軽く擦り 薄くぼかす。
すると、彼の眉間が微かに動く。
「そう……ですか?
木兎さんって、俺達の前でも 平岩先輩の話ばかりしてたんで、てっきりノロけてるのかと……
多分 勘違いしてるの、俺だけじゃないと思います。」
うわっ、マジか!
「そうなの?
彼氏いないのに、いるって思われるのも複雑だわ……」
おどけるような口調で一人笑ってみる。
仕方ないか……
小、中学生くらいまでは否定して歩いたけど、高校三年になった今……否定するのも面倒臭い。
木兎とこの学校に通うのも、あと少し。
もうこの際、放置してしまえ。
そんな諦めの気持ちをしまい込み、アイライナーで彼の目の際に沿うようにラインを描く。
切れ長の目が更に強調され、涼しげな印象になる。
この後、マスカラで睫毛にアクセントを加えて、口紅を塗ったら完成。
アカアシくんがどんどん綺麗になっていくのを見てると本当に遣り甲斐がある。
残りの瞼も同様に描こうとした瞬間、
「俺が……代わりに否定しときましょうか?」
私に同情したのか、アカアシくんが淡々とした様子で呟く。
「えっ……」
「平岩先輩が迷惑に思ってるなら……」
「あ、いや 迷惑って程じゃ……
昔からそうだったから、またか~って感じだし……」
気にしないでと続けようとしたが、
「それでいいんですか?」
彼はまだ納得していない。
「彼氏のいない平岩先輩が木兎さんと付き合ってもないのに、それでいいんですか?
失礼ですが、そんなこと言ってるとずっーと彼氏無しでダラダラいい年までいきそうですけど。」
アカアシくんの発言に凍りつく。
今日初めて話す彼から、こんなこと言われるなんて……
放課後、木兎と一緒にいるのを見掛けて綺麗な子だな……って思っていたイメージは跡形もなく崩壊していく。
私のこと知りもしないのに、思ったことズバズバ言うなんて……本当に失礼!
そんなこと、木兎でも言わないわ。
「そう?」
でも、私 彼より一年先輩ですから、そんな売り言葉 簡単に買いませーん。