これは恋ではない
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◇◇◇◇◇◇◇
「今日の授業はこの前 話した通り、走り高跳びの記録を録っていくから。
しばらくの間、各自 アップしておくこと。」
体育教師がそう言い終えると、整列していた群れが走り高跳びのバーの前に集まり始め、ウォーミングアップがてらに一番低い高さのバーを軽々と越えていく。
ついにこの日が来てしまった。
柔軟を終えた私はゆっくりと立ち上がり、その列の後方へ並ぶ。
いくらあれだけ練習したからと言っても、やはり失敗は怖い。
両目を瞑り、呼吸を整える。
すると、脳裏に高いブロックを打ち破る岩泉くんの姿が浮かんだ。
何にも恐れずに向かっていく、あの強い眼差しが忘れられない。
あんなカッコ良くは出来ないけど……
何故か、跳べそうな気がする。
「……よし。」
私……
やっぱり岩泉くんのこと、好きだな。
嫌われているけど……こうやって想うくらい、いいよね?
迷惑、掛けないから。
◆◆◆◆◆◆◆
「お、やってるやってる。」
独り言にしてはデカい声。
教室の窓辺からグラウンドを眺める及川が俺の気を引こうとしてるのだろうか?
わざとはしゃいでいるように思える。
今日は体育教師が出張とかで、俺達男子は教室で自習になった。
及川は出された課題プリントには目もくれず、さっきから窓の外ばかり見ている。
「そう言えば、今日がテストだったっけ?
ま、どうせ跳べないだろうけど……」
鼻で笑いながら、窓を開け放つ。
平岩のこと、貶しながらも気にしてる様子……
もしかして彼女を好きなんじゃないか? と疑いたくなるレベルだ。
可愛い子ほどいじめたくなるっていうドS体質だとか。
……この悪趣味野郎が。
「ねぇ、岩ちゃんは見ないの?」
及川は授業中(自習)ということを忘れて観戦する気満々、隣に座る俺に話し掛けてくる。
そんなに俺をイラつかせ、からかいたいのか?
全く、懲りないヤツ。
一瞬、シカトしてやろうと思ったが、
「やること、やってからにしろ。
後で丸写しさせろっていうの、無しな。
てか、ぜってー見せねぇ。」
とりあえず、コイツの減らず口を黙らせようとしたが、
「えぇーーっ、ちょっとぐらいいいじゃん。
俺と岩ちゃんの仲じゃん。」
無理な話だった。
目線はグラウンドから離れることはない。
ダメだ。
コイツ……課題やる気無し男だ。
「あっ、岩ちゃん!
次だよっ、見ないの?!」
そうこうしてる間にどうやら平岩の順番になったようだ。
「……見ない。」
「えーーー!
見てあげなよ。
跳べない子が健気に足掻いてるっていうのに……」
さらりと酷いことを言う及川の言葉に反応せず、課題のプリントに視線を落としたまま答える。
「ふーん。
岩ちゃんって、意外に冷たいんだね……
あの子と仲が良いと思っていたのに。」
俺の反応が解せないのか、そんな捨て台詞を吐くと窓の外を食い入るように見つめる。
コイツ、自分の方が残酷なこと言っときながら、他人に対して厳しい。
「今日の授業はこの前 話した通り、走り高跳びの記録を録っていくから。
しばらくの間、各自 アップしておくこと。」
体育教師がそう言い終えると、整列していた群れが走り高跳びのバーの前に集まり始め、ウォーミングアップがてらに一番低い高さのバーを軽々と越えていく。
ついにこの日が来てしまった。
柔軟を終えた私はゆっくりと立ち上がり、その列の後方へ並ぶ。
いくらあれだけ練習したからと言っても、やはり失敗は怖い。
両目を瞑り、呼吸を整える。
すると、脳裏に高いブロックを打ち破る岩泉くんの姿が浮かんだ。
何にも恐れずに向かっていく、あの強い眼差しが忘れられない。
あんなカッコ良くは出来ないけど……
何故か、跳べそうな気がする。
「……よし。」
私……
やっぱり岩泉くんのこと、好きだな。
嫌われているけど……こうやって想うくらい、いいよね?
迷惑、掛けないから。
◆◆◆◆◆◆◆
「お、やってるやってる。」
独り言にしてはデカい声。
教室の窓辺からグラウンドを眺める及川が俺の気を引こうとしてるのだろうか?
わざとはしゃいでいるように思える。
今日は体育教師が出張とかで、俺達男子は教室で自習になった。
及川は出された課題プリントには目もくれず、さっきから窓の外ばかり見ている。
「そう言えば、今日がテストだったっけ?
ま、どうせ跳べないだろうけど……」
鼻で笑いながら、窓を開け放つ。
平岩のこと、貶しながらも気にしてる様子……
もしかして彼女を好きなんじゃないか? と疑いたくなるレベルだ。
可愛い子ほどいじめたくなるっていうドS体質だとか。
……この悪趣味野郎が。
「ねぇ、岩ちゃんは見ないの?」
及川は授業中(自習)ということを忘れて観戦する気満々、隣に座る俺に話し掛けてくる。
そんなに俺をイラつかせ、からかいたいのか?
全く、懲りないヤツ。
一瞬、シカトしてやろうと思ったが、
「やること、やってからにしろ。
後で丸写しさせろっていうの、無しな。
てか、ぜってー見せねぇ。」
とりあえず、コイツの減らず口を黙らせようとしたが、
「えぇーーっ、ちょっとぐらいいいじゃん。
俺と岩ちゃんの仲じゃん。」
無理な話だった。
目線はグラウンドから離れることはない。
ダメだ。
コイツ……課題やる気無し男だ。
「あっ、岩ちゃん!
次だよっ、見ないの?!」
そうこうしてる間にどうやら平岩の順番になったようだ。
「……見ない。」
「えーーー!
見てあげなよ。
跳べない子が健気に足掻いてるっていうのに……」
さらりと酷いことを言う及川の言葉に反応せず、課題のプリントに視線を落としたまま答える。
「ふーん。
岩ちゃんって、意外に冷たいんだね……
あの子と仲が良いと思っていたのに。」
俺の反応が解せないのか、そんな捨て台詞を吐くと窓の外を食い入るように見つめる。
コイツ、自分の方が残酷なこと言っときながら、他人に対して厳しい。