これは恋ではない
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◆◆◆◆◆◆◆
昼休みの終わりを報せるチャイムが鳴り、
「じゃ、放課後な。」
俺は皆と別れて自分の教室に戻る。
すると、さっきまでグラウンドで高跳びの練習をしていた平岩の姿が飛び込んできた。
制服を着た生徒の中に一人 ジャージのままだから、ひどく目立つ。
制服に着替えていないところを見ると、放課後も練習するつもりなのだろう。
机に突っ伏し、小さく丸まった背中は呼吸する度に規則正しく上下に動く。
寝てるのか?
まるで子供だな……
そう思った途端、一人笑ってしまいそうになった。
彼女と同じクラスになり、身近で見て気付いたことがある。
彼女を知った当初の大人しい女子ってイメージが少しずつ崩壊していった(良い意味で)。
穏やかそうに見えて意外に負けず嫌い……
あと、実は完璧主義のようだ。
平均的に満遍なく出来る事、そうでない事との差が激しく、出来ない事がひどく悔しいのだろう。
今回のように課題をクリアする為に努力する姿を見るのは、初めてではない。
及川達がバカにするように、跳べない平岩は確かに鈍臭い。
懸命に足掻く姿は、御世辞にもカッコいいもんじゃねぇ。
だが、そんな彼女から目が離せなくて……
惹き付けられる。
……何でだろうな。
◇◇◇◇◇◇◇
「ちょっと……こんなとこで何してんのよ。」
放課後、グラウンドの隅……
クラブ活動してる人達の邪魔にならないようにしていたはずなのに?
ふと顔を上げると、亜沙美が立っていた。
「捜したよ。
教室に行ったら、居なかったから……」
「あ……ごめん。」
最後の授業が終わって、すぐに教室から出たから、『先に帰って』メール 送信するのを忘れてた……
怒っているんだろうなと思っていたが、亜沙美の表情は少しニヤけている。
何か良いことでもあったのだろうか?
「いいよ。
『ここか、更衣室にいるだろう』って教えてもらったから。」
「そう……」
クラスの子かな?
まぁ、ジャージ着てるの見てたから、どこに行ったかなんてすぐにわかるか……
「ところで、何見てるの?
『走り高跳びのコツ』……?」
亜沙美は私が手にしていたスマホを覗き込み、画面に映っていた動画のタイトルを口にする。
「走り高跳び、課題の高さがクリア出来てなくて……参考にしようかと。」
「ふーん。
じゃ、ちょっと跳んでみなよ。」
「え?」
彼女は私のスマホをカメラモードに切り替える。
「夏乃のことだから、理論は頭ん中に入ってんでしょ?
実際にやってみなよ。
これで撮ってあげるからさ。」
「えっ、でも……」
練習に付き合わせるのは悪い気がして断ろうと思ったが、亜沙美はやる気満々のようで……
「ほら、早く!」
スマホを構えるものだから、その好意に甘えることにした。
昼休みの終わりを報せるチャイムが鳴り、
「じゃ、放課後な。」
俺は皆と別れて自分の教室に戻る。
すると、さっきまでグラウンドで高跳びの練習をしていた平岩の姿が飛び込んできた。
制服を着た生徒の中に一人 ジャージのままだから、ひどく目立つ。
制服に着替えていないところを見ると、放課後も練習するつもりなのだろう。
机に突っ伏し、小さく丸まった背中は呼吸する度に規則正しく上下に動く。
寝てるのか?
まるで子供だな……
そう思った途端、一人笑ってしまいそうになった。
彼女と同じクラスになり、身近で見て気付いたことがある。
彼女を知った当初の大人しい女子ってイメージが少しずつ崩壊していった(良い意味で)。
穏やかそうに見えて意外に負けず嫌い……
あと、実は完璧主義のようだ。
平均的に満遍なく出来る事、そうでない事との差が激しく、出来ない事がひどく悔しいのだろう。
今回のように課題をクリアする為に努力する姿を見るのは、初めてではない。
及川達がバカにするように、跳べない平岩は確かに鈍臭い。
懸命に足掻く姿は、御世辞にもカッコいいもんじゃねぇ。
だが、そんな彼女から目が離せなくて……
惹き付けられる。
……何でだろうな。
◇◇◇◇◇◇◇
「ちょっと……こんなとこで何してんのよ。」
放課後、グラウンドの隅……
クラブ活動してる人達の邪魔にならないようにしていたはずなのに?
ふと顔を上げると、亜沙美が立っていた。
「捜したよ。
教室に行ったら、居なかったから……」
「あ……ごめん。」
最後の授業が終わって、すぐに教室から出たから、『先に帰って』メール 送信するのを忘れてた……
怒っているんだろうなと思っていたが、亜沙美の表情は少しニヤけている。
何か良いことでもあったのだろうか?
「いいよ。
『ここか、更衣室にいるだろう』って教えてもらったから。」
「そう……」
クラスの子かな?
まぁ、ジャージ着てるの見てたから、どこに行ったかなんてすぐにわかるか……
「ところで、何見てるの?
『走り高跳びのコツ』……?」
亜沙美は私が手にしていたスマホを覗き込み、画面に映っていた動画のタイトルを口にする。
「走り高跳び、課題の高さがクリア出来てなくて……参考にしようかと。」
「ふーん。
じゃ、ちょっと跳んでみなよ。」
「え?」
彼女は私のスマホをカメラモードに切り替える。
「夏乃のことだから、理論は頭ん中に入ってんでしょ?
実際にやってみなよ。
これで撮ってあげるからさ。」
「えっ、でも……」
練習に付き合わせるのは悪い気がして断ろうと思ったが、亜沙美はやる気満々のようで……
「ほら、早く!」
スマホを構えるものだから、その好意に甘えることにした。