これは恋ではない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◆◆◆◆◆◆◆
「いーわーちゃん!」
四時間目、体育。
隣のクラスと合同授業、ウザい及川も一緒だ。
「うるさい、ちょっと離れろ。」
シューズの紐を直している俺の背にのしかかる及川を一喝するものの、
「えー、邪険に扱うのやめてよ~」
全く聞く耳持たない。
そう言いながら、甘えるように俺の身体に全体重計をかける。
「重っ、降りろっ!」
「いーじゃーん。
ちょっとした柔軟だと思えば。」
「重過ぎて思えるかっ!」
コイツ、昨日から調子に乗りやがって。
放課後、練習のときにキッチリ絞めてやる!
「集合。
各自、入念にアップしろ。
今日は記録 録っていくから、そのつもりで。」
先週からグラウンドで持久走。
部活のロードワークより距離も短いし、大したことない。
足の筋をゆっくり伸ばしながら、グラウンドの隅に集まる集団に目が行く。
女子は走り高跳びをするようだ。
「あれ~、女子は高跳びなんだね。」
どこからともなく、再び 及川の声。
振り返ると真後ろに陣取り、ニヤニヤしながら近付いてくる。
どうやら、俺の視線の先に何があったのか、理解したのだろう。
「岩ちゃんのお気にの子、鈍いから大丈夫かな?」
恐らく、平岩のことを言っているのだろう。
「あの子さ……バー、引っ掛けて倒しそうだよね~」
俺が無反応なのが気に入らないのか、しつこく話し掛けてくる。
思い返せば、平岩の話をした頃からだったか……
及川は俺が彼女のことを好きだと思い込んでいるようで、何かあれば すぐ話題に出てくるようになった。
自分の第六感を信じているのか、俺の抗議に取り合う気もないらしい。
「また、シカト?
いーよ、全然気にしてないから。」
今まで話題にする程度だった彼女に、昨日は突然 直接話し掛けるという強硬手段に出た。
俺に対する嫌がらせか。
及川と接点のない平岩は驚きを隠せず、完全に固まったまま……
切り返すことも出来ずにいた。
その姿を見た瞬間、何故か……
気付けば教室から飛び出していた。
家路に向かう道すがら、
『何……岩ちゃん、嫉妬?
あの子の彼氏でも無いくせに。』
後を追ってきた及川は面白そうに笑いながら、そう言った。
……これは『嫉妬』なのか?
家に辿り着き、及川の言葉が何度も脳裏を駆け巡る。
昨夜一晩、自問自答したところで全く答えは出なかった。
及川とは昔からの腐れ縁……
アイツの言動はわかっていたつもりだった。
自分の事を構ってほしい、
気にしてほしい。
アイツがちょっかいを出すときはそんなサインの表れ。
大概のことは容易に察することが出来た。
だが、今の及川が何 考えているか……全くわかんねぇ。
「あ……やっぱ、バー 倒しちゃった。
本当に鈍臭い子だね~」
及川はマットの上に座り込んでいる平岩の姿を捉え、フンと鼻で笑うとこっちを振り返る。
「わかってると思うけど……あの子、岩ちゃんには相応しくないよ。」
「いーわーちゃん!」
四時間目、体育。
隣のクラスと合同授業、ウザい及川も一緒だ。
「うるさい、ちょっと離れろ。」
シューズの紐を直している俺の背にのしかかる及川を一喝するものの、
「えー、邪険に扱うのやめてよ~」
全く聞く耳持たない。
そう言いながら、甘えるように俺の身体に全体重計をかける。
「重っ、降りろっ!」
「いーじゃーん。
ちょっとした柔軟だと思えば。」
「重過ぎて思えるかっ!」
コイツ、昨日から調子に乗りやがって。
放課後、練習のときにキッチリ絞めてやる!
「集合。
各自、入念にアップしろ。
今日は記録 録っていくから、そのつもりで。」
先週からグラウンドで持久走。
部活のロードワークより距離も短いし、大したことない。
足の筋をゆっくり伸ばしながら、グラウンドの隅に集まる集団に目が行く。
女子は走り高跳びをするようだ。
「あれ~、女子は高跳びなんだね。」
どこからともなく、再び 及川の声。
振り返ると真後ろに陣取り、ニヤニヤしながら近付いてくる。
どうやら、俺の視線の先に何があったのか、理解したのだろう。
「岩ちゃんのお気にの子、鈍いから大丈夫かな?」
恐らく、平岩のことを言っているのだろう。
「あの子さ……バー、引っ掛けて倒しそうだよね~」
俺が無反応なのが気に入らないのか、しつこく話し掛けてくる。
思い返せば、平岩の話をした頃からだったか……
及川は俺が彼女のことを好きだと思い込んでいるようで、何かあれば すぐ話題に出てくるようになった。
自分の第六感を信じているのか、俺の抗議に取り合う気もないらしい。
「また、シカト?
いーよ、全然気にしてないから。」
今まで話題にする程度だった彼女に、昨日は突然 直接話し掛けるという強硬手段に出た。
俺に対する嫌がらせか。
及川と接点のない平岩は驚きを隠せず、完全に固まったまま……
切り返すことも出来ずにいた。
その姿を見た瞬間、何故か……
気付けば教室から飛び出していた。
家路に向かう道すがら、
『何……岩ちゃん、嫉妬?
あの子の彼氏でも無いくせに。』
後を追ってきた及川は面白そうに笑いながら、そう言った。
……これは『嫉妬』なのか?
家に辿り着き、及川の言葉が何度も脳裏を駆け巡る。
昨夜一晩、自問自答したところで全く答えは出なかった。
及川とは昔からの腐れ縁……
アイツの言動はわかっていたつもりだった。
自分の事を構ってほしい、
気にしてほしい。
アイツがちょっかいを出すときはそんなサインの表れ。
大概のことは容易に察することが出来た。
だが、今の及川が何 考えているか……全くわかんねぇ。
「あ……やっぱ、バー 倒しちゃった。
本当に鈍臭い子だね~」
及川はマットの上に座り込んでいる平岩の姿を捉え、フンと鼻で笑うとこっちを振り返る。
「わかってると思うけど……あの子、岩ちゃんには相応しくないよ。」