これは恋ではない
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「岩ちゃん、帰ろー!」
互いの連絡先を交換してから何日か経ったある日の放課後……
授業が終わると、いつものように及川くんが岩泉くんを迎えにやって来た。
「るっせーな。
もうちょい、ボリューム落とせよ。」
「えーっ、そんなにうるさかった?」
「ああ、騒音公害レベルだ。
そこで大人しくして待ってろ。」
「はーい。」
今日は月曜日ということもあり、バレー部は部活が休み。
ご近所さんだという二人は一緒に仲良く帰るようだ。
何とも微笑ましい。
後ろの二人のやり取りに耳を傾けつつ、私も帰り支度をしていると周囲が少しざわつくのを感じた。
ふと周りを見渡すと、クラスメイト達は驚いた表情でこちらを見ている。
彼らの視線を辿ると、私の後方へと向かっているようだ。
何だろう?
ゆっくりと振り返ると、目の前に及川くんの顔。
「……ひっ!」
驚きの余り、変な声が出た瞬間、周りはどっと笑い出す。
何が起こっているか、わからない私は驚きの余り声も出せずに彼の顔を見つめた。
「あはっ、やっと気付いた~」
どうやら、彼は私の事を後方から眺めていたらしい。
突然の事に唖然としたままでいると、
「すぐに気付くと思ったんだけど、結構鈍いんだね~
だから、ボール避けれなかったんだ~」
笑顔でさらりと酷い事を言う彼に反応出来ずにいると、
「おい、ちょっかい出すんじゃねぇよ。
帰るぞ、クソ及川。」
帰り支度が済んだ岩泉くんが席を立ち、廊下へと向かう。
ふと、彼に視線をやると耳が真っ赤になっていることに気付く。
その雰囲気は刺々しく、明らかに怒っているように見えた。
「あ、はーい。
ちょっと、岩ちゃん……俺 待ってたのに!
置いていかないでよ~」
「……るさい!」
足早に去る岩泉くん、その後を慌てて着いていく及川くんの姿はあっという間に消えてしまった。
そして、教室内は何もなかったように皆 帰宅していく。
「………………」
私はただ一人立ち尽くし、岩泉くんの表情を思い返していた。
あの短時間の間に彼を激怒させる事があっただろうか?
…………もしかして、私が及川くんと話していたのが、気に入らなかった?
◇◇◇◇◇◇◇
「どうした?
さっきから顔色悪いけど。」
「大丈夫。
ちょっと、疲れただけ……」
さっきの事を思い返しながら、亜沙美と下校する。
今まで岩泉くんと話していて、及川くんのご機嫌が悪くなる事は多々あったけど……
今回はその逆。
及川くんと話していたから、岩泉くんが嫉妬して怒ったのだろうか。
及川くんが岩泉くんの事、好きなのは頭ではわかってるつもりだったけど……
「……はぁ。」
岩泉くんもだったなんて。
「大きな溜息。」
「……えっ?」
無意識の内に溜息なんてついていたのか。
亜沙美からの指摘を受け、緩んだ気持ちを慌てて引き締める。
「何があった?」
いつもなら、この胸に広がったモヤモヤをぶちまけるところだけど、
「何もないよ。」
今はそんな気分じゃなかった。
互いの連絡先を交換してから何日か経ったある日の放課後……
授業が終わると、いつものように及川くんが岩泉くんを迎えにやって来た。
「るっせーな。
もうちょい、ボリューム落とせよ。」
「えーっ、そんなにうるさかった?」
「ああ、騒音公害レベルだ。
そこで大人しくして待ってろ。」
「はーい。」
今日は月曜日ということもあり、バレー部は部活が休み。
ご近所さんだという二人は一緒に仲良く帰るようだ。
何とも微笑ましい。
後ろの二人のやり取りに耳を傾けつつ、私も帰り支度をしていると周囲が少しざわつくのを感じた。
ふと周りを見渡すと、クラスメイト達は驚いた表情でこちらを見ている。
彼らの視線を辿ると、私の後方へと向かっているようだ。
何だろう?
ゆっくりと振り返ると、目の前に及川くんの顔。
「……ひっ!」
驚きの余り、変な声が出た瞬間、周りはどっと笑い出す。
何が起こっているか、わからない私は驚きの余り声も出せずに彼の顔を見つめた。
「あはっ、やっと気付いた~」
どうやら、彼は私の事を後方から眺めていたらしい。
突然の事に唖然としたままでいると、
「すぐに気付くと思ったんだけど、結構鈍いんだね~
だから、ボール避けれなかったんだ~」
笑顔でさらりと酷い事を言う彼に反応出来ずにいると、
「おい、ちょっかい出すんじゃねぇよ。
帰るぞ、クソ及川。」
帰り支度が済んだ岩泉くんが席を立ち、廊下へと向かう。
ふと、彼に視線をやると耳が真っ赤になっていることに気付く。
その雰囲気は刺々しく、明らかに怒っているように見えた。
「あ、はーい。
ちょっと、岩ちゃん……俺 待ってたのに!
置いていかないでよ~」
「……るさい!」
足早に去る岩泉くん、その後を慌てて着いていく及川くんの姿はあっという間に消えてしまった。
そして、教室内は何もなかったように皆 帰宅していく。
「………………」
私はただ一人立ち尽くし、岩泉くんの表情を思い返していた。
あの短時間の間に彼を激怒させる事があっただろうか?
…………もしかして、私が及川くんと話していたのが、気に入らなかった?
◇◇◇◇◇◇◇
「どうした?
さっきから顔色悪いけど。」
「大丈夫。
ちょっと、疲れただけ……」
さっきの事を思い返しながら、亜沙美と下校する。
今まで岩泉くんと話していて、及川くんのご機嫌が悪くなる事は多々あったけど……
今回はその逆。
及川くんと話していたから、岩泉くんが嫉妬して怒ったのだろうか。
及川くんが岩泉くんの事、好きなのは頭ではわかってるつもりだったけど……
「……はぁ。」
岩泉くんもだったなんて。
「大きな溜息。」
「……えっ?」
無意識の内に溜息なんてついていたのか。
亜沙美からの指摘を受け、緩んだ気持ちを慌てて引き締める。
「何があった?」
いつもなら、この胸に広がったモヤモヤをぶちまけるところだけど、
「何もないよ。」
今はそんな気分じゃなかった。