これは恋ではない
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◇◇◇◇◇◇◇
「……夏乃、夏乃?」
声を掛けられた。
気が付けば、視界にヌッと亜沙美の顔が入り込む。
「あ……」
びっくりした。
そう言い掛けようとしたが、言葉が続かない。
……というより、身体が動かなかった。
「どうしたの?
昼、一緒に食べようって約束してたのになかなか来ないから、迎えにきたわよ。」
ふと周りを見渡せば、いつの間にか昼休憩に入っている。
私……授業が終わったことにも気付かなかった。
「あ、うん。」
今朝のメモのことが頭から離れなくて、授業の記憶すらない。
あれは、一体 誰に渡す為の物だったのだろう?
その疑問が頭の中をぐるぐると駆け巡り、真後ろにいる岩泉くんに聞けずに悶々としていた。
「今日は何?
パンなら、売店行く?」
「お弁当あるから、大丈夫。」
机の上の教科書やノートをしまい、鞄の中から弁当箱を取り出して椅子から立ち上がる。
それにしても、彼が私なんかに連絡先を教えるなんてあり得ない……
私達、雑談するほど親しくもないし。
もしかしたら、岩泉くんのファンの携帯番号とメールアドレスを書いたメモとか?
それが何かの間違えで私のノートに入り込んでしまったのかも。
あ……
きっとそうだ!
「……夏乃?
屋上、行くよ。」
「うん。」
伏し目がちに後ろの席に視線をやると、そこには岩泉くんの姿はなかった。
恐らく、及川くんのクラスにでも行ったのだろうか?
そうとわかれば、あのメモ……
個人情報だし、放課後になる前に返さなくちゃ。
今頃 探してて、岩泉くんはきっと困ってるはず……
「はぁ?
俺のファンの連絡先?!」
「ち、違うんですか?
これ、ノートに入っていたんですけど……」
午後イチの授業も終わり、化学室から教室へ戻る前……
席を立とうとした彼に意を決してメモを差し出すと、憮然とした表情で睨まれた。
「違げーよ。
それ、俺の番号とメールアドレス。
っていうか、俺にファンなんていねぇーよ。
及川じゃあるまいし。」
私の推理はどうやら違っていたらしい。
「昨日みたいにノート借りるの悪りいし、お前もノートないと勉強出来ねぇだろ?」
「あ、うん。」
私に渡す為だったのか……。
それを知った途端、掴んでいたメモを手の中にしっかりと包んだ。
「これから、今回みたいな事があってもすぐにメールで聞けるし。
俺の登録したら、お前の番号とメールアドレスも送ってくれ。
あと、お前 無料通信アプリ入れてる?」
「あ、うん。」
「じゃ、それも登録な。」
こうして、私と岩泉くんは互いの連絡先を交換することになった。
こんな日が来ることを誰が想像しただろうか?
「……夏乃、夏乃?」
声を掛けられた。
気が付けば、視界にヌッと亜沙美の顔が入り込む。
「あ……」
びっくりした。
そう言い掛けようとしたが、言葉が続かない。
……というより、身体が動かなかった。
「どうしたの?
昼、一緒に食べようって約束してたのになかなか来ないから、迎えにきたわよ。」
ふと周りを見渡せば、いつの間にか昼休憩に入っている。
私……授業が終わったことにも気付かなかった。
「あ、うん。」
今朝のメモのことが頭から離れなくて、授業の記憶すらない。
あれは、一体 誰に渡す為の物だったのだろう?
その疑問が頭の中をぐるぐると駆け巡り、真後ろにいる岩泉くんに聞けずに悶々としていた。
「今日は何?
パンなら、売店行く?」
「お弁当あるから、大丈夫。」
机の上の教科書やノートをしまい、鞄の中から弁当箱を取り出して椅子から立ち上がる。
それにしても、彼が私なんかに連絡先を教えるなんてあり得ない……
私達、雑談するほど親しくもないし。
もしかしたら、岩泉くんのファンの携帯番号とメールアドレスを書いたメモとか?
それが何かの間違えで私のノートに入り込んでしまったのかも。
あ……
きっとそうだ!
「……夏乃?
屋上、行くよ。」
「うん。」
伏し目がちに後ろの席に視線をやると、そこには岩泉くんの姿はなかった。
恐らく、及川くんのクラスにでも行ったのだろうか?
そうとわかれば、あのメモ……
個人情報だし、放課後になる前に返さなくちゃ。
今頃 探してて、岩泉くんはきっと困ってるはず……
「はぁ?
俺のファンの連絡先?!」
「ち、違うんですか?
これ、ノートに入っていたんですけど……」
午後イチの授業も終わり、化学室から教室へ戻る前……
席を立とうとした彼に意を決してメモを差し出すと、憮然とした表情で睨まれた。
「違げーよ。
それ、俺の番号とメールアドレス。
っていうか、俺にファンなんていねぇーよ。
及川じゃあるまいし。」
私の推理はどうやら違っていたらしい。
「昨日みたいにノート借りるの悪りいし、お前もノートないと勉強出来ねぇだろ?」
「あ、うん。」
私に渡す為だったのか……。
それを知った途端、掴んでいたメモを手の中にしっかりと包んだ。
「これから、今回みたいな事があってもすぐにメールで聞けるし。
俺の登録したら、お前の番号とメールアドレスも送ってくれ。
あと、お前 無料通信アプリ入れてる?」
「あ、うん。」
「じゃ、それも登録な。」
こうして、私と岩泉くんは互いの連絡先を交換することになった。
こんな日が来ることを誰が想像しただろうか?