住めば都
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昔から機械操作が苦手だったから、今頃 四苦八苦しているのが想像出来た。
「大丈夫だって。
落としたり、踏み潰したりしなけりゃ すぐに壊れたりしないから。
あと、画面に書いてあることをちゃんと読んでから、操作すればいい。
わからなかったら、勝手に動かさず 他の人に聞くとか。」
『わかった!
そうする。
あぁ……ガクちゃんが側にいれば、設定とか全部任せられたのに……』
つばさの何の気なしに呟いた言葉が嬉しい。
遠く離れていても、俺を必要としてくれることに……
だが、その反面……つばさの周りで俺以上に頼れる人間が今の段階でいないことだろう。
「わからなかったら、いつでも連絡しろよ。」
『ガクちゃん、ありがとう。』
すぐにでもつばさの元へ飛んでいきたい気持ちにかられながら、スマホを握り締めた。
「岳、稽古 始まるぞ。」
ロッカー室から突然出て行った俺を探していたのか、先輩が大声で叫ぶ。
それがつばさにも聞こえたのだろう。
『ガクちゃん、アドレス決めたらメールするね。』
つばさの声のトーンが若干下がる。
顔には出ないつばさの寂しいというサインだ。
「ああ。
待ってる。
変なアドレスにすんなよ。」
『わかってる。
じゃあ、またね。』
「ああ、じゃあな。」
寂しいのは、お前だけじゃない。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「あれ?
南雲って、スマホ持っていたっけ?」
翌朝、教室……
自分の席で鞄から荷物を出していると、前の席に座る中野森さんが声を掛けてきた。
「おはよう。
昨日、買ってもらった。」
彼女はうちのクラス委員で、入学式翌日 石野くんに絡まれていた私を助けてくれた恩人だ。
二つに分けた髪をみつあみに結い、赤いふちの眼鏡がよく似合っている女の子。
座席が前後だったこともあり、以後 仲良くしてもらっている。
「これ、最新モデルでしょ?」
「そうなんだ。
私、機械とかあまりわかんなくて。
店員さんのオススメだったから、それにしたんだけど……」
彼女は机の上に置いていたスマホを手に取ると外観をまじまじ眺め、うっとりしている。
「羨ましい!
ねぇ、メアド交換しよう。」
「あ……アドレス、まだ考えてなくて。
昨夜、考えていたんだけど、どんなのがいいか……わかんなくなって。」
そう言うと、中野森さんは眼鏡越しの目を丸くして、
「決めてないのか……了解。
じゃ、番号だけでも教えて。
メアドは決まり次第、教えてくれたらいいから。」
制服のポケットから自分のスマホを取り出し、互いの連絡先を交換する。
「大丈夫だって。
落としたり、踏み潰したりしなけりゃ すぐに壊れたりしないから。
あと、画面に書いてあることをちゃんと読んでから、操作すればいい。
わからなかったら、勝手に動かさず 他の人に聞くとか。」
『わかった!
そうする。
あぁ……ガクちゃんが側にいれば、設定とか全部任せられたのに……』
つばさの何の気なしに呟いた言葉が嬉しい。
遠く離れていても、俺を必要としてくれることに……
だが、その反面……つばさの周りで俺以上に頼れる人間が今の段階でいないことだろう。
「わからなかったら、いつでも連絡しろよ。」
『ガクちゃん、ありがとう。』
すぐにでもつばさの元へ飛んでいきたい気持ちにかられながら、スマホを握り締めた。
「岳、稽古 始まるぞ。」
ロッカー室から突然出て行った俺を探していたのか、先輩が大声で叫ぶ。
それがつばさにも聞こえたのだろう。
『ガクちゃん、アドレス決めたらメールするね。』
つばさの声のトーンが若干下がる。
顔には出ないつばさの寂しいというサインだ。
「ああ。
待ってる。
変なアドレスにすんなよ。」
『わかってる。
じゃあ、またね。』
「ああ、じゃあな。」
寂しいのは、お前だけじゃない。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「あれ?
南雲って、スマホ持っていたっけ?」
翌朝、教室……
自分の席で鞄から荷物を出していると、前の席に座る中野森さんが声を掛けてきた。
「おはよう。
昨日、買ってもらった。」
彼女はうちのクラス委員で、入学式翌日 石野くんに絡まれていた私を助けてくれた恩人だ。
二つに分けた髪をみつあみに結い、赤いふちの眼鏡がよく似合っている女の子。
座席が前後だったこともあり、以後 仲良くしてもらっている。
「これ、最新モデルでしょ?」
「そうなんだ。
私、機械とかあまりわかんなくて。
店員さんのオススメだったから、それにしたんだけど……」
彼女は机の上に置いていたスマホを手に取ると外観をまじまじ眺め、うっとりしている。
「羨ましい!
ねぇ、メアド交換しよう。」
「あ……アドレス、まだ考えてなくて。
昨夜、考えていたんだけど、どんなのがいいか……わかんなくなって。」
そう言うと、中野森さんは眼鏡越しの目を丸くして、
「決めてないのか……了解。
じゃ、番号だけでも教えて。
メアドは決まり次第、教えてくれたらいいから。」
制服のポケットから自分のスマホを取り出し、互いの連絡先を交換する。