苛立ち
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研磨の手から繰り出されるボールを見つめ、助走を始める。
タイミングよく両足で踏み切り、宙へ舞い上がった身体を反らせ、頭上から下りてくるボールを打つ。
放たれたボールは勢いよくエンドライン ギリギリに入り、大きな音を立てながらボール拾いをする後輩の元へ飛んでいく。
「今朝は調子いいじゃん。」
後輩達のでかい「ナイスキー!」の掛け声に掻き消されそうな研磨の声に「まぁな。」と軽く返す。
確かにそうかも……
今朝は一度も海や福永のブロックに一度も捕まってない。
変に力も入ってないし、身体も心なしか軽い気がする。
やっぱり、神谷効果?
今朝、電車で出会ったお陰かも。
そんなことを考えながら、次に控えていた山本のスパイク練習の邪魔にならないようにコートから出ると、
「クロ、朝っぱらから 神谷にちょっかい出したんだって?」
ちょっと機嫌の悪そうな夜久がこっちへ近付いてきた。
あ、訂正。
ちょっと……じゃなさそう。
「何、何のことよ……」
「……しらばっくれんな。
犬岡達が同じ車両で二人のこと、見てんだよ。」
あちゃ……マジか。
余りの嬉しさに、周り 確認すんの忘れてた……
アイツらも、部長のプライベート 軽々しくチクっちゃダメだろ。
おかん夜久に……
それでなくても、最近 神谷に対する俺の行動を神谷以上に警戒してるっていうのに。
あ……
朝っぱらから、やっくんのお小言なんて聞きたくなかったんだけどな……
「クロ、加減してやれよ。
神谷、男慣れしてないんだからさ……」
予想通り。
夜久は他の部員に聞こえないくらいのトーンで俺に忠告(と言う名の小言)してきた。
「加減?」
首を傾げ、わざとわからない振りをすると、
「しらばっくれんな。
最近、急接近し過ぎだろうが。」
珍しく怒っている。
以前、リエーフが身長の話題を振り、ぶちギレた時 以来のような気が……
「ちょっ、何でマジになってんの?」
それだけ神谷のことを大事に想っているってことなんだろうが、マジで過保護過ぎ。
ここは一つ、険悪ムードをスルーしてはぐらかすに限る。
「やっくん、顔 怖えぇよ。」
やんわりかわそうとするが、
「誰が こんな顔にするようなこと、してんだよ。」
そう上手くはいかない。
夜久の眉間には深いシワが刻み込まれている。
「黒尾先輩……」
どうやって、夜久から逃れようか……
思案していると、割って入るように後輩が声を掛けてくる。
ふと顔を上げると、スパイク練習の順番が巡ってきたようだ。
「おぉ、すぐ行く。」
ちょうどいいタイミング!
ホッと胸を撫で下ろしながら、列に戻ろうとした瞬間、いきなり腕を掴まれる。
ギョッとして振り返ると、
「神谷は……お前が思っている以上に純粋なんだ。
ふざけてるなら、他を当たれよ。」
さっきよりも低いトーンの夜久の声。
その眼差しは試合中、ボールを追う時のそれと同じ。
どうやら、マジで俺にキレてるようだ。
タイミングよく両足で踏み切り、宙へ舞い上がった身体を反らせ、頭上から下りてくるボールを打つ。
放たれたボールは勢いよくエンドライン ギリギリに入り、大きな音を立てながらボール拾いをする後輩の元へ飛んでいく。
「今朝は調子いいじゃん。」
後輩達のでかい「ナイスキー!」の掛け声に掻き消されそうな研磨の声に「まぁな。」と軽く返す。
確かにそうかも……
今朝は一度も海や福永のブロックに一度も捕まってない。
変に力も入ってないし、身体も心なしか軽い気がする。
やっぱり、神谷効果?
今朝、電車で出会ったお陰かも。
そんなことを考えながら、次に控えていた山本のスパイク練習の邪魔にならないようにコートから出ると、
「クロ、朝っぱらから 神谷にちょっかい出したんだって?」
ちょっと機嫌の悪そうな夜久がこっちへ近付いてきた。
あ、訂正。
ちょっと……じゃなさそう。
「何、何のことよ……」
「……しらばっくれんな。
犬岡達が同じ車両で二人のこと、見てんだよ。」
あちゃ……マジか。
余りの嬉しさに、周り 確認すんの忘れてた……
アイツらも、部長のプライベート 軽々しくチクっちゃダメだろ。
おかん夜久に……
それでなくても、最近 神谷に対する俺の行動を神谷以上に警戒してるっていうのに。
あ……
朝っぱらから、やっくんのお小言なんて聞きたくなかったんだけどな……
「クロ、加減してやれよ。
神谷、男慣れしてないんだからさ……」
予想通り。
夜久は他の部員に聞こえないくらいのトーンで俺に忠告(と言う名の小言)してきた。
「加減?」
首を傾げ、わざとわからない振りをすると、
「しらばっくれんな。
最近、急接近し過ぎだろうが。」
珍しく怒っている。
以前、リエーフが身長の話題を振り、ぶちギレた時 以来のような気が……
「ちょっ、何でマジになってんの?」
それだけ神谷のことを大事に想っているってことなんだろうが、マジで過保護過ぎ。
ここは一つ、険悪ムードをスルーしてはぐらかすに限る。
「やっくん、顔 怖えぇよ。」
やんわりかわそうとするが、
「誰が こんな顔にするようなこと、してんだよ。」
そう上手くはいかない。
夜久の眉間には深いシワが刻み込まれている。
「黒尾先輩……」
どうやって、夜久から逃れようか……
思案していると、割って入るように後輩が声を掛けてくる。
ふと顔を上げると、スパイク練習の順番が巡ってきたようだ。
「おぉ、すぐ行く。」
ちょうどいいタイミング!
ホッと胸を撫で下ろしながら、列に戻ろうとした瞬間、いきなり腕を掴まれる。
ギョッとして振り返ると、
「神谷は……お前が思っている以上に純粋なんだ。
ふざけてるなら、他を当たれよ。」
さっきよりも低いトーンの夜久の声。
その眼差しは試合中、ボールを追う時のそれと同じ。
どうやら、マジで俺にキレてるようだ。