俺の知らない彼女
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今日は朝から雲一つない晴天に恵まれた。
午後0時50分。
約束の時間10分前に彼女の家の前に着いた。
途中、母親から教えてもらった美味しいケーキ屋がなかなか見つからなくて、約束に遅れるかと思ったんだけど……間に合ってよかった。
ホッとしたのも束の間、今度は次の段階。
微かに震える指で門扉脇に備え付けられた呼び鈴を二度押す。
あぁ……ドキドキする。
しばらくすると玄関の戸が開き、白髪頭のおばあさんが顔を覗かせた。
南雲さんのおばあさんだろうか?
目元辺りがどことなく似ている。
「あ、あのっ、南雲さん……居ますか?」
もしかして、部屋の掃除でもしてるのだろうか?
彼女の姿が見えないことに不安になりながら、出て来たおばあさんにそう尋ねる。
すると、
「あんたが縁下くん?」
「あ、はい!」
「さぁ、上がって。」
そう言ってニコッと微笑み、戸を大きく開く。
彼女が歳を取ったら、このおばあさんのようになるんだろうか……
そんなことを考えながら、鉄製の門扉を開けた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「叔母さんの忘れ物を届けに行ったんですか……」
玄関から入ってすぐのリビングに通され、南雲さんが不在ということを知らされた。
午前中に出たから、もうしばらくすれば戻るらしい。
「悪いねぇ。
今日みたいに約束していた日に……」
「あ、いいえ。」
おばあさんにさっき渡したお土産のケーキ、淹れたての紅茶が俺の目の前のテーブルに置かれる。
南雲さんと二人でも緊張するけど、このシチュエーションも緊張する……
「御持たせで申し訳ないけど、どうぞ。」
紅茶の香り漂う中、向かいのソファにおばあさんが腰掛ける。
「あ、はい。
いただきます。」
とりあえず、何 話そう?
こういうときは天気の話だっけ……
いや、それとも紅茶を一口飲んで、「美味しいですね」とか言った方がいいのか?
そんなことを考えつつ 紅茶に砂糖とミルクを入れ、ティスプーンでぐるぐると掻き回していると、突然 おばあさんがソファから立ち上がった。
どこに行くのだろう?
もしかしたら、台所とかに行くのだろうか?
緊張しながらもおばあさんの動向が気になって、目で追っていると近くにある棚から何冊かのアルバムを取り出した。
「南雲さんのアルバムですか?」
「そうそう。
この前、東京に住むあの子の母親から送られてきてねぇ……見るかい?」
以前、彼女から「今はお母さんと別れて暮らしてる」と聞いたことを思い出す。
おばあさんは再びソファに座り、一冊のアルバムを差し出してきた。
「はい。
ありがとうございます。」
アルバムの表紙を一枚捲ると、彼女が幼稚園の頃だろうか?
公園でブランコに乗って笑っている。
髪も今と違って、ロングヘア。
それもツインテール!
「可愛い……」
気付けば、思ったことが口に出てしまっていた。
独り言ならともかく、おばあさんに聞かれてたなんて恥ずかしい……
思わず、俯いていると、
「そうだろ~
そんな写真はまだまだあるから、見てごらん。」
可愛い孫娘を誉められて嬉しかったのか、俺の代わりにページを捲り始める。
おばあさんは笑顔で残りのアルバムをテーブルの傍らに置いた。
赤ちゃんの頃、幼稚園の頃、小学生の頃……
小さな頃はお転婆だったとか……
おばあさんからいろんな話を聞きながら、南雲さんの成長過程を眺める。
すると、小学生高学年辺りから彼女の隣に凄いイケメンが写っていることに気付いた。
誰だろう?
首を傾げながら、ページを捲る。
そのページの中央、学芸会の写真なのだろうか?
舞台の上、いろんな扮装の大人に紛れ、着物姿の彼女とさっきのイケメンが並んでいる。
「あー、それは演劇サークルの仲間で撮った写真だ。」
午後0時50分。
約束の時間10分前に彼女の家の前に着いた。
途中、母親から教えてもらった美味しいケーキ屋がなかなか見つからなくて、約束に遅れるかと思ったんだけど……間に合ってよかった。
ホッとしたのも束の間、今度は次の段階。
微かに震える指で門扉脇に備え付けられた呼び鈴を二度押す。
あぁ……ドキドキする。
しばらくすると玄関の戸が開き、白髪頭のおばあさんが顔を覗かせた。
南雲さんのおばあさんだろうか?
目元辺りがどことなく似ている。
「あ、あのっ、南雲さん……居ますか?」
もしかして、部屋の掃除でもしてるのだろうか?
彼女の姿が見えないことに不安になりながら、出て来たおばあさんにそう尋ねる。
すると、
「あんたが縁下くん?」
「あ、はい!」
「さぁ、上がって。」
そう言ってニコッと微笑み、戸を大きく開く。
彼女が歳を取ったら、このおばあさんのようになるんだろうか……
そんなことを考えながら、鉄製の門扉を開けた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「叔母さんの忘れ物を届けに行ったんですか……」
玄関から入ってすぐのリビングに通され、南雲さんが不在ということを知らされた。
午前中に出たから、もうしばらくすれば戻るらしい。
「悪いねぇ。
今日みたいに約束していた日に……」
「あ、いいえ。」
おばあさんにさっき渡したお土産のケーキ、淹れたての紅茶が俺の目の前のテーブルに置かれる。
南雲さんと二人でも緊張するけど、このシチュエーションも緊張する……
「御持たせで申し訳ないけど、どうぞ。」
紅茶の香り漂う中、向かいのソファにおばあさんが腰掛ける。
「あ、はい。
いただきます。」
とりあえず、何 話そう?
こういうときは天気の話だっけ……
いや、それとも紅茶を一口飲んで、「美味しいですね」とか言った方がいいのか?
そんなことを考えつつ 紅茶に砂糖とミルクを入れ、ティスプーンでぐるぐると掻き回していると、突然 おばあさんがソファから立ち上がった。
どこに行くのだろう?
もしかしたら、台所とかに行くのだろうか?
緊張しながらもおばあさんの動向が気になって、目で追っていると近くにある棚から何冊かのアルバムを取り出した。
「南雲さんのアルバムですか?」
「そうそう。
この前、東京に住むあの子の母親から送られてきてねぇ……見るかい?」
以前、彼女から「今はお母さんと別れて暮らしてる」と聞いたことを思い出す。
おばあさんは再びソファに座り、一冊のアルバムを差し出してきた。
「はい。
ありがとうございます。」
アルバムの表紙を一枚捲ると、彼女が幼稚園の頃だろうか?
公園でブランコに乗って笑っている。
髪も今と違って、ロングヘア。
それもツインテール!
「可愛い……」
気付けば、思ったことが口に出てしまっていた。
独り言ならともかく、おばあさんに聞かれてたなんて恥ずかしい……
思わず、俯いていると、
「そうだろ~
そんな写真はまだまだあるから、見てごらん。」
可愛い孫娘を誉められて嬉しかったのか、俺の代わりにページを捲り始める。
おばあさんは笑顔で残りのアルバムをテーブルの傍らに置いた。
赤ちゃんの頃、幼稚園の頃、小学生の頃……
小さな頃はお転婆だったとか……
おばあさんからいろんな話を聞きながら、南雲さんの成長過程を眺める。
すると、小学生高学年辺りから彼女の隣に凄いイケメンが写っていることに気付いた。
誰だろう?
首を傾げながら、ページを捲る。
そのページの中央、学芸会の写真なのだろうか?
舞台の上、いろんな扮装の大人に紛れ、着物姿の彼女とさっきのイケメンが並んでいる。
「あー、それは演劇サークルの仲間で撮った写真だ。」