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「ねぇ、南雲さんって、何か部活に入ってる?」
体育の授業後、更衣室で着替えていた時のこと。
クラスメイトの女子・ワタナベさんから話しかけられた。
「えっ?
いえ、帰宅ぶ……」
「そうなの?!
今日の持久走、いいペースで走っていたから、中学の時に何か運動系の部活に入っていたのかなって……」
「いえいえ……中学の頃も帰宅部で……」
あの頃は学校から帰ったら、すぐに地域の文化センターの演劇サークルに行ってたから……
あれが私の部活代わりになるのだろう。
「えーー!
フォームも綺麗だし、おまけにあれだけの脚力があるのに部活っていうか、陸上してなかったなんて……
何てっ勿体無い!!!」
「勿体無い!!!」と力強く言い切られたが、果たしてどうだろう?
体力をつける為にロードワークしていただけだし、走り方の指導を特別受けた訳でもない。
「そ、そう?!」
彼女は凄い形相で両手で私の手を握り締めると、
「そうよっ!
帰宅部のまま何もしないなんて、勿体無さ過ぎるわ!
この際、陸上始めてみない?」
突然 勧誘される。
「えっ、いや……あのっ、今はちょっと部活とか、考えてないんで……」
これで何件目だろ……
この前はバスケ部でその前はテニス部。
能力買われて勧誘されてるんだろうけど、部活に入ることに抵抗があった。
「またまた~
南雲さんって走るの、嫌いじゃないでしょ……
むしろ、楽しんでるような感じしたけど。」
確かに、嫌いじゃない。
だが、走りたい時に走るのと部活で走ることは少し違う気がしていた。
「ん……でも、今のところ、部活は入るつもりはないんだ。
ごめんね。」
軽く頭を下げるが、
「えっ、そう言わずに……一度、見学にでも……」
彼女は諦める様子はない。
食い下がってくる、そう思った瞬間……
「ハイハイ、無駄話してたら、次の授業間に合わないよ~」
隣で静観していた救世主・中野森さんが彼女の背中をポンポンと軽く叩く。
「次は遅刻に厳しいサトウ先生だよ。
あと、5分で授業開始だから、さっさと着替えるっ!」
そのお陰もあって、陸上部の彼女は慌てて着替え始めた。
「ありがと……」
「ほらほら……お礼はいいから、南雲も早く着替えな。
あの先生、遅刻したら面倒なんだから。」
照れ隠しなのだろうか。
中野森さんはそう言うと、私に背を向けると更衣室から出て行く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お待たせぇ!!」
昼休み、教室の入り口から大きな声が聞こえてくる。
振り返ろうとした瞬間、勢いよく抱き着いてきた人物の頭が私の後頭部にぶつかってきた。
「「いたっ!」」
ゴチッて変な音。
突然の鈍い痛みに思わず顔をしかめると、
「ごめんっ~」
大声の主、苦笑する夏目ちゃんが視界に飛び込んできた。
「ちょっと、全力で走ってくるの止めなよ。
アンタ達、いつか怪我するよ。」
いつものことだと思っているのか、
中野森さんは冷ややかにこちらを眺めながら、弁当箱の蓋を開ける。
「あ……
いや、もうしてるから。」
「こぶ出来た?
ごめん……保健室から冷えピタもらってこようか?」
調子に乗り過ぎる癖のある夏目ちゃんはシュンとする。
「大丈夫、そこまでじゃないから……
それに後頭部に冷えピタ貼るの無理だよ。」
とりあえず、心配させないつもりで笑いながら答えると、彼女の表情はパッと明るくなり、
「そうだね。
坊主頭にしない限り無理か~
本当にごめんね、南雲!」
女の子らしく愛らしい笑顔を見せる。
「坊主頭でも冷えピタ無理だよ、バカ。
南雲は夏目に甘いんだよ……」
「そんなことないよねぇー?」
「………………」
「南雲、そこでシカトしないで(笑)」
体育の授業後、更衣室で着替えていた時のこと。
クラスメイトの女子・ワタナベさんから話しかけられた。
「えっ?
いえ、帰宅ぶ……」
「そうなの?!
今日の持久走、いいペースで走っていたから、中学の時に何か運動系の部活に入っていたのかなって……」
「いえいえ……中学の頃も帰宅部で……」
あの頃は学校から帰ったら、すぐに地域の文化センターの演劇サークルに行ってたから……
あれが私の部活代わりになるのだろう。
「えーー!
フォームも綺麗だし、おまけにあれだけの脚力があるのに部活っていうか、陸上してなかったなんて……
何てっ勿体無い!!!」
「勿体無い!!!」と力強く言い切られたが、果たしてどうだろう?
体力をつける為にロードワークしていただけだし、走り方の指導を特別受けた訳でもない。
「そ、そう?!」
彼女は凄い形相で両手で私の手を握り締めると、
「そうよっ!
帰宅部のまま何もしないなんて、勿体無さ過ぎるわ!
この際、陸上始めてみない?」
突然 勧誘される。
「えっ、いや……あのっ、今はちょっと部活とか、考えてないんで……」
これで何件目だろ……
この前はバスケ部でその前はテニス部。
能力買われて勧誘されてるんだろうけど、部活に入ることに抵抗があった。
「またまた~
南雲さんって走るの、嫌いじゃないでしょ……
むしろ、楽しんでるような感じしたけど。」
確かに、嫌いじゃない。
だが、走りたい時に走るのと部活で走ることは少し違う気がしていた。
「ん……でも、今のところ、部活は入るつもりはないんだ。
ごめんね。」
軽く頭を下げるが、
「えっ、そう言わずに……一度、見学にでも……」
彼女は諦める様子はない。
食い下がってくる、そう思った瞬間……
「ハイハイ、無駄話してたら、次の授業間に合わないよ~」
隣で静観していた救世主・中野森さんが彼女の背中をポンポンと軽く叩く。
「次は遅刻に厳しいサトウ先生だよ。
あと、5分で授業開始だから、さっさと着替えるっ!」
そのお陰もあって、陸上部の彼女は慌てて着替え始めた。
「ありがと……」
「ほらほら……お礼はいいから、南雲も早く着替えな。
あの先生、遅刻したら面倒なんだから。」
照れ隠しなのだろうか。
中野森さんはそう言うと、私に背を向けると更衣室から出て行く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お待たせぇ!!」
昼休み、教室の入り口から大きな声が聞こえてくる。
振り返ろうとした瞬間、勢いよく抱き着いてきた人物の頭が私の後頭部にぶつかってきた。
「「いたっ!」」
ゴチッて変な音。
突然の鈍い痛みに思わず顔をしかめると、
「ごめんっ~」
大声の主、苦笑する夏目ちゃんが視界に飛び込んできた。
「ちょっと、全力で走ってくるの止めなよ。
アンタ達、いつか怪我するよ。」
いつものことだと思っているのか、
中野森さんは冷ややかにこちらを眺めながら、弁当箱の蓋を開ける。
「あ……
いや、もうしてるから。」
「こぶ出来た?
ごめん……保健室から冷えピタもらってこようか?」
調子に乗り過ぎる癖のある夏目ちゃんはシュンとする。
「大丈夫、そこまでじゃないから……
それに後頭部に冷えピタ貼るの無理だよ。」
とりあえず、心配させないつもりで笑いながら答えると、彼女の表情はパッと明るくなり、
「そうだね。
坊主頭にしない限り無理か~
本当にごめんね、南雲!」
女の子らしく愛らしい笑顔を見せる。
「坊主頭でも冷えピタ無理だよ、バカ。
南雲は夏目に甘いんだよ……」
「そんなことないよねぇー?」
「………………」
「南雲、そこでシカトしないで(笑)」