悩めるお年頃
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「それって、相談?
それとも愚痴?
アンタ、私に何してほしいの?」
中野森さんのキツイ口調と眼鏡越しの鋭い眼差しに怯みそうになる。
入学して一週間以上経ったけど、未だに慣れない。
でも……
「えっと……」
話を聞いてもらいたい。
「相談です。」
「ふーん。
じゃ、今すぐ 縁下んとこ行って、『さっきの、どう思った?』って聞いてみたら?」
中野森さんはギターをつま弾いていたが、私が差し入れたデラックスリッチ・カフェオレ(相談料・坂ノ下商店 購入)にストローを刺してチューと飲み始めた。
そんな簡単に出来たら、あなたに相談なんてしません。
「お疲れっす~」
「お疲れ様です。」
軽音部の活動拠点になっている空き教室にまた一人、部員である先輩がギターケースを肩に掛けてやってきた。
その度に中野森さんは挨拶を返し、私の話は中断される。
ま、それは仕方ない。
私が放課後に中野森さんを追って、部室で相談してるのだから……
「直接は無理。」
縁下くんの気持ち、告白されて知っているんだから。
私だったら、心中穏やかではいられない。
事の始まりは昼休み。
幼馴染 ガクちゃん宛に画像添付してメール送信する方法を縁下くんに教えてもらっていたときのこと。
送信先の宛名(ガクちゃんの名前)を見たときから、彼の様子が明らかにおかしくなった。
突然 テンションが下がって落ち込んでいるように見えて……
『ね、聞いていい?
さっきのメール、誰に送ったの?』
メール送信後、それまで曇った表情をしていた彼だったが、意を決した様子で私に尋ねてきた。
『もしかして……か……』
その瞬間、縁下くんは『彼氏』と言おうとしたような気がして……
思わず その言葉を聞きたくなくて、私は彼の発言を遮るように
『友達だよ。』
って、答えた。
だって……本当のことだし、それに彼氏だなんて誤解されたくなかったから。
「あのさ……アンタが『友達』って言ったんなら、それでいいじゃない。
それ以上、縁下に何て言うの?」
「そうだけど……」
確かに。
彼の悲しそうなあの表情を見て、私が勝手に妄想してるだけ。
それを面と向かって気に病んでいるかなんて、尋ねることなんて出来るはずない。
「でも、気になるんだよ……」
縁下くん、午後からぼんやりしていたから……
絶対に気にしてるはず。
あんな悲しそうな表情の原因が私のせいだと思うと、私も気になる。
「アンタに彼氏がいるって、縁下に誤解されてないか?」
「そう。」
「縁下と知り合ったの、昨日のことなのに そんなに気になっちゃうんだ……っていうか、チューされたから?」
ニヤニヤしながら核心を突く中野森さんは、私の顔をまじまじと見つめる。
「わ、わかんない……けど……」
確かにキスされたり、生まれて初めて告白されて……動揺してるのかもしれないけど。
気になっちゃうんだよ、縁下くんのこと。
「そっか。
南雲ってわかりやすいね~
ねぇ、こうなったら『友達から……』なんて言ってないで告っちゃえば?」
「私にはレベル高過ぎだよ。」
首をブンブンと横に振ると、何が面白いのか、中野森さんに笑われた。
「レベル高過ぎねぇ……
私は一番手っ取り早いと思うけど。」
「そう?」
あぁ、ダメだ。
さっきから何だか胸の辺りが変な感じ。
縁下くんのことばかり考えてるせいか、ギュッと締め付けられるような感覚に襲われる。
明日から、ギクシャクするのかな?
メールも返信無くなったり、あんな風に話すことさえ無くなるのかな?
それは本当に嫌だ……
いろいろ考えると不安になって、その感覚は広がっていく。
「南雲って、見かけによらずネガティブだよね。
暗い、暗過ぎる。」
テンション駄々下がりの私を見かねた中野森さんが口を開く。
私のどんよりムードに嫌気が差したのだろう。
「ごめん。
何だか相談じゃなくなってるね……話、聞いてくれてありがとう。」
もうそろそろ、部活が始まりそうな雰囲気。
それを見計らって、私は椅子から立ち上がった。
「南雲。」
「はい?」
入り口に向かって歩き出そうとした瞬間、中野森さんに呼び止められた。
振り返ると、彼女お気に入りの飴玉が飛んでくる。
「それって、相談?
それとも愚痴?
アンタ、私に何してほしいの?」
中野森さんのキツイ口調と眼鏡越しの鋭い眼差しに怯みそうになる。
入学して一週間以上経ったけど、未だに慣れない。
でも……
「えっと……」
話を聞いてもらいたい。
「相談です。」
「ふーん。
じゃ、今すぐ 縁下んとこ行って、『さっきの、どう思った?』って聞いてみたら?」
中野森さんはギターをつま弾いていたが、私が差し入れたデラックスリッチ・カフェオレ(相談料・坂ノ下商店 購入)にストローを刺してチューと飲み始めた。
そんな簡単に出来たら、あなたに相談なんてしません。
「お疲れっす~」
「お疲れ様です。」
軽音部の活動拠点になっている空き教室にまた一人、部員である先輩がギターケースを肩に掛けてやってきた。
その度に中野森さんは挨拶を返し、私の話は中断される。
ま、それは仕方ない。
私が放課後に中野森さんを追って、部室で相談してるのだから……
「直接は無理。」
縁下くんの気持ち、告白されて知っているんだから。
私だったら、心中穏やかではいられない。
事の始まりは昼休み。
幼馴染 ガクちゃん宛に画像添付してメール送信する方法を縁下くんに教えてもらっていたときのこと。
送信先の宛名(ガクちゃんの名前)を見たときから、彼の様子が明らかにおかしくなった。
突然 テンションが下がって落ち込んでいるように見えて……
『ね、聞いていい?
さっきのメール、誰に送ったの?』
メール送信後、それまで曇った表情をしていた彼だったが、意を決した様子で私に尋ねてきた。
『もしかして……か……』
その瞬間、縁下くんは『彼氏』と言おうとしたような気がして……
思わず その言葉を聞きたくなくて、私は彼の発言を遮るように
『友達だよ。』
って、答えた。
だって……本当のことだし、それに彼氏だなんて誤解されたくなかったから。
「あのさ……アンタが『友達』って言ったんなら、それでいいじゃない。
それ以上、縁下に何て言うの?」
「そうだけど……」
確かに。
彼の悲しそうなあの表情を見て、私が勝手に妄想してるだけ。
それを面と向かって気に病んでいるかなんて、尋ねることなんて出来るはずない。
「でも、気になるんだよ……」
縁下くん、午後からぼんやりしていたから……
絶対に気にしてるはず。
あんな悲しそうな表情の原因が私のせいだと思うと、私も気になる。
「アンタに彼氏がいるって、縁下に誤解されてないか?」
「そう。」
「縁下と知り合ったの、昨日のことなのに そんなに気になっちゃうんだ……っていうか、チューされたから?」
ニヤニヤしながら核心を突く中野森さんは、私の顔をまじまじと見つめる。
「わ、わかんない……けど……」
確かにキスされたり、生まれて初めて告白されて……動揺してるのかもしれないけど。
気になっちゃうんだよ、縁下くんのこと。
「そっか。
南雲ってわかりやすいね~
ねぇ、こうなったら『友達から……』なんて言ってないで告っちゃえば?」
「私にはレベル高過ぎだよ。」
首をブンブンと横に振ると、何が面白いのか、中野森さんに笑われた。
「レベル高過ぎねぇ……
私は一番手っ取り早いと思うけど。」
「そう?」
あぁ、ダメだ。
さっきから何だか胸の辺りが変な感じ。
縁下くんのことばかり考えてるせいか、ギュッと締め付けられるような感覚に襲われる。
明日から、ギクシャクするのかな?
メールも返信無くなったり、あんな風に話すことさえ無くなるのかな?
それは本当に嫌だ……
いろいろ考えると不安になって、その感覚は広がっていく。
「南雲って、見かけによらずネガティブだよね。
暗い、暗過ぎる。」
テンション駄々下がりの私を見かねた中野森さんが口を開く。
私のどんよりムードに嫌気が差したのだろう。
「ごめん。
何だか相談じゃなくなってるね……話、聞いてくれてありがとう。」
もうそろそろ、部活が始まりそうな雰囲気。
それを見計らって、私は椅子から立ち上がった。
「南雲。」
「はい?」
入り口に向かって歩き出そうとした瞬間、中野森さんに呼び止められた。
振り返ると、彼女お気に入りの飴玉が飛んでくる。