懲りないヤツら
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水曜の晩……
部屋で机に向かい、宿題をしていた時のこと。
「あ、こんばんは~
岩ちゃん、いますか?」
階下から及川の声がして、うちのおかんとのやり取りが聞こえた。
……と思ったら、階段をドスドス上がる音が聞こえ、背後の戸が勢い良く開く。
「岩ちゃーん!!
ちょっと、ちょっと聞いてよっ!!!」
喚くな、うるさい……
学校だけじゃなく自宅まで騒ぐな。
ヤツは毎度のことながら、こうして唐突に乱入する。
「何だよ、るせぇな!
夜中に他人の家に上がり込むの、止めろ!!」
ようやく勉強しようと乗り気になっていたのに……
見透かしたように邪魔してんじゃねぇ!
思い切り「迷惑だ!」といわんばかりの表情で振り返ってやると、
「ごめーん★
この時間、岩ちゃんどうせ暇してると思ったから~
もしかして、勉強してた?」
相変わらずの空気読めない発言に眉が引きつっていくのを感じる。
ダメだ!
このまま切れてたら、アイツの思う壺。
ここは冷静に対応して、早々にお引き取り頂こう。
「見りゃわかるだろ?
俺だって仮にも受験生だ。」
「そうだったね、ごめん。
傷心の岩ちゃんにいち早く朗報をお伝えしたくて!
ほら、これ見て!」
そう言いながら、俺にスマホを差し出す。
謝ってる(その気は全くないんだろうが…)がその声は異常に明るい。
っていうか、その前に……
「おい、クソ及川。
その『ショーシン』って何だ?」
聞き流しちゃいけない単語が聞こえた気がする。
「え?
ハートブレイクの『傷心』のことだけど。」
キョトンとした顔して「それが何か?」という態度。
コイツ、また勝手に妄想しやがって……
「ちょっと、待て。
俺がいつ、そうなった?」
「えっ?
違うの?!」
おい、マジで待ってくれっ!
どこをどうして、そういうことになった?
怒りを通り越して、呆れてしまう。
とりあえず、聞く耳を持つ俺は及川の話を聞くことにした。
どうやら、またあのKOTOの野郎が管理人してるサイトでアンケートを始めたらしい。
前回のアンケートで俺が上位三位圏内に入れなかったことにショックを受けている……
及川は勝手に思い込んでいたようで、メールでも良さそうな話題をわざわざ知らせに来たのだ。
「次回はランキングに入りたいって思ってるかな……と思って。
何なら、俺と願掛けに行く?」
及川は興奮気味にそう言うと、俺の顔をまじまじと覗き込む。
「いや、俺は……」
投票してもらえるっていうのは嬉しいけど、『ランキング上位三位以内に入って短編書いてもらいたいか?』って聞かれたら、正直 コイツほどの欲はない。
ましてや、前回 コイツがやったように神社で神頼みなんてするつもりもない。
「えーっ、岩ちゃん!
ロードワークがてら行こうよ~」
あ……うるさい。
コイツは駄々っ子か!
こうなったら適当に相手して、帰ってもらおう。
「今回はマッキーとまっつんにも声掛けたら、行くって……」
「はぁ?!」
おいおい、アイツらも及川に巻き込まれたのか?
「前回のアンケート、自分に投票されてたっていうので、二人ともやる気満々でさ……」
マジか?
アイツら、そんなキャラだったっけ?
確かに前回、花巻は9票で松川は3票だった。
それで今回はそれ以上の票を集めて、KOTOに短編書いてもらうつもりなのか?
これ、及川の口車に乗せらたんじゃ……
「岩ちゃん、ねぇ聞いてる?!」
あ……
やべ。
全然 聞いてなかった。
「聞いてる。」
気を取り直して、及川へと視線を向ける。
「俺達 青葉城西は本編に出ないんだから、チャンスは確実に掴まなきゃダメでしょ。
投票してくれる子達もそう思ってるんだし。
でさ、岩ちゃんはこの前の短編の続き、書いてもらえばいいじゃん。」
及川は目をキラキラさせて語り始めた。
チャンスか……
そんな風に考えたことなかった。
「もしかしたら、R18指定されそうな展開が繰り広げられるかもしれないし。
ね、岩ちゃん!」
あのKOTOがR18指定されるような内容書く訳ないことはわかっていた。
だが、コイツや花巻達がアンケートのランキングにこだわりたい気持ちもわからなくもない。
「そうだな……」
俺達は初めから諦める性分じゃねぇ。
投票してくれる人の為にも……
「神頼み、してみるか。」
という訳で次の日から部活の帰りに皆で神社にお参りすることになった。
さて、結果はどうなることやら……
投票期限の8月19日が待ち遠しい。
2017.6.2
Web拍手お礼小話として公開
※投票は終了しております。
部屋で机に向かい、宿題をしていた時のこと。
「あ、こんばんは~
岩ちゃん、いますか?」
階下から及川の声がして、うちのおかんとのやり取りが聞こえた。
……と思ったら、階段をドスドス上がる音が聞こえ、背後の戸が勢い良く開く。
「岩ちゃーん!!
ちょっと、ちょっと聞いてよっ!!!」
喚くな、うるさい……
学校だけじゃなく自宅まで騒ぐな。
ヤツは毎度のことながら、こうして唐突に乱入する。
「何だよ、るせぇな!
夜中に他人の家に上がり込むの、止めろ!!」
ようやく勉強しようと乗り気になっていたのに……
見透かしたように邪魔してんじゃねぇ!
思い切り「迷惑だ!」といわんばかりの表情で振り返ってやると、
「ごめーん★
この時間、岩ちゃんどうせ暇してると思ったから~
もしかして、勉強してた?」
相変わらずの空気読めない発言に眉が引きつっていくのを感じる。
ダメだ!
このまま切れてたら、アイツの思う壺。
ここは冷静に対応して、早々にお引き取り頂こう。
「見りゃわかるだろ?
俺だって仮にも受験生だ。」
「そうだったね、ごめん。
傷心の岩ちゃんにいち早く朗報をお伝えしたくて!
ほら、これ見て!」
そう言いながら、俺にスマホを差し出す。
謝ってる(その気は全くないんだろうが…)がその声は異常に明るい。
っていうか、その前に……
「おい、クソ及川。
その『ショーシン』って何だ?」
聞き流しちゃいけない単語が聞こえた気がする。
「え?
ハートブレイクの『傷心』のことだけど。」
キョトンとした顔して「それが何か?」という態度。
コイツ、また勝手に妄想しやがって……
「ちょっと、待て。
俺がいつ、そうなった?」
「えっ?
違うの?!」
おい、マジで待ってくれっ!
どこをどうして、そういうことになった?
怒りを通り越して、呆れてしまう。
とりあえず、聞く耳を持つ俺は及川の話を聞くことにした。
どうやら、またあのKOTOの野郎が管理人してるサイトでアンケートを始めたらしい。
前回のアンケートで俺が上位三位圏内に入れなかったことにショックを受けている……
及川は勝手に思い込んでいたようで、メールでも良さそうな話題をわざわざ知らせに来たのだ。
「次回はランキングに入りたいって思ってるかな……と思って。
何なら、俺と願掛けに行く?」
及川は興奮気味にそう言うと、俺の顔をまじまじと覗き込む。
「いや、俺は……」
投票してもらえるっていうのは嬉しいけど、『ランキング上位三位以内に入って短編書いてもらいたいか?』って聞かれたら、正直 コイツほどの欲はない。
ましてや、前回 コイツがやったように神社で神頼みなんてするつもりもない。
「えーっ、岩ちゃん!
ロードワークがてら行こうよ~」
あ……うるさい。
コイツは駄々っ子か!
こうなったら適当に相手して、帰ってもらおう。
「今回はマッキーとまっつんにも声掛けたら、行くって……」
「はぁ?!」
おいおい、アイツらも及川に巻き込まれたのか?
「前回のアンケート、自分に投票されてたっていうので、二人ともやる気満々でさ……」
マジか?
アイツら、そんなキャラだったっけ?
確かに前回、花巻は9票で松川は3票だった。
それで今回はそれ以上の票を集めて、KOTOに短編書いてもらうつもりなのか?
これ、及川の口車に乗せらたんじゃ……
「岩ちゃん、ねぇ聞いてる?!」
あ……
やべ。
全然 聞いてなかった。
「聞いてる。」
気を取り直して、及川へと視線を向ける。
「俺達 青葉城西は本編に出ないんだから、チャンスは確実に掴まなきゃダメでしょ。
投票してくれる子達もそう思ってるんだし。
でさ、岩ちゃんはこの前の短編の続き、書いてもらえばいいじゃん。」
及川は目をキラキラさせて語り始めた。
チャンスか……
そんな風に考えたことなかった。
「もしかしたら、R18指定されそうな展開が繰り広げられるかもしれないし。
ね、岩ちゃん!」
あのKOTOがR18指定されるような内容書く訳ないことはわかっていた。
だが、コイツや花巻達がアンケートのランキングにこだわりたい気持ちもわからなくもない。
「そうだな……」
俺達は初めから諦める性分じゃねぇ。
投票してくれる人の為にも……
「神頼み、してみるか。」
という訳で次の日から部活の帰りに皆で神社にお参りすることになった。
さて、結果はどうなることやら……
投票期限の8月19日が待ち遠しい。
2017.6.2
Web拍手お礼小話として公開
※投票は終了しております。