及川の願い
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「ねぇねぇ、岩ちゃーん。」
練習の休みである月曜の放課後、スマホ片手に及川がやって来た。
相変わらずの軽いノリ。
このクソ暑い中、コイツの涼しげな顔見てるとイラッとくる。
どうせ、またろくでもないこと 言ってくるのだろう。
とりあえず、聞く耳を持つ俺は荷物を鞄にしまいながら、「何だ?」と短く返事をした。
「KOTOが管理人してるサイト、新連載開始したんだって。
それもウチじゃなくて、音駒っていう東京の高校が舞台の話。」
及川は仏頂面でそう言うと、俺にスマホの画面を見せる。
赤と黒と白をベースに猫のイラストが入ったページを黙ったまま見つめていると、
「どうしてウチじゃない!
主役は俺だろ?!
何で音駒?
何で黒尾?
KOTOは見る目がない!!
本当、腹立つーーー」
今にもスマホを握り潰しそうな勢いで管理人の悪口を並べ立てる。
あ……聞いてるだけで暑苦しい。
っていうか、及川主役なんて 俺的にどうでもいい。
「それに烏野の長編のタイトルも『若葉』とかって言葉入ってるじゃん、あれ どう考えても青葉城西っぽいし!
読者がウチの長編夢と間違えたら、どうすんだろ?」
「そんときはそんときだろ。
KOTOはネーミングセンスがねぇんだから。
だから 毎回、長編のタイトル ひねりねぇだろ。」
「岩ちゃん、何でそんな冷静なの?
そんなことじゃ、ウチの長編なんかいつまで経っても書いてもらえないんだよ?
悔しくないの?
噂じゃ、『次は梟谷にしようか?』とか言ってるらしいよ!」
そう言いながら、目にうっすらと涙を浮かべ、相手にしない俺の肩をポカポカと叩く。
コイツ、女子か……
あぁ、マジでうぜぇ。
「あーーーっ、俺に言うなっ!
そんなに話に出たかったら、管理人に直訴してこい。」
「えぇーー、俺が?
こういうのは岩ちゃんみたいな厳つい顔した人が威嚇しながら交渉した方が……」
今、聞き捨てならない発言された。
「あーん?
クソ及川、お前 今 何つった?!
誰が厳つい顔で威嚇するんだよ?」
椅子からゆっくりと立ち上がると、側に居た及川は殺気を察知したのか、
あっという間に教室から廊下へと走り出す。
「い、今!
ほら、そのこわーーい顔でさ、俺のこと威嚇してるじゃん。
それをKOTOにっ……」
「管理人の前にお前を絞めるっ!!」
ダッシュで及川の後を追うが逃げ足だけは異様に早く、不覚にも見失ってしまった。
後日、管理人から聞いた話によるとWeb拍手に『及川さんの出番を作ってあげてください』というコメントが入っていたらしい。
だが、管理人は及川の新作を書くのか、烏野長編夢のチョイ役で出すのか、
今の段階では全く構想にないそうだ。
2016.8.1
Web拍手お礼小話として公開
練習の休みである月曜の放課後、スマホ片手に及川がやって来た。
相変わらずの軽いノリ。
このクソ暑い中、コイツの涼しげな顔見てるとイラッとくる。
どうせ、またろくでもないこと 言ってくるのだろう。
とりあえず、聞く耳を持つ俺は荷物を鞄にしまいながら、「何だ?」と短く返事をした。
「KOTOが管理人してるサイト、新連載開始したんだって。
それもウチじゃなくて、音駒っていう東京の高校が舞台の話。」
及川は仏頂面でそう言うと、俺にスマホの画面を見せる。
赤と黒と白をベースに猫のイラストが入ったページを黙ったまま見つめていると、
「どうしてウチじゃない!
主役は俺だろ?!
何で音駒?
何で黒尾?
KOTOは見る目がない!!
本当、腹立つーーー」
今にもスマホを握り潰しそうな勢いで管理人の悪口を並べ立てる。
あ……聞いてるだけで暑苦しい。
っていうか、及川主役なんて 俺的にどうでもいい。
「それに烏野の長編のタイトルも『若葉』とかって言葉入ってるじゃん、あれ どう考えても青葉城西っぽいし!
読者がウチの長編夢と間違えたら、どうすんだろ?」
「そんときはそんときだろ。
KOTOはネーミングセンスがねぇんだから。
だから 毎回、長編のタイトル ひねりねぇだろ。」
「岩ちゃん、何でそんな冷静なの?
そんなことじゃ、ウチの長編なんかいつまで経っても書いてもらえないんだよ?
悔しくないの?
噂じゃ、『次は梟谷にしようか?』とか言ってるらしいよ!」
そう言いながら、目にうっすらと涙を浮かべ、相手にしない俺の肩をポカポカと叩く。
コイツ、女子か……
あぁ、マジでうぜぇ。
「あーーーっ、俺に言うなっ!
そんなに話に出たかったら、管理人に直訴してこい。」
「えぇーー、俺が?
こういうのは岩ちゃんみたいな厳つい顔した人が威嚇しながら交渉した方が……」
今、聞き捨てならない発言された。
「あーん?
クソ及川、お前 今 何つった?!
誰が厳つい顔で威嚇するんだよ?」
椅子からゆっくりと立ち上がると、側に居た及川は殺気を察知したのか、
あっという間に教室から廊下へと走り出す。
「い、今!
ほら、そのこわーーい顔でさ、俺のこと威嚇してるじゃん。
それをKOTOにっ……」
「管理人の前にお前を絞めるっ!!」
ダッシュで及川の後を追うが逃げ足だけは異様に早く、不覚にも見失ってしまった。
後日、管理人から聞いた話によるとWeb拍手に『及川さんの出番を作ってあげてください』というコメントが入っていたらしい。
だが、管理人は及川の新作を書くのか、烏野長編夢のチョイ役で出すのか、
今の段階では全く構想にないそうだ。
2016.8.1
Web拍手お礼小話として公開