語り・つぶやき

物語を作ること

2018/07/21 16:37
語り創作活動夢小説
 ※2017年8月に書いた記事です。

 夢小説とは?

 夢小説というものの存在を知ったのは、10年ほど前になるでしょうか。携帯電話が広く普及するようになり、ネットも活発化し始めた頃ですね。

 登場人物などの名前を自由に設定し、自分の好きな物語を書くことができる。まさしく「夢を見ることができる小説」。

 芸能人、漫画、ゲーム、アニメ、小説など、好きなキャラクターと自分、または自分が考えた主人公との物語を描く……

 私はそのように認識しております。

 これを読んでいるみなさんはどうでしょうか。

 夢小説なるものを自分で書くようになって3年になりますが、「これって本当に夢小説なんだろうか」と時々思います。

「私はこう思う」
「私だったら○○とこう接したい」
「こういう展開に持っていけたら面白いんじゃないか?」
「結果は同じでも、過程に救いを持たせたい」

 ……というようなことを考えて書いています。

 自分が考えた物語を、誰に咎められることなく自由に書けるのですから、確かにそれは「夢小説」と言えるのでしょう。

 でもそれって、書き手側の夢なのであって、読み手にとってはただの小説なのではないか?と思うんです。

 私が書いているDB×FFT長編なんて、まさにそれだと。主人公の容姿も名前も生い立ちもがっつり設定してあるし、名前変換機能って必要あるのか?と……

 ゲームの主人公に名前を付けるのと似てますよね。

 例えば有名なドラクエことドラゴンクエスト。

 シリーズほぼすべての主人公には決まった名前がなく、自分の自由に設定できます。

 それを「自分の分身」として扱い、自分の名前をつけるのか、それともその主人公の容姿や雰囲気を見て世界観に合わせた名前を付けるのか……

 私はいつも後者です。デフォルト名があるならそのまま変えずにプレイします。

 乙女ゲーもやったことはありますが、主人公の名前は自分ではなく、ゲームの世界観に合わせたものをつけています。

 だって、主人公の容姿とかだいたい決まっちゃってますし。口調やものの考え方も一致しませんしね。

 名前、誕生日、血液型……そういう設定を自分と同じにはできても、容姿や口調が決まっているのでやっぱりそれは「自分自身」ではない……

 何もかも細かく設定できたらいいんですが、それだとクリエイターさんは作るのものすごく大変でしょう。だからある程度容姿や口調が決まってしまうんでしょうね。

 夢小説もそうなってしまうと思うんです。

 文章だけで表現しなければいけないから、主人公を描くのがすごく難しい!

 「ご想像にお任せします」ってやると、読み手に「夢小説」としての機能を発揮することができますが、顔立ち、髪形などの描写がはっきりできない。性格も勝気なのか、おしとやかなのか、はっきりさせないとキャラクターとの関係性が描けない。

 「主人公はどうして○○のことを好きになったのか?」ということがわかりませんし、その逆もしかり。「○○は主人公のどこを気に入ったのか?」がわかりません。

 出会いから恋愛関係に至るまで、お互いどう捉えていたのか、それがわからないと感情移入ってできないと思うんです。

 例えばグラマラスな体型の女性が好みだという男性キャラクターがいたとします。
 そのキャラと主人公が恋人同士であるとした場合、ふたりはどういった経緯で付き合うことになったのか、という疑問が浮かび上がります。

①主人公はキャラ好みのナイスバディで、キャラが一目惚れした。キャラの猛アタックの末に付き合うことになった。
②主人公はナイスバディではないが、可愛くて性格が良く、そこにキャラが惚れた。

 この二つのパターンで物語が作れます。しかし突き詰めていけば、もっと広げることもできます。

 主人公の体型のパターン

パターン1:長身でなおかつ巨乳。
パターン2:長身だが胸の大きさは普通。
パターン3:長身で貧乳。
パターン4:平均的な身長だが巨乳。
パターン5:平均的な身長で胸の大きさも普通。
パターン6:平均的な身長で貧乳。
パターン7:小柄で巨乳。
パターン8:小柄だが胸の大きさは普通。
パターン9:小柄で貧乳。

 そこへ「主人公が自分の体型をどう認識しているか」を加えると、さらに細かいパターンが生まれます。

・自信を持っている。
・コンプレックスを抱いている。
・気にしていない。好みは人それぞれと割り切っている。

 主人公は自分に自信がある活発なタイプなのか、控えめで可愛らしいタイプなのか、クールで感情が読めないタイプなのか……

 それで相手となる男性キャラの主人公に対する認識も、かなり変わってきます。

 キャラから見た主人公

・「○○はモデル並みに背が高くて美人だ。でも胸が小さいのを気にしてるみたいだ。そんな風に悩んでる姿も可愛い」
・「○○はモデル並みに背が高くて美人な上に、胸も大きい。俺の理想のタイプだ」
・「○○は特に目立つところはないけど、可愛い子だ。一緒にいると安心する。「女は巨乳に限る」なんて言ってた俺はバカだった」
・「○○は童顔で小柄だけど、胸が大きい。いわゆるロリ巨乳だ。そのギャップがたまらない」
・「○○は童顔で少女体型だ。でも本人は気にしてないみたいだ。そのクールさが良い」

 ……などなど。考えだしたらきりがありません。一つのお話を書くだけで、これだけのパターンが生まれるのです。

 だから作り手としては、ある程度主人公の設定を固めてしまった方が書きやすくなるんです。

 構成力が優れた方は、どうにでも捉えられるよう、上手い文章を書かれるのでしょうが……私には難易度が高すぎます。

 なので、私が書いているものは厳密にいえば「自分にとっての」夢小説であり、「読み手にとって」の夢小説ではないのかもしれません。

 本当の夢小説ってどういうものなんでしょうか。
 まだまだ勉強不足だなぁと思う今日この頃。

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