桐山和雄と俺の関係
※
桐山がうちに来てからもう結構になる。
俺のHなビデオも雑誌も深夜番組も観ないので、女に興味がないのかな?と思っていた。
そしたら、ある日俺に、
「この写真に写っている者の、住所を知っているか?」 と、聞いてきた。
誰だろうと思って写真を見た。可愛いがぜんぜん知らない。
その女の子は桐山と同じ学校の制服を着ていた。
「知らないなあ」
「そうか……」と言って、桐山はごく静かに、小さくため息をひとつついた。
なんだ?好きな女の子なのか?と俺は聞いたが桐山は、
「いや……」
と言葉を濁しただけだった。
なんだってんだ?
そんだけ。
※
「いやあーやっぱ北川安奈って可愛いよなー」
人気女優が出演しているテレビドラマを見終えると、俺はそう言った。桐山はいつもの無表情で
「そうか。……最近充たちもよく言っているな」
と言った。相変わらずの第三者目線だ。……桐山は可愛いと思わないのか?
俺は以前見せられた写真の女の子のことが気になったので、俺はこれを機に女の子の話題を振ってみることにした。
「なあ、お前、好きな女の子のタイプとかってあるのか?芸能人なら誰が好みだ?グラビアアイドルとか、興味ないか?」
俺は女の子の特集が組まれている雑誌を見せた。
「……好きとか、そういうのはよくわからない」
桐山はビキニ姿のオネーチャンを見ても無反応だった。
……こいつに色仕掛けをするやつは、自爆するだけだな、と思った。
そんだけ。
※
好きな女のタイプといえば、こんな話がよくあるよな。
男の初恋ってのは、たいてい幼稚園の先生や母親だったりするんだ。
「ボク、大きくなったらお母さんと結婚する!」とか言っちゃったりしてさ。
女の子もお父さんが大好きだった場合、同じことを言うんだそうだ。
桐山、お前にもそんな時期があったんじゃないのか?お前のお母さんって、さぞかし美人なんだろうな。
「……(ピク……)」
桐山の目が虚ろになった。
……失言だった。
「ごめん、ごめんよ」
俺は泣きながらグラビア雑誌を破り捨てた。
そしてもう二度と桐山の前で好きな女の子の話をしないことを心に誓った。
それだけ。
桐山がうちに来てからもう結構になる。
俺のHなビデオも雑誌も深夜番組も観ないので、女に興味がないのかな?と思っていた。
そしたら、ある日俺に、
「この写真に写っている者の、住所を知っているか?」 と、聞いてきた。
誰だろうと思って写真を見た。可愛いがぜんぜん知らない。
その女の子は桐山と同じ学校の制服を着ていた。
「知らないなあ」
「そうか……」と言って、桐山はごく静かに、小さくため息をひとつついた。
なんだ?好きな女の子なのか?と俺は聞いたが桐山は、
「いや……」
と言葉を濁しただけだった。
なんだってんだ?
そんだけ。
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「いやあーやっぱ北川安奈って可愛いよなー」
人気女優が出演しているテレビドラマを見終えると、俺はそう言った。桐山はいつもの無表情で
「そうか。……最近充たちもよく言っているな」
と言った。相変わらずの第三者目線だ。……桐山は可愛いと思わないのか?
俺は以前見せられた写真の女の子のことが気になったので、俺はこれを機に女の子の話題を振ってみることにした。
「なあ、お前、好きな女の子のタイプとかってあるのか?芸能人なら誰が好みだ?グラビアアイドルとか、興味ないか?」
俺は女の子の特集が組まれている雑誌を見せた。
「……好きとか、そういうのはよくわからない」
桐山はビキニ姿のオネーチャンを見ても無反応だった。
……こいつに色仕掛けをするやつは、自爆するだけだな、と思った。
そんだけ。
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好きな女のタイプといえば、こんな話がよくあるよな。
男の初恋ってのは、たいてい幼稚園の先生や母親だったりするんだ。
「ボク、大きくなったらお母さんと結婚する!」とか言っちゃったりしてさ。
女の子もお父さんが大好きだった場合、同じことを言うんだそうだ。
桐山、お前にもそんな時期があったんじゃないのか?お前のお母さんって、さぞかし美人なんだろうな。
「……(ピク……)」
桐山の目が虚ろになった。
……失言だった。
「ごめん、ごめんよ」
俺は泣きながらグラビア雑誌を破り捨てた。
そしてもう二度と桐山の前で好きな女の子の話をしないことを心に誓った。
それだけ。