山賊討伐戦
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「馬超様~?」
生い茂る雑草を掻き分けて馬超さんを探す。色々話したいこと事があるのに、本人が居なければ話にならない
「何処に居ます───むぐっ!」
突如背後から口を塞がれる。体も拘束され中々身動きが取れない。人を捕縛する事を知り尽くしている立ち回りに只者ではないと察した
「部下共はやられちまったが、おめェだけでも売り払っちまえば少しは足しになんだろ…。おら!変な真似すんじゃねぇぞ…」
するりといやらしく身体のラインを伝い太腿に手を伸ばす男。心の中で殺意が芽生え、足に力が入った
「気色悪い事しないで!」
「颯閃に手を出すな!!!」
「ぬぉぉっ!」
男は倒れ、私は一緒に蹴りを入れた誰かの腕の中へ引っ張られる。ほのかに血の香りが染み付いている人を見上げると───
「馬超様……」
「…お前も、全て倒したと油断していたな。おあいこだ」
「…申し訳ございません。あの様に上からものを言ったあと、あのような醜態を晒し……」
「構わん、今の方が俺の理想だ。……少し、話をしないか」
「はい。私はそれが本題ですので」
「そうか」
馬超さんに連れられ来た場所は、暖かな陽射しが照らす木の幹だった。馬超さんが左腕を庇うように座り、右隣に私を誘う。私はその行動に甘え隣に座った
「…今回の件、俺は……深く、深く反省しよう。お前の事ばかり見て、周りの事が見えず、下手をすれば命を落としていたやもしれん。……それに、お前の事を女だからと舐めていた。気の強く、芯のある女だとは思っていたが………その、彼処まで強いとは思わなくてだな」
「言い訳ですよ。それ」
「ぐっ……だ、だが!これからは改める!人の言うことを聞けるように努力するし、颯閃を超えて俺がお前の背を守れる様にこれからも稽古をしていく。だから……」
だから、その次が出てこない。馬超さんの方を見ると、瞳が揺らいでいた
「だから……それまで!お前の横は空けていてくれないか……!」
「?私の横は何時でも空いてますよ?」
「そ、そうか!そうだな!俺は何時でも、狙っていくぞ!!」
正直馬超さんの言っていることが分からないが、きっとお前の右腕とかになってやるぞ!と同じことなんだろうと自己解釈し頷いた。嬉しそうに笑う馬超さんに先程のことが申し訳なくなってくる
「そ、そうだ颯閃!なにか約束をしよう!」
気まずい空気だと思ったのか、馬超さんは咄嗟にそう言った。私を少しばかり首を傾げ彼に返事を返す
「約束…ですか?」
「あぁ、約束だ!……ど、どんな約束事にしようか悩むな……」
約束をしたいと言うのに、一番肝心な約束の内容が決まっていないらしい。私は馬超さんらしくてつい笑ってしまった
「なっ!笑うな颯閃!俺は必死に考えてるんだぞ!」
「ふふ…だって、約束しようって言ったのに何も考えてないんだもの……ふふふっ」
「うぅっ…咄嗟に思いついた事だから考えてるわけ……はっ!そうだ!」
嬉しそうに私の手を掴みニカリと笑う馬超さん。不覚にも至近距離のため少し照れてしまった。イケメンめ……
「お前には俺の事をいつも通りの口調で話してほしい。俺を呼ぶ時馬超さんでも構わん。…ただ、今みたいにくだけた口調で話してくれると…俺は嬉しい」
「…それだけでいいの?」
「あぁ!俺はそれだけで嬉しいんだ!颯閃はどんな約束がいい?」
「…そうね、単独突破しようとしないで?周りにはちゃんと、貴方を支えようと努力している人が居るんだから」
「う、うむ……」
約束を取り付け小指を結ぶ。言葉はないけれど行動的にはこの時代からもあったみたい
「では颯閃、俺は単独突破をしない。お前は俺の事を馬超さんと呼び、くだけた口調で話す……。これで約束は成立だ。破ったら怒るぞ」
「ふふ、分かってるわよ。私こそ、約束を破ったら怒るんだから」
「あぁ!」
先程までの空気が嘘のように笑い合う。法正さんともこの調子になれるといいんだけど…
《馬超視点》
「じゃぁ、私はそろそろ行くわね」
「なっ、もう行くのか?」
「もう一人、話し合わなきゃならない人がいるから」
颯閃が優しく話した時、俺の頭の中にはあの時一緒に怒られた法正の顔が浮かんだ。彼奴は恩を売られたと言っていたが…悪いことはしないだろう
でも、人生を共にしたいと思った女を他の男の元へ易々と行かせる訳には行かない
「…お前は、他の奴とも話してくるんだろ?」
「あら、分かっちゃった?」
「お前が誰かを孤立させるような奴ではないとここ数日で理解したからな。行ってこい、ちゃんと帰ってこいよ」
「ふふ、お父さんみたいね…じゃぁね」
「あぁ!」
元気に手を振って木々の奥へと消えた颯閃に、俺はポツリと呟く
「お父さん……か」
俺は、颯閃の父の様な感覚なのだろうか。それは、危機的状況だ。…だが!必ずや颯閃の横を独占し、俺と婚約をして……子も、設けたい!その為には今の状況を打破しなくては!
「颯閃…。お前に意識してもらえるように、俺は頑張るからな…」
法正の所へ行ってしまった颯閃に向け言葉を残す。颯閃…俺はお前の事を、ずっと、愛しているからな…
生い茂る雑草を掻き分けて馬超さんを探す。色々話したいこと事があるのに、本人が居なければ話にならない
「何処に居ます───むぐっ!」
突如背後から口を塞がれる。体も拘束され中々身動きが取れない。人を捕縛する事を知り尽くしている立ち回りに只者ではないと察した
「部下共はやられちまったが、おめェだけでも売り払っちまえば少しは足しになんだろ…。おら!変な真似すんじゃねぇぞ…」
するりといやらしく身体のラインを伝い太腿に手を伸ばす男。心の中で殺意が芽生え、足に力が入った
「気色悪い事しないで!」
「颯閃に手を出すな!!!」
「ぬぉぉっ!」
男は倒れ、私は一緒に蹴りを入れた誰かの腕の中へ引っ張られる。ほのかに血の香りが染み付いている人を見上げると───
「馬超様……」
「…お前も、全て倒したと油断していたな。おあいこだ」
「…申し訳ございません。あの様に上からものを言ったあと、あのような醜態を晒し……」
「構わん、今の方が俺の理想だ。……少し、話をしないか」
「はい。私はそれが本題ですので」
「そうか」
馬超さんに連れられ来た場所は、暖かな陽射しが照らす木の幹だった。馬超さんが左腕を庇うように座り、右隣に私を誘う。私はその行動に甘え隣に座った
「…今回の件、俺は……深く、深く反省しよう。お前の事ばかり見て、周りの事が見えず、下手をすれば命を落としていたやもしれん。……それに、お前の事を女だからと舐めていた。気の強く、芯のある女だとは思っていたが………その、彼処まで強いとは思わなくてだな」
「言い訳ですよ。それ」
「ぐっ……だ、だが!これからは改める!人の言うことを聞けるように努力するし、颯閃を超えて俺がお前の背を守れる様にこれからも稽古をしていく。だから……」
だから、その次が出てこない。馬超さんの方を見ると、瞳が揺らいでいた
「だから……それまで!お前の横は空けていてくれないか……!」
「?私の横は何時でも空いてますよ?」
「そ、そうか!そうだな!俺は何時でも、狙っていくぞ!!」
正直馬超さんの言っていることが分からないが、きっとお前の右腕とかになってやるぞ!と同じことなんだろうと自己解釈し頷いた。嬉しそうに笑う馬超さんに先程のことが申し訳なくなってくる
「そ、そうだ颯閃!なにか約束をしよう!」
気まずい空気だと思ったのか、馬超さんは咄嗟にそう言った。私を少しばかり首を傾げ彼に返事を返す
「約束…ですか?」
「あぁ、約束だ!……ど、どんな約束事にしようか悩むな……」
約束をしたいと言うのに、一番肝心な約束の内容が決まっていないらしい。私は馬超さんらしくてつい笑ってしまった
「なっ!笑うな颯閃!俺は必死に考えてるんだぞ!」
「ふふ…だって、約束しようって言ったのに何も考えてないんだもの……ふふふっ」
「うぅっ…咄嗟に思いついた事だから考えてるわけ……はっ!そうだ!」
嬉しそうに私の手を掴みニカリと笑う馬超さん。不覚にも至近距離のため少し照れてしまった。イケメンめ……
「お前には俺の事をいつも通りの口調で話してほしい。俺を呼ぶ時馬超さんでも構わん。…ただ、今みたいにくだけた口調で話してくれると…俺は嬉しい」
「…それだけでいいの?」
「あぁ!俺はそれだけで嬉しいんだ!颯閃はどんな約束がいい?」
「…そうね、単独突破しようとしないで?周りにはちゃんと、貴方を支えようと努力している人が居るんだから」
「う、うむ……」
約束を取り付け小指を結ぶ。言葉はないけれど行動的にはこの時代からもあったみたい
「では颯閃、俺は単独突破をしない。お前は俺の事を馬超さんと呼び、くだけた口調で話す……。これで約束は成立だ。破ったら怒るぞ」
「ふふ、分かってるわよ。私こそ、約束を破ったら怒るんだから」
「あぁ!」
先程までの空気が嘘のように笑い合う。法正さんともこの調子になれるといいんだけど…
《馬超視点》
「じゃぁ、私はそろそろ行くわね」
「なっ、もう行くのか?」
「もう一人、話し合わなきゃならない人がいるから」
颯閃が優しく話した時、俺の頭の中にはあの時一緒に怒られた法正の顔が浮かんだ。彼奴は恩を売られたと言っていたが…悪いことはしないだろう
でも、人生を共にしたいと思った女を他の男の元へ易々と行かせる訳には行かない
「…お前は、他の奴とも話してくるんだろ?」
「あら、分かっちゃった?」
「お前が誰かを孤立させるような奴ではないとここ数日で理解したからな。行ってこい、ちゃんと帰ってこいよ」
「ふふ、お父さんみたいね…じゃぁね」
「あぁ!」
元気に手を振って木々の奥へと消えた颯閃に、俺はポツリと呟く
「お父さん……か」
俺は、颯閃の父の様な感覚なのだろうか。それは、危機的状況だ。…だが!必ずや颯閃の横を独占し、俺と婚約をして……子も、設けたい!その為には今の状況を打破しなくては!
「颯閃…。お前に意識してもらえるように、俺は頑張るからな…」
法正の所へ行ってしまった颯閃に向け言葉を残す。颯閃…俺はお前の事を、ずっと、愛しているからな…
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