山賊討伐戦
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川にたどり着き取り敢えず水分補給。他のみんなはそれぞれ自分の思い通りに動いており、周りには人影は無い
「はぁ……まさかここで怒る日が来るなんて……」
周りに誰も居ないことを確認してフェイスヴェールを取る。かすり傷は無いが、返り血は浴びておりそこを洗う。ヌメヌメドロドロしてたから…ね?
「ふぅ…これでよし。綺麗になったわね」
綺麗に血が取れた掌を見つめぼんやりと先程の事を思い出す。宙に舞い、私に飛び散る鮮血は鉄臭く、とても耐えられるものじゃないだろうけど…でも。慣れというものは案外人を強くしてくれるようだ
最初こそ私は血に恐怖を覚えていた。兵士達が傷付いていて、居てもたってもいられなくて。でも、皆は「いつもの事だから」と笑う。それが苦しくて、辛くて、胸が張り裂けそうで
でも、それは仲間だけ。敵になったらきっと何とも思わず、今のように切り殺せる。きっと、残忍なやり方でも私は出来てしまうだろう
それが『慣れ』というものだ
「颯閃殿」
「諸葛亮様……」
「…貴方は、このように美しいお顔をしていたのですね…」
「!すみません。いま隠します」
「隠せなど言っていません…。今は、私にその顔を見せていて下さい」
「は、はい……」
ニコリと笑って私の横に座る諸葛亮さん。この人もきっと一人になりたいだろうに、態々私に話しかけてくれたんだろうと思うと、なんだか申し訳なってきた
「…あの、何か御用ですか?なければ…その、お一人のお時間も欲しいでしょうし……」
「いえ、私は貴方と過ごしたいのです。…駄目ですか?」
「駄目という程では……。只、私といるより1人の方が楽しいのではと…」
先ほどのこともあり少々私は周りからちょっと線を引いている。やり過ぎたと思う反面、私は悪くなかったと思っているからだろう
「…もし、あの時のことを気にしているならば貴方は悪くない……。貴方は正論を言ったのです。私も言えなかった正しき言葉を」
「…それが、相手を傷つけた場合はどうしたらいいのでしょう」
「そうですね…。あの二人が、あの程度で傷つく程柔な心はしていないでしょうが…。…それでも気になるなら、自分からきっちり話をつければ良いのです。それで相手が傷ついているようなら、言い方が悪かったと謝ればいい」
優しく微笑み私に助言してくれる諸葛亮さん。この人は最初こそ私を警戒していたのに、今ではこんなに優しくしてくれる。これが作戦かもしれない。でも……今は……
「…そうですね、そうします」
その優しい言葉に、従おうと思う。この人の言葉は優しい様で裏に何かあると私は思っているけれど、それは全部蜀軍の為だろうから
「……颯閃殿」
「はい、なんでしょう」
「…貴女は、私が蜀軍と魏軍との友好の為にこの話をした訳ではありませんよ?」
「?ではなぜ…」
そう言うと口を閉じ、遠くを見つめだした。いうつもりは無い…という事だろう。私はそう解釈し、立ち上がった
「何処へ?」
「先程怒ってしまった二人の元へ。只怒ってばかりでは気持ちも伝わりませんから」
「……お待ちなさい」
背を向けようとした途端ポフッと手に乗せられた何か。それは私のフェイスヴェールとは違った、緑色のフェイスヴェール
「これは…?」
「貴方の付けていたその顔を覆う布よりも…私が見つけたこの布の方がお似合いだと思いまして。魏軍に帰るまではそれを。少々切れ込みが入っておりますし、こちらの方が良いでしょう」
「…ありがとうございます」
私は新しいフェイスヴェールを付ける。視界はうっすらと森の木々の様に緑に包まれた
「お似合いですよ。颯閃殿」
「有難うございます。…では」
「はい」
今度こそ背を向けてどこにいるかわからない二人の元へ歩む。二人には、しっかり説明しないと
《諸葛亮視点》
「……行ってしまいましたね……」
先程怒った二人の元へ行ってしまった颯閃殿。本当は……もっと、側にいて欲しかったのですが……
「…我ながら、呆れたものですね……」
顔を見て惚れた訳では無い。あの時の覚悟…危機に陥っても自らを矛とし前線に堂々現れるあの姿。私はあの方の『全て』に魅了された。もう、きっとあの方に私は牙は向けないだろう
「困った者です……。魏延が頭を垂れるのも分かります」
辛辣な言葉の中にある優しさと温もり。あれはきっと、深に触れてしまえば忽ち下僕と成り下がる甘美な媚薬同然。……あぁ、言葉1つ1つで男を落とすとは、なんとも危険で、魅惑的で、尊き人
貴方のそれを知った人は……闇を抱えた者ならば、『堕ちて』しまうでしょうね。貴方という、底無しの泉に
それでも構わないと思ってしまう程に貴方は魅力的な方なのですよ、颯閃殿……。それに気付く頃には、周りの男性はきっと……
そう思ってしまうだけで胸がざわつく。私がこんな気持ちにさせられるなんて…。あぁ、貴方を落とす策が頭の中で混雑して何が何だか分からなくなってしまいそう。本当に、貴女は悪い人だ……
「はぁ……まさかここで怒る日が来るなんて……」
周りに誰も居ないことを確認してフェイスヴェールを取る。かすり傷は無いが、返り血は浴びておりそこを洗う。ヌメヌメドロドロしてたから…ね?
「ふぅ…これでよし。綺麗になったわね」
綺麗に血が取れた掌を見つめぼんやりと先程の事を思い出す。宙に舞い、私に飛び散る鮮血は鉄臭く、とても耐えられるものじゃないだろうけど…でも。慣れというものは案外人を強くしてくれるようだ
最初こそ私は血に恐怖を覚えていた。兵士達が傷付いていて、居てもたってもいられなくて。でも、皆は「いつもの事だから」と笑う。それが苦しくて、辛くて、胸が張り裂けそうで
でも、それは仲間だけ。敵になったらきっと何とも思わず、今のように切り殺せる。きっと、残忍なやり方でも私は出来てしまうだろう
それが『慣れ』というものだ
「颯閃殿」
「諸葛亮様……」
「…貴方は、このように美しいお顔をしていたのですね…」
「!すみません。いま隠します」
「隠せなど言っていません…。今は、私にその顔を見せていて下さい」
「は、はい……」
ニコリと笑って私の横に座る諸葛亮さん。この人もきっと一人になりたいだろうに、態々私に話しかけてくれたんだろうと思うと、なんだか申し訳なってきた
「…あの、何か御用ですか?なければ…その、お一人のお時間も欲しいでしょうし……」
「いえ、私は貴方と過ごしたいのです。…駄目ですか?」
「駄目という程では……。只、私といるより1人の方が楽しいのではと…」
先ほどのこともあり少々私は周りからちょっと線を引いている。やり過ぎたと思う反面、私は悪くなかったと思っているからだろう
「…もし、あの時のことを気にしているならば貴方は悪くない……。貴方は正論を言ったのです。私も言えなかった正しき言葉を」
「…それが、相手を傷つけた場合はどうしたらいいのでしょう」
「そうですね…。あの二人が、あの程度で傷つく程柔な心はしていないでしょうが…。…それでも気になるなら、自分からきっちり話をつければ良いのです。それで相手が傷ついているようなら、言い方が悪かったと謝ればいい」
優しく微笑み私に助言してくれる諸葛亮さん。この人は最初こそ私を警戒していたのに、今ではこんなに優しくしてくれる。これが作戦かもしれない。でも……今は……
「…そうですね、そうします」
その優しい言葉に、従おうと思う。この人の言葉は優しい様で裏に何かあると私は思っているけれど、それは全部蜀軍の為だろうから
「……颯閃殿」
「はい、なんでしょう」
「…貴女は、私が蜀軍と魏軍との友好の為にこの話をした訳ではありませんよ?」
「?ではなぜ…」
そう言うと口を閉じ、遠くを見つめだした。いうつもりは無い…という事だろう。私はそう解釈し、立ち上がった
「何処へ?」
「先程怒ってしまった二人の元へ。只怒ってばかりでは気持ちも伝わりませんから」
「……お待ちなさい」
背を向けようとした途端ポフッと手に乗せられた何か。それは私のフェイスヴェールとは違った、緑色のフェイスヴェール
「これは…?」
「貴方の付けていたその顔を覆う布よりも…私が見つけたこの布の方がお似合いだと思いまして。魏軍に帰るまではそれを。少々切れ込みが入っておりますし、こちらの方が良いでしょう」
「…ありがとうございます」
私は新しいフェイスヴェールを付ける。視界はうっすらと森の木々の様に緑に包まれた
「お似合いですよ。颯閃殿」
「有難うございます。…では」
「はい」
今度こそ背を向けてどこにいるかわからない二人の元へ歩む。二人には、しっかり説明しないと
《諸葛亮視点》
「……行ってしまいましたね……」
先程怒った二人の元へ行ってしまった颯閃殿。本当は……もっと、側にいて欲しかったのですが……
「…我ながら、呆れたものですね……」
顔を見て惚れた訳では無い。あの時の覚悟…危機に陥っても自らを矛とし前線に堂々現れるあの姿。私はあの方の『全て』に魅了された。もう、きっとあの方に私は牙は向けないだろう
「困った者です……。魏延が頭を垂れるのも分かります」
辛辣な言葉の中にある優しさと温もり。あれはきっと、深に触れてしまえば忽ち下僕と成り下がる甘美な媚薬同然。……あぁ、言葉1つ1つで男を落とすとは、なんとも危険で、魅惑的で、尊き人
貴方のそれを知った人は……闇を抱えた者ならば、『堕ちて』しまうでしょうね。貴方という、底無しの泉に
それでも構わないと思ってしまう程に貴方は魅力的な方なのですよ、颯閃殿……。それに気付く頃には、周りの男性はきっと……
そう思ってしまうだけで胸がざわつく。私がこんな気持ちにさせられるなんて…。あぁ、貴方を落とす策が頭の中で混雑して何が何だか分からなくなってしまいそう。本当に、貴女は悪い人だ……