厄介な軍団との戦い
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「只今帰還致しました…」
「颯閃、よく帰ってき…た……」
迎えに来てくれた夏侯惇さんが固まった。理由はわかるほんと申し訳ない
「つっ、連れてきたのか颯閃!?」
「も、申し訳ございません!曹操様とお話がしたいと言うので理由もあり……」
「孟徳が危険だとは思わなかったのか!たく……夏侯覇、お前もだぞ…」
「すみません…でも、颯閃さんがいたら手は出せませんよ」
「?どういう事だ?」
「それは…」
夏侯覇君と夏侯惇さんがコソコソと話す中、待機する事になった五人(呂布さん、張遼さん、陳宮さん、女性二人)には外で座れるように折り畳みの椅子と机を用意してお茶を出させてもらった
「…行動が早いな」
「一応お客人ですから」
「そうか……」
しみじみとお茶を飲む呂布さんに続き他の人たちもお茶を飲み始める。美味しかったのかちょっと申し訳なさそうにお代わりを求めてくる張遼さんが印象深かった
「あ、ちょっとお茶の他にも何かお出ししますね」
「そんな、我々は急に来た故お茶だけでも大変嬉しいものを、他にも出されては申し訳が…」
「そうですか?それなら…」
「颯閃、少しいいか」
お腹すいたとか言わないと肉まんは出すのやめておこうと思った時、夏侯惇さんが話しかけてきた。直ぐに返事をして彼に近づくと、コソッと小さな声で話をし始めた
「颯閃、お前はあの鬼神呂布と知り合いなのか…?」
「知り合いと言いますか、以前虎牢関でばったりお会いして…。徐晃様を救援する際に少し交戦を…」
「あの男とか!?無謀な事をしよって………颯閃、夏侯覇から聞いたが、体調の方はもういいらしいな」
「はい。なんだか朝急に良くなりました」
「そうか……そうか 」
夏侯惇さんが一人モードに入ったのでお茶のなくなった様子の銀髪の綺麗な女性にお茶を注いだ。顔真っ赤でそっと湯呑みを渡してくれたのが可愛い。お名前なんて言うんだろう
「玲綺、気分はどうだ」
「父上、私は平気です。ですが、今まで呪いに掛かっていた颯閃殿が…」
「え、私?」
玲綺という方は私を心配そうな表情で見上げていた。この通り体調はバッチリですと袖を巻くって元気アピールしたらやんわり笑ってくれて「それなら良かった」と言ってくれた。やばい惚れそう
「呂布を連れてくるとは、颯閃は斜め上の考えを持つな」
「そ、曹操様!」
「孟徳……あれ程城の中に居ろと…」
「呂布が来たとなれば話をせねばなるまい。颯閃、お主は女官達に客室の清掃をもう一度行うよう伝えてきてくれぬか」
「畏まりました」
曹操さんに頼まれたのでその場を離れ、女官さん達にお話していく。曹操さんの部屋からは遠い所を選んでおこう。備えあれば憂いなしである
「女官様方、曹操様からの言いつけにより客室を5つ程再度清掃を、との事です。お願い致します」
「かしこまりました、すぐに確認等済ませて参ります」
女官さん達には知らせたので取り敢えず呂布さん達がいる戻った。何してるかなぁとか、そんな軽い気持ちで言った訳では無い。報告は大事である
「颯閃、女官達に伝えてきたか?」
「はい、滞りなく。終わり次第こちらに伝達してくるかと思いますのでお待ちいただければと」
「ん、わかった」
曹操さんはなにやら呂布さんと交渉(?)中なので夏侯惇さんに報告。さぁて、仕事に戻るかな?なんて思いながらクルっと踵を返して城の中に戻ろうとすると────
「颯閃よ、お主の作る酒を呂布にも振舞ってはくれぬか。今後の友好の証にでもしたいのだが」
「私が作る酒でよければ喜んで。では、少々お待ちください」
左掌に右拳を合わせその場で礼をすると私は急いで自室(楽進の部屋)に向かった。多分楽進驚くんだろうけど、悟ってね
「楽進様、失礼致します」
「姉上、今は大丈夫ですよ。どうなさったんですか?」
「曹操様からのお酒の催促よ」
「あぁ……この時間からですか?」
「客人が来てるから仕方ないわ。まぁ、どうせ曹操様も飲むんだろうけど」
楽進と話しながら必要な器材と材料を集めて、親しき仲にも礼儀ありなので一礼をして部屋を退室した。今度楽進にも作ってあげなきゃ
「お待たせ致しました、すぐお作り致しますのでもう暫くお待ちください」
「構わぬ。呂布よ、颯閃の作る酒は珍しくとても美味いのだ。酒は強かろう?きっと楽しめるぞ」
「…そうか」
なんだか丸くなってるような気もする呂布さんに社交的笑顔を見せてカクテル作り開始。呂布さんにはアンバサダー、曹操さんには日頃の感謝を込めてラモンジンフィズを作ることにした。アンダサバーは『好感』、ラモンジンフィズは勿論『感謝』だ
「……」
「………」
カクテルを作る際、視線が手元に集める。夏侯惇さんには作ったことないし、呂布さん達も初めて見るものだろうから余計に。この視線……耐え難い
「…出来ました。こちらが呂布様方にお作りした物で、こちらが曹操様にお作りしたものです」
「うむ、ご苦労。さぁ、飲んでみてくれ。とても美味いのだ」
曹操さんが自分用に作ってもらったお酒を一口ずつ味わって飲み、呂布さん達にも勧める。呂布さん以外は少し警戒していたようだけど、呂布さんが普通にタンプラーを掴んで飲み始めた。私はそんな事言われてもしないけど、毒とか入ってないのかとか疑わないのだろうか
「…何時もの酒より度が強いか…?」
「はい。私の実家でお作りさせてもらっている『カクテル』というもので、種類だけでも沢山あるんです」
「そうか………美味い」
「有難う御座います」
呂布さんが絶賛してくれたお陰で呂布さんが飲み始めてあたふたしてた残りの4人もちびちびとだけど飲んでくれた。いや、張遼さんは凄い勢いで飲んでるけども
「颯閃殿、沢山種類があるということは他にも…?」
「はい、他にも。今回はカクテルに付けられている言葉に沿ってお作りさせて頂きました」
「言葉…?」
「呂布様方にお作り致しましたのは『好感』……これからの友好の証としてという事で、私からの印象も踏まえて。曹操様にお作り致しましたのは『感謝』。日頃城に努めさせて頂いておりますので、その感謝を」
「颯閃…!」
一瞬だけ子供のように嬉しそうな顔をした曹操さんだけど、すぐに気がついてふっと元の威厳あるお顔に戻った。呂布さん達はその顔を見ていなかったのかお酒に夢中になっている。良かった…
「では颯閃、そろそろ────」
曹操さんがなにか言おうとした瞬間、大きな足音が鳴り響いた。しかもそれは素早く、こちらに近づいてきている
「待て策!客人が来ていると言っていただろう!!」
「颯閃~!怪我ねぇかァァァァ!」
「きゃぁぁぁぁっ!?!?」
私が帰ってきたとどこから話を聞いてきたのか、孫策さんが勢いよく迫ってきた。勢い余ってすぐ近くにいてとっても大きな呂布さんの背中に隠れてしまったけど文句は言えない
「ちょ、隠れんなよ颯閃!呂布は退け!」
「…………」
「?聞いてんのか?おーい!」
「?呂布様…?」
なんの反応も示さない呂布さんに私からも話しかけてみるも無言、どうしたんだろうと背中から離れて見ると、すぐに呂布さんの鋭い眼光がこっちに向いた
「ひえっ……あ、あの、勝手に背中に隠れてしまってすみませ─────」
「颯閃!」
「ひゃい!!」
謝ろうとしてたらいきなり大きな声で呼ばれて声が裏返ってしまった。でも、それは気にしない感じで話を続けようとしている
「…俺はお前の信頼に足る男か」
「え?」
「今、お前が俺の背に隠れたということはお前は俺に信頼を寄せているということか」
「呂布様は大きくてまるで壁のようで─────」
「壁のように頑丈な信頼があると!」
「え!?」
呂布さんの全く噛み合わない話に眉間にシワがよってしまう。呂布さんはそれをどう受け取ったのか、なぜか私を担ぎ始めた
「えっ、ちょ、え!?!?」
「わかった…俺がお前を守りきる!結婚を前提にお前の部下となってやろう!」
「へ!?!?」
「な、何を言い出すのですか呂布殿!その者は、その者は一介の文官ですぞ!?!?」
「そ、そうですよ呂布様!私はそこら辺にいるただの村出身の見習い文官ですよ!そんなの娶ったっていい事ないですって!」
「何を言う!お前の礼儀作法、そこらの村で教われる程のものでは無い!」
「か、夏侯惇様ー!」
ふんふんとやる気に漲っている呂布さんと、それを止めようとする呂布軍団の方々を他所に一番応戦できそうな夏侯惇さんに助けを求める。呂布さんに警戒して武器を持っていたからすぐに攻撃態勢に入ってくれた
「呂布!颯閃を離せ!さもなくば…!」
「ふん!お前如きの相手をしている暇はない!颯閃!お前の心が落ち着くまでどこか静かな場所に移動するぞ!」
「え!?ちょ、下ろしてください呂布様!」
呂布さんは私の事なんてつゆ知らずで赤兎馬を呼びそのまま逃亡。張遼さん達も遅れて馬に乗って追いかけてきたけど、張遼さん、貴方なんでそんなに嬉しそうにウキウキワクワクしているの?
「りょ、呂布様…この体勢しんどいです…」
「!すまない颯閃、怪我はないか」
「怪我はないです…」
「そうか、それなら良かった」
良くないんですけど?なんて言えなくて、私はそのまま呂布さんの前に横座りで座らされた。呂布さんってこんなに優しい人だったかしら?なんて疑問に思っても口には出せないし、私の気の所為かも知れないしでもう何も言えない
「そうだ、どこかの城を奪い取りそこで婚をするぞ!いつまでもさ迷っていては天下統一も夢のまた夢だろうからな」
「えっ…?」
「なんだ、不満か?」
「不満ありまくりですが?というか、下ろしてください!」
「却下だ、俺はお前を嫁に迎える!その為にも城が必要で、その城でお前と暮らしていくのだ」
「私は認めてないです!下ろしてください!」
「…そこまで言うか」
うーん、と眉間に皺を寄せた呂布さんが、いいことを思いついたと言う顔になった瞬間嫌な予感。そしてその予感は見事に命中した
「赤兎馬で全力疾走すればお前も下りめまい!目指すは下邳の城だ!ここから近いからな!」
「ひゃーっ!ごめんなさい下邳の人ー!」
多分私が原因でこうなっているので、全力で今から攻め入るであろう下邳の人達に謝罪しておいた。というか、なんでこんなに私を娶ろうとするの?こんなに美人で美しい踊り子さん近くにいるのに………
「颯閃、よく帰ってき…た……」
迎えに来てくれた夏侯惇さんが固まった。理由はわかるほんと申し訳ない
「つっ、連れてきたのか颯閃!?」
「も、申し訳ございません!曹操様とお話がしたいと言うので理由もあり……」
「孟徳が危険だとは思わなかったのか!たく……夏侯覇、お前もだぞ…」
「すみません…でも、颯閃さんがいたら手は出せませんよ」
「?どういう事だ?」
「それは…」
夏侯覇君と夏侯惇さんがコソコソと話す中、待機する事になった五人(呂布さん、張遼さん、陳宮さん、女性二人)には外で座れるように折り畳みの椅子と机を用意してお茶を出させてもらった
「…行動が早いな」
「一応お客人ですから」
「そうか……」
しみじみとお茶を飲む呂布さんに続き他の人たちもお茶を飲み始める。美味しかったのかちょっと申し訳なさそうにお代わりを求めてくる張遼さんが印象深かった
「あ、ちょっとお茶の他にも何かお出ししますね」
「そんな、我々は急に来た故お茶だけでも大変嬉しいものを、他にも出されては申し訳が…」
「そうですか?それなら…」
「颯閃、少しいいか」
お腹すいたとか言わないと肉まんは出すのやめておこうと思った時、夏侯惇さんが話しかけてきた。直ぐに返事をして彼に近づくと、コソッと小さな声で話をし始めた
「颯閃、お前はあの鬼神呂布と知り合いなのか…?」
「知り合いと言いますか、以前虎牢関でばったりお会いして…。徐晃様を救援する際に少し交戦を…」
「あの男とか!?無謀な事をしよって………颯閃、夏侯覇から聞いたが、体調の方はもういいらしいな」
「はい。なんだか朝急に良くなりました」
「そうか……そうか 」
夏侯惇さんが一人モードに入ったのでお茶のなくなった様子の銀髪の綺麗な女性にお茶を注いだ。顔真っ赤でそっと湯呑みを渡してくれたのが可愛い。お名前なんて言うんだろう
「玲綺、気分はどうだ」
「父上、私は平気です。ですが、今まで呪いに掛かっていた颯閃殿が…」
「え、私?」
玲綺という方は私を心配そうな表情で見上げていた。この通り体調はバッチリですと袖を巻くって元気アピールしたらやんわり笑ってくれて「それなら良かった」と言ってくれた。やばい惚れそう
「呂布を連れてくるとは、颯閃は斜め上の考えを持つな」
「そ、曹操様!」
「孟徳……あれ程城の中に居ろと…」
「呂布が来たとなれば話をせねばなるまい。颯閃、お主は女官達に客室の清掃をもう一度行うよう伝えてきてくれぬか」
「畏まりました」
曹操さんに頼まれたのでその場を離れ、女官さん達にお話していく。曹操さんの部屋からは遠い所を選んでおこう。備えあれば憂いなしである
「女官様方、曹操様からの言いつけにより客室を5つ程再度清掃を、との事です。お願い致します」
「かしこまりました、すぐに確認等済ませて参ります」
女官さん達には知らせたので取り敢えず呂布さん達がいる戻った。何してるかなぁとか、そんな軽い気持ちで言った訳では無い。報告は大事である
「颯閃、女官達に伝えてきたか?」
「はい、滞りなく。終わり次第こちらに伝達してくるかと思いますのでお待ちいただければと」
「ん、わかった」
曹操さんはなにやら呂布さんと交渉(?)中なので夏侯惇さんに報告。さぁて、仕事に戻るかな?なんて思いながらクルっと踵を返して城の中に戻ろうとすると────
「颯閃よ、お主の作る酒を呂布にも振舞ってはくれぬか。今後の友好の証にでもしたいのだが」
「私が作る酒でよければ喜んで。では、少々お待ちください」
左掌に右拳を合わせその場で礼をすると私は急いで自室(楽進の部屋)に向かった。多分楽進驚くんだろうけど、悟ってね
「楽進様、失礼致します」
「姉上、今は大丈夫ですよ。どうなさったんですか?」
「曹操様からのお酒の催促よ」
「あぁ……この時間からですか?」
「客人が来てるから仕方ないわ。まぁ、どうせ曹操様も飲むんだろうけど」
楽進と話しながら必要な器材と材料を集めて、親しき仲にも礼儀ありなので一礼をして部屋を退室した。今度楽進にも作ってあげなきゃ
「お待たせ致しました、すぐお作り致しますのでもう暫くお待ちください」
「構わぬ。呂布よ、颯閃の作る酒は珍しくとても美味いのだ。酒は強かろう?きっと楽しめるぞ」
「…そうか」
なんだか丸くなってるような気もする呂布さんに社交的笑顔を見せてカクテル作り開始。呂布さんにはアンバサダー、曹操さんには日頃の感謝を込めてラモンジンフィズを作ることにした。アンダサバーは『好感』、ラモンジンフィズは勿論『感謝』だ
「……」
「………」
カクテルを作る際、視線が手元に集める。夏侯惇さんには作ったことないし、呂布さん達も初めて見るものだろうから余計に。この視線……耐え難い
「…出来ました。こちらが呂布様方にお作りした物で、こちらが曹操様にお作りしたものです」
「うむ、ご苦労。さぁ、飲んでみてくれ。とても美味いのだ」
曹操さんが自分用に作ってもらったお酒を一口ずつ味わって飲み、呂布さん達にも勧める。呂布さん以外は少し警戒していたようだけど、呂布さんが普通にタンプラーを掴んで飲み始めた。私はそんな事言われてもしないけど、毒とか入ってないのかとか疑わないのだろうか
「…何時もの酒より度が強いか…?」
「はい。私の実家でお作りさせてもらっている『カクテル』というもので、種類だけでも沢山あるんです」
「そうか………美味い」
「有難う御座います」
呂布さんが絶賛してくれたお陰で呂布さんが飲み始めてあたふたしてた残りの4人もちびちびとだけど飲んでくれた。いや、張遼さんは凄い勢いで飲んでるけども
「颯閃殿、沢山種類があるということは他にも…?」
「はい、他にも。今回はカクテルに付けられている言葉に沿ってお作りさせて頂きました」
「言葉…?」
「呂布様方にお作り致しましたのは『好感』……これからの友好の証としてという事で、私からの印象も踏まえて。曹操様にお作り致しましたのは『感謝』。日頃城に努めさせて頂いておりますので、その感謝を」
「颯閃…!」
一瞬だけ子供のように嬉しそうな顔をした曹操さんだけど、すぐに気がついてふっと元の威厳あるお顔に戻った。呂布さん達はその顔を見ていなかったのかお酒に夢中になっている。良かった…
「では颯閃、そろそろ────」
曹操さんがなにか言おうとした瞬間、大きな足音が鳴り響いた。しかもそれは素早く、こちらに近づいてきている
「待て策!客人が来ていると言っていただろう!!」
「颯閃~!怪我ねぇかァァァァ!」
「きゃぁぁぁぁっ!?!?」
私が帰ってきたとどこから話を聞いてきたのか、孫策さんが勢いよく迫ってきた。勢い余ってすぐ近くにいてとっても大きな呂布さんの背中に隠れてしまったけど文句は言えない
「ちょ、隠れんなよ颯閃!呂布は退け!」
「…………」
「?聞いてんのか?おーい!」
「?呂布様…?」
なんの反応も示さない呂布さんに私からも話しかけてみるも無言、どうしたんだろうと背中から離れて見ると、すぐに呂布さんの鋭い眼光がこっちに向いた
「ひえっ……あ、あの、勝手に背中に隠れてしまってすみませ─────」
「颯閃!」
「ひゃい!!」
謝ろうとしてたらいきなり大きな声で呼ばれて声が裏返ってしまった。でも、それは気にしない感じで話を続けようとしている
「…俺はお前の信頼に足る男か」
「え?」
「今、お前が俺の背に隠れたということはお前は俺に信頼を寄せているということか」
「呂布様は大きくてまるで壁のようで─────」
「壁のように頑丈な信頼があると!」
「え!?」
呂布さんの全く噛み合わない話に眉間にシワがよってしまう。呂布さんはそれをどう受け取ったのか、なぜか私を担ぎ始めた
「えっ、ちょ、え!?!?」
「わかった…俺がお前を守りきる!結婚を前提にお前の部下となってやろう!」
「へ!?!?」
「な、何を言い出すのですか呂布殿!その者は、その者は一介の文官ですぞ!?!?」
「そ、そうですよ呂布様!私はそこら辺にいるただの村出身の見習い文官ですよ!そんなの娶ったっていい事ないですって!」
「何を言う!お前の礼儀作法、そこらの村で教われる程のものでは無い!」
「か、夏侯惇様ー!」
ふんふんとやる気に漲っている呂布さんと、それを止めようとする呂布軍団の方々を他所に一番応戦できそうな夏侯惇さんに助けを求める。呂布さんに警戒して武器を持っていたからすぐに攻撃態勢に入ってくれた
「呂布!颯閃を離せ!さもなくば…!」
「ふん!お前如きの相手をしている暇はない!颯閃!お前の心が落ち着くまでどこか静かな場所に移動するぞ!」
「え!?ちょ、下ろしてください呂布様!」
呂布さんは私の事なんてつゆ知らずで赤兎馬を呼びそのまま逃亡。張遼さん達も遅れて馬に乗って追いかけてきたけど、張遼さん、貴方なんでそんなに嬉しそうにウキウキワクワクしているの?
「りょ、呂布様…この体勢しんどいです…」
「!すまない颯閃、怪我はないか」
「怪我はないです…」
「そうか、それなら良かった」
良くないんですけど?なんて言えなくて、私はそのまま呂布さんの前に横座りで座らされた。呂布さんってこんなに優しい人だったかしら?なんて疑問に思っても口には出せないし、私の気の所為かも知れないしでもう何も言えない
「そうだ、どこかの城を奪い取りそこで婚をするぞ!いつまでもさ迷っていては天下統一も夢のまた夢だろうからな」
「えっ…?」
「なんだ、不満か?」
「不満ありまくりですが?というか、下ろしてください!」
「却下だ、俺はお前を嫁に迎える!その為にも城が必要で、その城でお前と暮らしていくのだ」
「私は認めてないです!下ろしてください!」
「…そこまで言うか」
うーん、と眉間に皺を寄せた呂布さんが、いいことを思いついたと言う顔になった瞬間嫌な予感。そしてその予感は見事に命中した
「赤兎馬で全力疾走すればお前も下りめまい!目指すは下邳の城だ!ここから近いからな!」
「ひゃーっ!ごめんなさい下邳の人ー!」
多分私が原因でこうなっているので、全力で今から攻め入るであろう下邳の人達に謝罪しておいた。というか、なんでこんなに私を娶ろうとするの?こんなに美人で美しい踊り子さん近くにいるのに………