秘めた力に惹き付けられ
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「……で、この男を推挙したいと」
「如何でしょう。類まれなる武の持ち主と思っているのですが」
「ふむ…」
現在私は戦帰りで早速徐晃さん(自己紹介した)を推挙中。徐晃さんも敵意は無く、自分の意気込みを語ってくれる。人材不足のうちとしては願ってもない人材な筈だ
「…帰順する、ということで良いのだな?」
「はい!この徐公明、絶対なる忠義を!」
「……うむ。硬派な性格と見た。夏侯惇、副将として手続きを」
「わかった。颯閃はどうする」
「私は彼にお城の中と部屋の案内をして参りたいと思います。部屋はどう致しましょう」
「まだまだ空いておる。徐晃の好きな所に住まわせるが良い」
「畏まりました」
話が終わって退室するとズイっと徐晃さんが寄ってきた。とっても嬉しそうな顔をしているので、まぁ自分はやりきったなって思う
「徐晃様、これより城のご案内をさせていただきます。まずは…鍛錬場でも如何でしょう」
「おぉ!颯閃殿はよく拙者のことをわかって下さる!部屋は鍛錬場から近い方が嬉しく思いまするが、あるだろうか?」
「あると思いますよ。まぁ、見て見ないとわかりませんので行ってみましょう」
「うむ!」
新人と言うだけあって少し浮いてしまう徐晃さんだが、人当たりがいい為か横を通るみんなに挨拶をしている。これは打ち解けるのも時間の問題かしら
「こちらが鍛錬場です。いつ使用して頂いても構いませんが、ここの近くの部屋の方にご迷惑になる深夜の鍛錬はお控え下さい。あとそんな時間使ってないで寝ましょう」
「辛辣でござる」
「次行きますよ」
「冷たいでござる!」
何だこの人、面白いな?なんていじりたい欲が出てくるけどそこは堪えてお城の案内
小国とはいえ一般の家とは比べられないほどの広さを持つこのお城。全てを回って教えるまでに半日を使い果たしてしまったが、徐晃さんはこれからの生活が楽しみだと笑ってくれたので良しとしよう
「して、颯閃殿はどの様な部屋に?やはり拙者とおなじ執務と寝室付きの部屋でござろうか」
「いえ、私は弟と共に部屋を使っております。もう少しで移動となりますが…」
「弟?」
「楽進様の事です。私達は義理の姉弟でして」
「そうでござったか!いや、縁とは深い!」
徐晃さんとわちゃわちゃ話しながら食堂に向かった。この国で一番美味しい料理を頼もうと思ったからである。それに、晩御飯時でもあるからだ
「…颯閃殿、お勧めの品はどれでござろうか」
「豚肉を豆豉 (豆類で作られた味噌)で味付けして炒めた物がオススメです。鶏肉を醤 (お肉や穀物で作られた味噌のようなもの)で炒めたものも美味しいですよ」
「おぉ…なんと種類豊富な…」
瞳を輝かせてお勧めした二つを頼み席に向かった徐晃さんに私はついていく。私が今日選んだのは徐晃さんに勧めた豚肉の豆豉炒めだ。これが美味しいんだ…
「いただきます……はぐっ」
「むっ?…いただきます…」
私の言う『頂きます』をこの軍独自のものかと思ったのか、徐晃さんが真似をして食事を始めた。パンのような餅が主食なのだけど、その上に乗っけて豪快に食べる徐晃さんの食事を見ているとガツガツ食べる兵士達を思い出した。あの子達も凄く食べるのよね……
「んぐっ…颯閃殿、先程『いただきます』と仰られており申したが、どの様な意味が?」
「簡単に言うと、私たちにこれらを食べさせてくれる自然や食物たちに感謝の念を口で伝える言葉です。私の村ではよく言われておりまして」
「なんと、颯閃殿の出身村の風習であり申したか。だが…とても良き風習でござる。拙者も次からは感謝の念を込めて食事を!」
ウキウキと食事を再開した徐晃さんの幸せそうな顔を見て(息子を持ったらこんな気持ちなの?そうなの?)と自信に問掛ける。答えなんてわからないのだけど、多分こんな気持ちなんだろう。心が暖かくて、ホカホカする…
「あ、徐晃様。口元にタレがついていらっしゃいますよ」
「ん?どこでござろうか」
「あぁ、違います。もうちょっと左です」
「?」
「あー、ここですよ……っと」
バクバク食べるのはいいが口元にタレをつけたまま食べ進んでいたので言ってみると意外と鈍感で的外れな所に指が行く。仕方なく懐から手拭を取り出しそれで拭うと恥ずかしそうに「すまぬ」と言ってきた。可愛い
「姉上!!」
「わっ!が、楽進様…驚かさないでください…」
いきなり目の前に現れた楽進に驚いていると、その原因の張本人である楽進はプクっと頬を膨らませ『怒ってますアピール』をしてくる。何だこの可愛い弟。あれか?楽進の相手せずにずっと徐晃さんに城の案内してたから拗ねたのか?可愛い
「む、これはこれは颯閃殿の弟殿!楽進殿…でござったか?」
「はい、楽文謙と申します。以後お見知りおきを。…姉上!私というものがありながらなぜ一人で彼を城案内したんですか!私も呼んでくださいよ!」
「ごめんなさい。楽進様は戦の後の報告でお忙しいと思っていたので……本当にごめんなさい」
「うっ……」
姉上大好きっ子な楽進にはこれくらい言っとけば許してくれるので取り敢えずそう言った。渋々許してくれて、ご飯を取りに行った楽進は私の前の席に座った
「あっ、颯閃殿ー」
「李典様、先の戦お疲れ様でした」
「いや、別にそんなこと言わなくても…って、そうか。俺颯閃殿より目上だったな…」
食事を持ってきた李典君が楽進の隣に座り食事を始める。楽進も「いただきます」と言うから李典君にもそれが感染り、日本での礼儀の類はいつの間にか浸透していた様子で、流れでいただきますと言っていた
「ふむ……やはりこの軍は良き場所の様子。この先が楽しく思い申す」
「ふふっ…それなら良かったです。何か分からないことでもございましたら私にでも、近くの女官や文官にでもお聞きください」
「うむ、了解し申した」
徐晃さんのにっかりとした笑顔で和む私。そんな私は、迫っている危機の事など全くわからなかった
「如何でしょう。類まれなる武の持ち主と思っているのですが」
「ふむ…」
現在私は戦帰りで早速徐晃さん(自己紹介した)を推挙中。徐晃さんも敵意は無く、自分の意気込みを語ってくれる。人材不足のうちとしては願ってもない人材な筈だ
「…帰順する、ということで良いのだな?」
「はい!この徐公明、絶対なる忠義を!」
「……うむ。硬派な性格と見た。夏侯惇、副将として手続きを」
「わかった。颯閃はどうする」
「私は彼にお城の中と部屋の案内をして参りたいと思います。部屋はどう致しましょう」
「まだまだ空いておる。徐晃の好きな所に住まわせるが良い」
「畏まりました」
話が終わって退室するとズイっと徐晃さんが寄ってきた。とっても嬉しそうな顔をしているので、まぁ自分はやりきったなって思う
「徐晃様、これより城のご案内をさせていただきます。まずは…鍛錬場でも如何でしょう」
「おぉ!颯閃殿はよく拙者のことをわかって下さる!部屋は鍛錬場から近い方が嬉しく思いまするが、あるだろうか?」
「あると思いますよ。まぁ、見て見ないとわかりませんので行ってみましょう」
「うむ!」
新人と言うだけあって少し浮いてしまう徐晃さんだが、人当たりがいい為か横を通るみんなに挨拶をしている。これは打ち解けるのも時間の問題かしら
「こちらが鍛錬場です。いつ使用して頂いても構いませんが、ここの近くの部屋の方にご迷惑になる深夜の鍛錬はお控え下さい。あとそんな時間使ってないで寝ましょう」
「辛辣でござる」
「次行きますよ」
「冷たいでござる!」
何だこの人、面白いな?なんていじりたい欲が出てくるけどそこは堪えてお城の案内
小国とはいえ一般の家とは比べられないほどの広さを持つこのお城。全てを回って教えるまでに半日を使い果たしてしまったが、徐晃さんはこれからの生活が楽しみだと笑ってくれたので良しとしよう
「して、颯閃殿はどの様な部屋に?やはり拙者とおなじ執務と寝室付きの部屋でござろうか」
「いえ、私は弟と共に部屋を使っております。もう少しで移動となりますが…」
「弟?」
「楽進様の事です。私達は義理の姉弟でして」
「そうでござったか!いや、縁とは深い!」
徐晃さんとわちゃわちゃ話しながら食堂に向かった。この国で一番美味しい料理を頼もうと思ったからである。それに、晩御飯時でもあるからだ
「…颯閃殿、お勧めの品はどれでござろうか」
「豚肉を
「おぉ…なんと種類豊富な…」
瞳を輝かせてお勧めした二つを頼み席に向かった徐晃さんに私はついていく。私が今日選んだのは徐晃さんに勧めた豚肉の豆豉炒めだ。これが美味しいんだ…
「いただきます……はぐっ」
「むっ?…いただきます…」
私の言う『頂きます』をこの軍独自のものかと思ったのか、徐晃さんが真似をして食事を始めた。パンのような餅が主食なのだけど、その上に乗っけて豪快に食べる徐晃さんの食事を見ているとガツガツ食べる兵士達を思い出した。あの子達も凄く食べるのよね……
「んぐっ…颯閃殿、先程『いただきます』と仰られており申したが、どの様な意味が?」
「簡単に言うと、私たちにこれらを食べさせてくれる自然や食物たちに感謝の念を口で伝える言葉です。私の村ではよく言われておりまして」
「なんと、颯閃殿の出身村の風習であり申したか。だが…とても良き風習でござる。拙者も次からは感謝の念を込めて食事を!」
ウキウキと食事を再開した徐晃さんの幸せそうな顔を見て(息子を持ったらこんな気持ちなの?そうなの?)と自信に問掛ける。答えなんてわからないのだけど、多分こんな気持ちなんだろう。心が暖かくて、ホカホカする…
「あ、徐晃様。口元にタレがついていらっしゃいますよ」
「ん?どこでござろうか」
「あぁ、違います。もうちょっと左です」
「?」
「あー、ここですよ……っと」
バクバク食べるのはいいが口元にタレをつけたまま食べ進んでいたので言ってみると意外と鈍感で的外れな所に指が行く。仕方なく懐から手拭を取り出しそれで拭うと恥ずかしそうに「すまぬ」と言ってきた。可愛い
「姉上!!」
「わっ!が、楽進様…驚かさないでください…」
いきなり目の前に現れた楽進に驚いていると、その原因の張本人である楽進はプクっと頬を膨らませ『怒ってますアピール』をしてくる。何だこの可愛い弟。あれか?楽進の相手せずにずっと徐晃さんに城の案内してたから拗ねたのか?可愛い
「む、これはこれは颯閃殿の弟殿!楽進殿…でござったか?」
「はい、楽文謙と申します。以後お見知りおきを。…姉上!私というものがありながらなぜ一人で彼を城案内したんですか!私も呼んでくださいよ!」
「ごめんなさい。楽進様は戦の後の報告でお忙しいと思っていたので……本当にごめんなさい」
「うっ……」
姉上大好きっ子な楽進にはこれくらい言っとけば許してくれるので取り敢えずそう言った。渋々許してくれて、ご飯を取りに行った楽進は私の前の席に座った
「あっ、颯閃殿ー」
「李典様、先の戦お疲れ様でした」
「いや、別にそんなこと言わなくても…って、そうか。俺颯閃殿より目上だったな…」
食事を持ってきた李典君が楽進の隣に座り食事を始める。楽進も「いただきます」と言うから李典君にもそれが感染り、日本での礼儀の類はいつの間にか浸透していた様子で、流れでいただきますと言っていた
「ふむ……やはりこの軍は良き場所の様子。この先が楽しく思い申す」
「ふふっ…それなら良かったです。何か分からないことでもございましたら私にでも、近くの女官や文官にでもお聞きください」
「うむ、了解し申した」
徐晃さんのにっかりとした笑顔で和む私。そんな私は、迫っている危機の事など全くわからなかった