秘めた力に惹き付けられ
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あれから数日。朝から夕暮れまで文官として働き、夜に曹操さんにお酒を作っている日々を過ごしていると、ある日夏侯惇さんが懐かしき武器を私に渡してきた
「え、なんですかこれ」
「お前が幼い頃に持ち上げていた戟の本当の武器だ。…やはり様になるな」
「様になるってなに」
鍛錬場に呼ばれたと思ったら急に戟を持たされ、鍛練が始まりそうな雰囲気になる。なんだこれ
「颯閃、お前も一応国に務める者だ。孟徳から少し位は鍛えてやってくれと頼まれたから少し位は鍛えさせてくれ」
「曹操様呪ってもいいですか」
「やめてくれ。お前なら本当にやりかねん」
文官としてもお酒を作るものとしても忙しいって言うのに何だこの仕打ち。絶対報復してやるからなという意気込みを持ちながら夏侯惇さんに教えられるがまま戟を振るう。なんだろう。ちょっと楽しい
「私!体術くらいなら出来るのですが!戟をっ、持つ意味がっ、ありますでしょうか!」
「あるぞ。お前がもし他国に文官として早馬で出る時何かあったらお前だけでは対処できんかもしれん。その為の武だ」
「それ言われたらやるしかない!」
夏侯惇さんに最もなことを言われてしまいちょっとゼーゼー言いながらも戟を振り回す。あ、勿論型に沿ってですからね?そんな乱暴に振ってたら危ない危ない
「颯閃、もう少し肩の力を抜け。…そう、そんな感じだ」
夏侯惇さんに指導されながら戟を振るう。周りから「なんで女が」とか聞こえるけど、この時代は男尊女卑だから仕方ないのだろうが、あの人たちを倒して女性だってやれるんだってことをなんだか証明したくなる今日この頃
「よし、そろそろ誰かと手合わせした方がいいんじゃないか?」
「お」
試しにやりたいなぁ。なんて考えているうちに夏侯惇さんからそんなお言葉を頂いた。なんでも、初めてとは思えないくらい上出来なんだそうで、自分の兵士から一人呼ぶから戦ってみろとのこと
「夏侯惇様!ぜひ俺にやらせてください!」
「ん?お前は……そうか、わかった。やる気はあるのはいい事だ。颯閃も、自分の出来る限りのことをやるんだぞ」
「承知致しました。よろしくお願い致します」
兵士の一人が私の前に立ってやりを構えた。外野からは「負けたら鍛錬場に二度と来るな」というヤジが飛んでくる
「お前達!その様なことは言うな!」
「ですが夏侯惇様!女ですよ!?女で、一介の文官が夏侯惇様に一人教えて頂くなど不公平です!」
「お前達……」
はんば呆れた様子の夏侯惇さんに、聞き捨てならない言葉が投げかけられた
「所詮、夏侯惇様も曹操様と同じ女好きだったという事だな。色目に負けてしまうのか」
「まぁ、曹操様の従兄弟だから仕方ないだろ」
一瞬、私の頬が引き攣った。戟を握る手に力が入り、少しだけミシッと音が鳴る
「………貴方達、それって『偏見』って言うの、ご存知?」
「なんだと?早く負けて去れ!」
「えぇ、早く決着をつけて今度は貴方とも戦いたいですね。この時代、男尊女卑の考えだけでは生きていけないってことしっかり学んでくださいね………夏侯惇様、合図を宜しくお願いします」
「?わかった……始め!」
夏侯惇さんの陰口は聞こえなかったようで少し首をかしげたあと開始の合図が出た。槍を構えていた兵士は一直線に私に突進してくるが、今の私はイライラしている。小細工無しの私の実力で頑張って勝たせてもらおう
「まさか、槍は突くだけの物とお思いですか?」
「なに?!」
一突きしてきた遅い槍を躱して柄の部分を握りしめた。随分引く力が弱い。この人なんで女にも負ける力なのに力で戦おうとしたのかしら。鍛え足りてないわね。今日から本格的に鍛え始めた私が言うのもなんだけど
「あら、どうなさったんですか?私はただ掴んでるだけですよ?」
「そ、そんな訳っ…」
どんどん顔が青ざめていく兵士に周りの兵士がヤジを飛ばす。それすら聞こえないのか私の相手をしている兵士は槍を離して「参りました!」と頭を下げた
「…あら?」
「……勝負あり、でいいのかこれは」
「お相手の方がそう言ってますのでいいのでは?あ、私にまだ不満がある方来てください。自力でぶっ倒して二度とここに来れなくしないとですよね」
槍をポイッと地面に投げて兵士たちの返事を待つ。ゾロゾロ現れるあたりそんなに不満だったのか。まぁ、仕方ないか
「颯閃、何人ずつの方がいい?この人数だと長期戦になるぞ」
「人数は……あら、50人も私に不満があるんですか?男尊女卑って困りますね」
目で数えるあたり之くらいだからもっと居るだろうと思い、取り敢えず5人ずつにしてもらった。舐めやがってー!とか声がかかるけど、それなら実力で倒してもう二度と舐めれないようにしてくださいねって言った。気だけは強いから、私
「よし、始め!」
「おらぁぁぁぁっ!」
夏侯惇さんの合図が出ると五人一気に突進してきた。脳が正常に働いているのかしらこの人達。さっきこれであの人負けたのに
「ほっ」
「!?」
五人の背後に一回転ジャンプで飛び移り一気に戟で薙ぎ払う。五人がノックアウトしたため次へ
「あ、いっその事全員相手するのもいいですね!私今調子に乗ってるんで今が好機ですよ!ギッタギタにする!」
笑顔で言ってやったら後ずさりする人達が数名、そしてそのまま参りましたと言ったのがまたそのうちの数名。他の人達はやってやろうじゃねぇか状態。さぁて、私が走り込んだり筋トレしたり山中走り回ったりして鍛えたこの身体の能力はどれだけ通じるかしらー
《数分後》
「えっ、貴方達あんなこと言ってたくせにこんなに弱いんですか!?よくもまぁいけしゃあしゃあとのたうち回ったものですね!」
数分足らずで全兵士はノックアウト。私にかすり傷ひとつ無く、兵士達も気絶で済んでいる。一人、夏侯惇さんについて陰口を言った人は敢えて残しておいた。無論その人は戦意喪失している
「…貴方、私がなんでこんなに怒ってるか、わかる?」
「ひっ……じっ、自分を貶された…から…?」
「いいえ、違うわよ。それだけで怒るほど私短気じゃないもの。私が怒った理由は……任務でもありながら、男尊女卑なんて関係なく稽古の手伝いをしてくれている上司に対してあんな言われ方をしたから怒ってるのよ。貴方が夏侯惇様に言ったこと覚えてる?あれ、本人には聞こえてないけど私にはバッチリ聞こえたの。無性に腹が立つわ。ねぇ、貴方間違ったことをしてしまっているって気づいてる?その人の本質で嫌うならまだしも、優しさと任務を偏見で見るのやめたら?」
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃっ!」
トーンを低くして言うとガタガタブルブル震えだしたのでこれでおしまいにしておいた。あんなにいい上司の陰口聞いたら我慢できなかったけど、まぁ間違いではなかったわね。うん!
「え、なんですかこれ」
「お前が幼い頃に持ち上げていた戟の本当の武器だ。…やはり様になるな」
「様になるってなに」
鍛錬場に呼ばれたと思ったら急に戟を持たされ、鍛練が始まりそうな雰囲気になる。なんだこれ
「颯閃、お前も一応国に務める者だ。孟徳から少し位は鍛えてやってくれと頼まれたから少し位は鍛えさせてくれ」
「曹操様呪ってもいいですか」
「やめてくれ。お前なら本当にやりかねん」
文官としてもお酒を作るものとしても忙しいって言うのに何だこの仕打ち。絶対報復してやるからなという意気込みを持ちながら夏侯惇さんに教えられるがまま戟を振るう。なんだろう。ちょっと楽しい
「私!体術くらいなら出来るのですが!戟をっ、持つ意味がっ、ありますでしょうか!」
「あるぞ。お前がもし他国に文官として早馬で出る時何かあったらお前だけでは対処できんかもしれん。その為の武だ」
「それ言われたらやるしかない!」
夏侯惇さんに最もなことを言われてしまいちょっとゼーゼー言いながらも戟を振り回す。あ、勿論型に沿ってですからね?そんな乱暴に振ってたら危ない危ない
「颯閃、もう少し肩の力を抜け。…そう、そんな感じだ」
夏侯惇さんに指導されながら戟を振るう。周りから「なんで女が」とか聞こえるけど、この時代は男尊女卑だから仕方ないのだろうが、あの人たちを倒して女性だってやれるんだってことをなんだか証明したくなる今日この頃
「よし、そろそろ誰かと手合わせした方がいいんじゃないか?」
「お」
試しにやりたいなぁ。なんて考えているうちに夏侯惇さんからそんなお言葉を頂いた。なんでも、初めてとは思えないくらい上出来なんだそうで、自分の兵士から一人呼ぶから戦ってみろとのこと
「夏侯惇様!ぜひ俺にやらせてください!」
「ん?お前は……そうか、わかった。やる気はあるのはいい事だ。颯閃も、自分の出来る限りのことをやるんだぞ」
「承知致しました。よろしくお願い致します」
兵士の一人が私の前に立ってやりを構えた。外野からは「負けたら鍛錬場に二度と来るな」というヤジが飛んでくる
「お前達!その様なことは言うな!」
「ですが夏侯惇様!女ですよ!?女で、一介の文官が夏侯惇様に一人教えて頂くなど不公平です!」
「お前達……」
はんば呆れた様子の夏侯惇さんに、聞き捨てならない言葉が投げかけられた
「所詮、夏侯惇様も曹操様と同じ女好きだったという事だな。色目に負けてしまうのか」
「まぁ、曹操様の従兄弟だから仕方ないだろ」
一瞬、私の頬が引き攣った。戟を握る手に力が入り、少しだけミシッと音が鳴る
「………貴方達、それって『偏見』って言うの、ご存知?」
「なんだと?早く負けて去れ!」
「えぇ、早く決着をつけて今度は貴方とも戦いたいですね。この時代、男尊女卑の考えだけでは生きていけないってことしっかり学んでくださいね………夏侯惇様、合図を宜しくお願いします」
「?わかった……始め!」
夏侯惇さんの陰口は聞こえなかったようで少し首をかしげたあと開始の合図が出た。槍を構えていた兵士は一直線に私に突進してくるが、今の私はイライラしている。小細工無しの私の実力で頑張って勝たせてもらおう
「まさか、槍は突くだけの物とお思いですか?」
「なに?!」
一突きしてきた遅い槍を躱して柄の部分を握りしめた。随分引く力が弱い。この人なんで女にも負ける力なのに力で戦おうとしたのかしら。鍛え足りてないわね。今日から本格的に鍛え始めた私が言うのもなんだけど
「あら、どうなさったんですか?私はただ掴んでるだけですよ?」
「そ、そんな訳っ…」
どんどん顔が青ざめていく兵士に周りの兵士がヤジを飛ばす。それすら聞こえないのか私の相手をしている兵士は槍を離して「参りました!」と頭を下げた
「…あら?」
「……勝負あり、でいいのかこれは」
「お相手の方がそう言ってますのでいいのでは?あ、私にまだ不満がある方来てください。自力でぶっ倒して二度とここに来れなくしないとですよね」
槍をポイッと地面に投げて兵士たちの返事を待つ。ゾロゾロ現れるあたりそんなに不満だったのか。まぁ、仕方ないか
「颯閃、何人ずつの方がいい?この人数だと長期戦になるぞ」
「人数は……あら、50人も私に不満があるんですか?男尊女卑って困りますね」
目で数えるあたり之くらいだからもっと居るだろうと思い、取り敢えず5人ずつにしてもらった。舐めやがってー!とか声がかかるけど、それなら実力で倒してもう二度と舐めれないようにしてくださいねって言った。気だけは強いから、私
「よし、始め!」
「おらぁぁぁぁっ!」
夏侯惇さんの合図が出ると五人一気に突進してきた。脳が正常に働いているのかしらこの人達。さっきこれであの人負けたのに
「ほっ」
「!?」
五人の背後に一回転ジャンプで飛び移り一気に戟で薙ぎ払う。五人がノックアウトしたため次へ
「あ、いっその事全員相手するのもいいですね!私今調子に乗ってるんで今が好機ですよ!ギッタギタにする!」
笑顔で言ってやったら後ずさりする人達が数名、そしてそのまま参りましたと言ったのがまたそのうちの数名。他の人達はやってやろうじゃねぇか状態。さぁて、私が走り込んだり筋トレしたり山中走り回ったりして鍛えたこの身体の能力はどれだけ通じるかしらー
《数分後》
「えっ、貴方達あんなこと言ってたくせにこんなに弱いんですか!?よくもまぁいけしゃあしゃあとのたうち回ったものですね!」
数分足らずで全兵士はノックアウト。私にかすり傷ひとつ無く、兵士達も気絶で済んでいる。一人、夏侯惇さんについて陰口を言った人は敢えて残しておいた。無論その人は戦意喪失している
「…貴方、私がなんでこんなに怒ってるか、わかる?」
「ひっ……じっ、自分を貶された…から…?」
「いいえ、違うわよ。それだけで怒るほど私短気じゃないもの。私が怒った理由は……任務でもありながら、男尊女卑なんて関係なく稽古の手伝いをしてくれている上司に対してあんな言われ方をしたから怒ってるのよ。貴方が夏侯惇様に言ったこと覚えてる?あれ、本人には聞こえてないけど私にはバッチリ聞こえたの。無性に腹が立つわ。ねぇ、貴方間違ったことをしてしまっているって気づいてる?その人の本質で嫌うならまだしも、優しさと任務を偏見で見るのやめたら?」
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃっ!」
トーンを低くして言うとガタガタブルブル震えだしたのでこれでおしまいにしておいた。あんなにいい上司の陰口聞いたら我慢できなかったけど、まぁ間違いではなかったわね。うん!
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