文官としての活躍
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《司馬懿視点》
徹夜を三日連続するのは当たり前な忙しさだった筈なのに、今の私は身が少し軽い気がした。辺りは暗く、心地良さを感じている
「此処は…?」
夢の中だと理解するのは早かったが、何故こんなにも心地良いのか分からずにいると、少しずつ音が聞こえてきた。正確には…声か
〈───ま、──様〉
「私を呼んでいるのか…誰だ…。誰が私を…」
〈──様、──い様〉
徐々に声が明らかになっていく。今日初めて耳に入れた声。不思議と心地よい、優しげな声
「貴様は…」
〈…起きて下さい……〉
女の声がしっかり聞こえて瞬間、辺りが明るくなり瞼を開ければいつもの執務室だった。横には新人の文官が居る
「すみません。貴方様がお休みになられてから少し時間が経ったので起こさせて頂きました。やはり眠りにつくのは正解だったようですね」
顔色がいいです。と付け足して私の横から離れ竹簡を抱える文官。それは正しく私が行っていた竹簡で、見ただけで相当の量があるものだった
「待て、それは貴様一人で…!?」
「はい。確認は自分で行いました。誤字脱字は確認されませんでしたので大丈夫かと」
「……」
呆気にとられ固まっていると、文官はしっかり声をかけ私の執務室を後にした。外はまだ日が昇っている。私が眠ってからそれ程時間は経っていないのが分かる
「あの女……」
自分の中であの文官の利用価値が大きく弾き出される。自分の専属文官にすればきっと効率が良くなることだろう
「ふ…、ふはははははは!私の思考通りに進めばきっと!きっと…!」
頭の中で描いた理想に口元が緩む。まずはあの文官を私の文官にする事が優先だろう
「待っていろ新人…。私が利用してやる…」
私はそう言いながら瞳を閉じた
《颯閃視点》
「ふはははははは!」
「!?」
『カランカランっ』
いきなり聞こえた高笑いに驚いて竹簡を落としてしまった。ただでさえ量が多いのに一つ一つ拾うのは辛すぎる
「何かあったのかしら…」
睡眠不足で精神が不安定なのかなと少しだけ先程の軍師さんを心配しつつ竹簡を拾い集める。最後の一本となった時に誰かか取ってくれた
「すいません。有難うございます」
「いいって……あれ、お前颯閃じゃねぇか」
「あ、夏侯淵様……有難うございます。少し驚いてしまって」
「いいっていいって!あれは俺も最初の頃は驚いてたから!それに、あれ随分すぐ慣れるぜ」
「恐縮です…」
今思い出した彼の高笑いは、やはり聞くと吃驚案件だと思う私。そして、思い出せそうで思い出せない彼の名前。顔は見覚えがあるのに妙に思い出せない
「あ、俺も手伝ってやろうか!ほらほら、ちょっと持つぜ!」
「あっ」
半分くらい私の腕から書簡や竹簡を取ってふんふん鼻歌を歌いながら進んでいってしまう夏侯淵さん。困る。とても困る。私の今後の文官人生が危うくなる
「だ、大丈夫ですよ夏侯淵様!私の今後の文官生活の為にも私にお任せ下さい!!」
「えっ、俺わりぃことしちまったか?」
「上司に、しかも国王の親戚の方に手伝わせたとなると私の文官人生が…」
「なーんだ、そんなことか!なら大丈夫だ!俺他の奴手伝ったりしてるし!」
「そ、そうですか?本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫!ほら、行こうぜ!」
笑顔でズカズカ進んでいってしまうから、これはもう話しは聞かないな。そう思い先に進んだ。書庫に行くまでに先程まで沢山いた女官さん達をあまり見かけないが、どうしたのだろうか
「そういや全く女官達見ねぇな。まぁ、ここらはあんまり要はねぇからだろうけど、人っ子一人いねぇわ」
「そう…ですね。一人くらいはいてもいいと思うのですが」
キョロキョロ辺りを見渡しながら歩いていると遠くから誰かが歩いてきた。その姿は徐々にハッキリとわかり、曹操さんであることが分かった
「曹操様…?」
「おっ、殿ー!」
夏侯淵さんが呼びかけると相手もこちらに気づいたのか少し色っぽい笑みを浮かべて近付いてきた。ダンディーおじさんめ、一瞬見惚れてしまった
「夏侯淵に颯閃よ、二人して執務か?」
「まぁ、そんな所ですかね。殿はどうしたんで?」
「…わしか?わしは…」
言葉を濁らせる曹操さんに首を傾げる夏侯淵さんだが、私はハッと思い出す。この人、サボってたんだった
「曹操さん、少し向かわないといけない場所があるのですが宜しいでしょうか。これをしまい終えた後に行かねばならぬ所がございまして」
「場所によるが、行こう」
「有難うございます。では、少々お待ち下さい」
曹操さんと遭遇した場所が書庫の近くだったこともあり、私と夏侯淵さんは書庫に一直線。そして、すぐに夏侯淵さんに話をした
「えっ、殿サボってたのか?」
「はい。それで、色んな方々にご迷惑が…。ですので、少し演技をして夏侯惇様の元へお連れしたいのですが、宜しいでしょうか?」
「おぉ、任せろ任せろ!殿にはお灸を据えないといけないからな!」
夏侯淵さんの了承も得て曹操さんの元へ。そして、曹操さんと合流
「行きましょうか」
「うむ」
これから行く場所に気づかず着いてきてくれる曹操さんに少しばかり申し訳なさを感じつつ徐々に夏侯惇さんの執務室に近づいて行く。曹操さんがソワソワし始めたので夏侯淵さんに目配せをして夏侯惇さんの執務室を通り過ぎた次の瞬間
「よっとぉ!殿!まーた執務サボったんですね!今度こそ、逃がしゃしませんからね!」
「謀ったなー!」
「曹操様、お見苦しい真似をなさらず自分に宛てがわれた執務を終えてください。敵国にその程度の男と広まれば、舐められてしまうこと間違いなしですよ?」
「ぐぬぬ、だが…最近わしの執務を支えてくれていたお主の酒が…」
「…時には、お作りさせて頂きたいと思いますが、それは貴方の執務の成果ではないですか?しっかり執務を終えることが出来たと仲間から聞いた時、器具を持ってお邪魔いたします」
「よし、では夏侯惇に話をつけておこう。夏侯惇ー!」
お酒の話になったら直ぐに了承した曹操さん。夏侯惇さんから怒られかけたけど私と夏侯淵さんで宥めて仕事をさせることにした。私が見張ることになったが、まぁいいだろう
徹夜を三日連続するのは当たり前な忙しさだった筈なのに、今の私は身が少し軽い気がした。辺りは暗く、心地良さを感じている
「此処は…?」
夢の中だと理解するのは早かったが、何故こんなにも心地良いのか分からずにいると、少しずつ音が聞こえてきた。正確には…声か
〈───ま、──様〉
「私を呼んでいるのか…誰だ…。誰が私を…」
〈──様、──い様〉
徐々に声が明らかになっていく。今日初めて耳に入れた声。不思議と心地よい、優しげな声
「貴様は…」
〈…起きて下さい……〉
女の声がしっかり聞こえて瞬間、辺りが明るくなり瞼を開ければいつもの執務室だった。横には新人の文官が居る
「すみません。貴方様がお休みになられてから少し時間が経ったので起こさせて頂きました。やはり眠りにつくのは正解だったようですね」
顔色がいいです。と付け足して私の横から離れ竹簡を抱える文官。それは正しく私が行っていた竹簡で、見ただけで相当の量があるものだった
「待て、それは貴様一人で…!?」
「はい。確認は自分で行いました。誤字脱字は確認されませんでしたので大丈夫かと」
「……」
呆気にとられ固まっていると、文官はしっかり声をかけ私の執務室を後にした。外はまだ日が昇っている。私が眠ってからそれ程時間は経っていないのが分かる
「あの女……」
自分の中であの文官の利用価値が大きく弾き出される。自分の専属文官にすればきっと効率が良くなることだろう
「ふ…、ふはははははは!私の思考通りに進めばきっと!きっと…!」
頭の中で描いた理想に口元が緩む。まずはあの文官を私の文官にする事が優先だろう
「待っていろ新人…。私が利用してやる…」
私はそう言いながら瞳を閉じた
《颯閃視点》
「ふはははははは!」
「!?」
『カランカランっ』
いきなり聞こえた高笑いに驚いて竹簡を落としてしまった。ただでさえ量が多いのに一つ一つ拾うのは辛すぎる
「何かあったのかしら…」
睡眠不足で精神が不安定なのかなと少しだけ先程の軍師さんを心配しつつ竹簡を拾い集める。最後の一本となった時に誰かか取ってくれた
「すいません。有難うございます」
「いいって……あれ、お前颯閃じゃねぇか」
「あ、夏侯淵様……有難うございます。少し驚いてしまって」
「いいっていいって!あれは俺も最初の頃は驚いてたから!それに、あれ随分すぐ慣れるぜ」
「恐縮です…」
今思い出した彼の高笑いは、やはり聞くと吃驚案件だと思う私。そして、思い出せそうで思い出せない彼の名前。顔は見覚えがあるのに妙に思い出せない
「あ、俺も手伝ってやろうか!ほらほら、ちょっと持つぜ!」
「あっ」
半分くらい私の腕から書簡や竹簡を取ってふんふん鼻歌を歌いながら進んでいってしまう夏侯淵さん。困る。とても困る。私の今後の文官人生が危うくなる
「だ、大丈夫ですよ夏侯淵様!私の今後の文官生活の為にも私にお任せ下さい!!」
「えっ、俺わりぃことしちまったか?」
「上司に、しかも国王の親戚の方に手伝わせたとなると私の文官人生が…」
「なーんだ、そんなことか!なら大丈夫だ!俺他の奴手伝ったりしてるし!」
「そ、そうですか?本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫!ほら、行こうぜ!」
笑顔でズカズカ進んでいってしまうから、これはもう話しは聞かないな。そう思い先に進んだ。書庫に行くまでに先程まで沢山いた女官さん達をあまり見かけないが、どうしたのだろうか
「そういや全く女官達見ねぇな。まぁ、ここらはあんまり要はねぇからだろうけど、人っ子一人いねぇわ」
「そう…ですね。一人くらいはいてもいいと思うのですが」
キョロキョロ辺りを見渡しながら歩いていると遠くから誰かが歩いてきた。その姿は徐々にハッキリとわかり、曹操さんであることが分かった
「曹操様…?」
「おっ、殿ー!」
夏侯淵さんが呼びかけると相手もこちらに気づいたのか少し色っぽい笑みを浮かべて近付いてきた。ダンディーおじさんめ、一瞬見惚れてしまった
「夏侯淵に颯閃よ、二人して執務か?」
「まぁ、そんな所ですかね。殿はどうしたんで?」
「…わしか?わしは…」
言葉を濁らせる曹操さんに首を傾げる夏侯淵さんだが、私はハッと思い出す。この人、サボってたんだった
「曹操さん、少し向かわないといけない場所があるのですが宜しいでしょうか。これをしまい終えた後に行かねばならぬ所がございまして」
「場所によるが、行こう」
「有難うございます。では、少々お待ち下さい」
曹操さんと遭遇した場所が書庫の近くだったこともあり、私と夏侯淵さんは書庫に一直線。そして、すぐに夏侯淵さんに話をした
「えっ、殿サボってたのか?」
「はい。それで、色んな方々にご迷惑が…。ですので、少し演技をして夏侯惇様の元へお連れしたいのですが、宜しいでしょうか?」
「おぉ、任せろ任せろ!殿にはお灸を据えないといけないからな!」
夏侯淵さんの了承も得て曹操さんの元へ。そして、曹操さんと合流
「行きましょうか」
「うむ」
これから行く場所に気づかず着いてきてくれる曹操さんに少しばかり申し訳なさを感じつつ徐々に夏侯惇さんの執務室に近づいて行く。曹操さんがソワソワし始めたので夏侯淵さんに目配せをして夏侯惇さんの執務室を通り過ぎた次の瞬間
「よっとぉ!殿!まーた執務サボったんですね!今度こそ、逃がしゃしませんからね!」
「謀ったなー!」
「曹操様、お見苦しい真似をなさらず自分に宛てがわれた執務を終えてください。敵国にその程度の男と広まれば、舐められてしまうこと間違いなしですよ?」
「ぐぬぬ、だが…最近わしの執務を支えてくれていたお主の酒が…」
「…時には、お作りさせて頂きたいと思いますが、それは貴方の執務の成果ではないですか?しっかり執務を終えることが出来たと仲間から聞いた時、器具を持ってお邪魔いたします」
「よし、では夏侯惇に話をつけておこう。夏侯惇ー!」
お酒の話になったら直ぐに了承した曹操さん。夏侯惇さんから怒られかけたけど私と夏侯淵さんで宥めて仕事をさせることにした。私が見張ることになったが、まぁいいだろう