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蜀軍 同盟延長

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主人公の名前

曹操さんが色々やって魏という国を作った。で、劉備さんと孫堅さんともいざこざがあったけど今はなんとか友好関係を築いている。今までの苦労が水の泡にならなくて済んだ
が、まだここで終わりじゃない。まだまだやらなくては行けないことがある。その一つ、『同盟更新』である
同盟を更新するか否か、こっちから聞きに行こうかってなったので行くことになったのだが、劉備軍こと蜀軍に私と夏侯惇さん。孫堅軍こと呉軍(なぜか帝が孫権さん。そこは親じゃないのね)にはなぜか私と于禁さんが行くらしい。あの、もっと無いですか?私なんで二回も遠出しなきゃならないんですか

「なんて愚痴は空振りなのよねー」
「?」
「なんでもないなんでもない」

私の横で肉まんを頬張っている司馬師くんになんでもないと告げて机に突っ伏す。いいじゃない私蜀軍に行くんだから。なんでわざわざ帰ってきた後に呉軍行かなきゃならないのよ泣くわよ

颯閃、明日出発するそうだな」
「まぁね。とっても面倒臭い」
颯閃!」
「あ、はい!」

音も立てず後ろに来てた夏侯惇さんに驚きつつ返事をした。ちょっとだけ片眉を上げて不満げな表情

「なんだその反応は……まぁいい。颯閃、蜀軍には俺達魏を恨む者が一人と、殺戮兵器のようなやつが一人居る。俺と蜀に行く予定は聞いているな?俺から離れるなよ」
「はい!」

恨む人と言われて馬超さんが思い浮かんだ。あの時笑ってくれていたけれど、彼は今、心の状況は大丈夫だろうか…

颯閃、怪我のないようにな…お前の肉まんが無いと事切れてしまう…」
「おい夏侯惇、俺ではなくお前が颯閃の側近代わりなんぞ納得していないんだぞ!絶対無事に連れて帰ってこい、いいな!」
「分かっている。お前じゃあるまい…」
「なんだと!」
「あぁぁ!喧嘩しない!じゃ、行ってきます!」

深々と頭を下げて馬に乗る。その後ろに夏侯惇さんが乗った

「落ちないように掴まるんだぞ」
「はい」

落ちるのが怖いので夏侯惇さんの服の袖をつかむ。手綱を引く夏侯惇の腕が私の左右にあるので掴みやすい状態だ

「なるべく早く行きたいが、最低でも7日はかかるだろうな…。颯閃、野宿になると思うが構わないか?」
「はい。野宿だろうと火番だろうとやって見せますよ」
「頼りになるな颯閃は。では少し急ぐぞ!」
「はい!」

馬の上は凄く揺れ、夏侯惇さんの腕を掴んでいなかったら振り落とされる程だった。夏侯惇さん掴まっとけって言ってくれて有難う
というか、私も一緒に馬に乗る必要あるのこれ?

《川沿い》

あれからどれ位走ったのだろう。蜀への行く道を知らない私は良くはわかっていない。だが大分進んだという事は理解しているつもりだ

「そろそろ野宿の準備をするか…。颯閃、落ちてる枝を集めてきてくれないか?俺は火を付けれそうなものを見つけておくから」
「かしこまりました」

夏侯惇さんに言われた通り枝を集めていく。大きかったり小さかったり、サイズはバラバラだけど燃やして火にするのだから大して変わらないだろう

「夏侯惇さん。これで良かったでしょうか」
「ん、すまんな。では次は食料を…」

そう言って馬に繋いでいた食料袋を取る夏侯惇さん。中には私が作った日持ちするスルメやその他の日持ち食材が

颯閃…。【するめ】を何故入れてるんだ…」
「良く噛めば味も出るしお腹も満たされるので」
「そうなのか?ならいいか…」

と言いつつスルメを避けて別の食材を取り出す夏侯惇さん。スルメ苦手なのかしら?

「よし、これ位で良いだろう。火をつけるから水を汲んできてくれないか」
「了解です」

二人分の竹筒に近くの川で水を汲む。川なのに凄く幅と底が大きくて、魚が沢山泳いでいるのが見られる

「魚が沢山いますね…」
「あぁ、ここらは野宿には最適でな。ここでしっかり休んで明日はかっ飛ばすぞ」
「了解しました」

野宿の準備が終わる頃には空は暗くなり、星と月が顔を出し始めた
あぁ、月を見て思い出したけれど、月に一度の宴会は満月の夜に行われる事になった。交流する機会を増やしておいた方がいいとのことで、以前于禁さんともその宴会で仲良くなった。そこで仲良くなった人多い

颯閃、もう少しこっちに来い。寒いだろう」
「はい…失礼します」
「あぁ」

女性が冷えやすいと知っているらしい夏侯惇さんのマントの中にお邪魔する。目の前に火、横は夏侯惇さん。ぬくぬくポカポカである

「暖かい……」
「…そろそろ寝ろ。俺はこの日の為に十分に寝たがお前は寝てないだろう」
「…それじゃぁ…お言葉に、甘えて……」

どんどん瞼が落ちていき、視界が暗くなった。そして私はすぐに意識を手放すことになる

《夏侯惇視点》

「すぅ…すぅ…」
「…よく眠るな……」

俺の肩に頭を預け気持ち良さそうに眠る颯閃。時折もぞもぞと動くが、何かあったわけではないようだ

「…夏侯…惇、さん……暖、かい……ですか……」

夢で俺を暖めているのか?なんて思いながらマントをかけ直す。だがそこで俺は颯閃の言った言葉を思い出す

「…お前は、夢の中でも人を気遣っているのか…」

誰にでも笑いかけ、誰にでも手を伸ばすような女だからこそ心配になる時がある。例えば、典韋が川で溺れかけた時はその華奢な体のどこから出てくるんだと思うほどの力で引き上げたり、王異の一族が殺された時、そっと寄り添ったり………まぁ、王異の件は颯閃自体あまり覚えていないようだが
そう考えると、颯閃はどんなものにでも手を差し伸べるが故に好かれやすい。女には友好を、男には恋愛感情を抱かれやすい。そのせいで呂布に攫われるわ変な男に絡まれるわ、散々だろう………それ故に、よく近くにいる。俺は、その近くにいることが少ない…………

「…何アイツらに嫉妬をしとるんだ俺は…」

胸に湧く黒い何かを払おうと首を振ってみる。だがそれは全く晴れる気配がなく、俺は仕方なく諦めた。考えてみれば、その考えの根本的原因である颯閃が俺の横で寝ているのだ、何も考えることは無いではないか
……俺は何が言いたいんだ
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