3.松葉、異世界へ!

それは突然だった。前触れなく松葉は自宅の居間から違う所にいた。それは瞬間的に…
『ここは?どこ?……森の中?……』
と松葉は靴下のままその場に立ち上がり周りを見渡し草木溢れ、生き物の息遣いが伺えるこの場で呆然と立ち尽くした。
??『やっと来たか…お前を待っていた…』
と松葉はどこからともなく響いた声に前、後ろ、左、右、そして上空、木々に塞がれ木漏れ日を見上げ、視線は不安に駆られながら声の主を探し言葉が漏れる。
『…どこ?あなたは誰?…私に…言ってるの?』
『ああ。マツバ…我の愛し子…また会おう』
『??!…私が愛し子??…あ!光が消えちゃった…ん〜???これってどういう事?…声の主に会えば何か解るのかな…?』
木々に塞がれた昼間でも薄暗い木々の場で柔らかな光が松葉の前に現れたと同時に声が近くに感じた松葉だがその光は瞬く間に消えて再び薄暗くなり、その場は静まり返ったそんな状況に驚きと困惑を露わにした。
そして冷静になり、知らない場所に来てしまった松葉は現在の状況に途方にくれた。そして行く宛のないまま松葉はとりあえず前方に歩き出した。それから数分後、林の中には突然白い霧が色濃く露わになった。
『っ!霧??……少し、ひんやりする…』
『グ、グメ〜ェ!(だ、だれかたすけて~!)』
『え??今の何?鳴き声と一緒に子供の声が聴こえた?もしかして小さな男の子と動物が迷子になってるの??…っ…お~い!キミはどこにいるのぉ!?』
『っ!グメ〜!(ここぉ!!)』
『解った!今行くよ?ここで待っててね!?』 
『グメー!(うん!)』
『ん!(前すら見えないけど、声の居場所はここから近い。急がなきゃ!)』
そう思って松葉は足を速めて声が聴こえた所に向かった。それから数分後。
『え?羊だぁ!』
『グメェ!(あ!来た!)』
声の主を発見した松葉は予想外の展開に驚いた。声の主がまさか幼い男の子の声で話す羊だったんだから。
『あらあらぁ!可愛い声は君の声だったの?』
『グメ?グメグメ〜?(フエ?可愛い声ェ?)』
『フフッ!可愛い可愛い迷子の羊ちゃん。迎えに来たよ。お家に帰ろうね』
『グメ!(うん!)』
『よし!おいで!』
『メェ!(ん!)』
『フフッ。ん〜!モフモフ。フワフワ〜。羊ちゃん可愛いね〜。』
『グメメェ??(ひつじって?)』
『へ?君の様な姿をした動物の種類名…ての?』
『メェ??グメェメェ!(ぼくはウールーってよばれてるよ)』
『へぇ〜。ウールーちゃんかぁ…可愛いね〜』
そして抱き上げた羊の体に顔をスリスリする松葉は緩い顔をして癒やされながら足を進めた。
そんな中、複数人の人の気配を感じたと同時に話し声が聴こえた。
『今度は人の声が聴こえる…行ってみよう』
『メェ!(うん!)』
それを察した松葉は集中した。ここの世界の人と会えると思い、声が聴こえる所目掛けて向かった。
男の子と女の子の声音を聴き取りつつ、足を速めた。
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