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とうこねくと! ~東子さまと秋田犬ともうひとつのツナガリ

「東子さま!! ──っ!?」
……時すでに遅し……でした。……私の目の前の光景は、正座して座っていた東子さまの隣に膝をついた八重樫さんが、東子さまに……東子さまに、キス……を……
「……ぷはぁ。東子さんの唇、滑らかでふわふわですねぇ……。それに、さっき食べてたプリンの甘さも残ってます……。美味しい……うふふっ」
「あら、そう? あなたもなかなかハリのあるやわらかい唇だったわよ」
……東子さま……? ……どう、して……
「どうして……」
私の握り拳が震えだします。そして……
「東子さまっ!!」
私は怒りに震えた声で叫びました。
「びっくりした……。……恵理子ちゃん?」
何もなかったかのようにこちらを向く東子さま。八重樫さんもしれっとしています。そのふたりの平然さに腹が立ってきて……
「東子さまは……っ!」
そう言いながら東子さまの元に歩み寄り、私は──東子さまを強く抱きよせ、口づけをしました。
「んっ……」
東子さまは苦しそうですが、構うものですか。私は長いこと東子さまとキスをしていました。
私が唇を放す頃、東子さまは息が切れた様子でした。
「はぁ、はぁ……恵理子ちゃん……」
「もう忘れたんですか!? 東子さまは私の大切な人なんですよ!? 他の子にキスを許すなんて……しかもそれを受け入れるなんて……許しません!!」
「違うのよ恵理子ちゃん、この子は……」
「言い訳なんか聞きたくありません!」
「まあまあ、椿田さん……」
そう言って動き出したのは、八重樫さん。
「ちょっと八重樫さん、何を──っ!!」
八重樫さんが取った行動に、私の動きは止まりました。八重樫さんが私に何をしたか……。……キスをしたのです。
私が黙り込んだところに、東子さまが口を開きました。
「冷静に聞きなさい、恵理子ちゃん。この子はね──」
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