moon.4 月に向かって、太陽に向かって
*side Eriko
「えっ……東子さん、なんで葵ちゃんのことを知って……?」
再会を喜んでいるふたりを交互に見ながら、私の頭の中は混乱していた。だって、月から来た葵ちゃんのことは、誰も知らないはず……
「ああ、ごめんなさいね恵理子ちゃん。説明をしなきゃね」
戸惑う私の表情を察したのか、東子さんが言う。
「今まであなたに隠していたけど──」
そう言った東子さんが、今まで一度も脱いだことのない黒のファー帽子を脱ぐ。
「ええっ!?」
私は目を見開いて東子さんの頭を凝視した。きっちりとまとめた東子さんの頭から、真っ白いウサギの耳がぴょこんと生えている。
「と、東子さん、まさか……!」
「そう。葵と同じく、私も月から来たウサギなのよ」
自分のウサギの耳をふわっと触り、東子さんは私に微笑みかけた。東子さんが、ウサギ……!?
「それと、東子さまはお月さまのウサギの長なの。お月さまではいちばんえらいお方なんだよ」
びっくりして言葉が出ない私に、葵ちゃんがそう付け足す。
「1年前から、視察のために地球で暮らしているの。たまに月には帰っていたけれど、葵と会うのはひさしぶりなのよね」
東子さんが葵ちゃんに言うと、葵ちゃんは「はい」と答える。まだびっくりしている私は、口をパクパクさせてふたりを交互に見る。
「……さあ、恵理子ちゃんがびっくりしたところで、お昼ごはんを食べましょうか」
東子さんは手をパンと叩き、面白そうにそう言った。
「えっ……東子さん、なんで葵ちゃんのことを知って……?」
再会を喜んでいるふたりを交互に見ながら、私の頭の中は混乱していた。だって、月から来た葵ちゃんのことは、誰も知らないはず……
「ああ、ごめんなさいね恵理子ちゃん。説明をしなきゃね」
戸惑う私の表情を察したのか、東子さんが言う。
「今まであなたに隠していたけど──」
そう言った東子さんが、今まで一度も脱いだことのない黒のファー帽子を脱ぐ。
「ええっ!?」
私は目を見開いて東子さんの頭を凝視した。きっちりとまとめた東子さんの頭から、真っ白いウサギの耳がぴょこんと生えている。
「と、東子さん、まさか……!」
「そう。葵と同じく、私も月から来たウサギなのよ」
自分のウサギの耳をふわっと触り、東子さんは私に微笑みかけた。東子さんが、ウサギ……!?
「それと、東子さまはお月さまのウサギの長なの。お月さまではいちばんえらいお方なんだよ」
びっくりして言葉が出ない私に、葵ちゃんがそう付け足す。
「1年前から、視察のために地球で暮らしているの。たまに月には帰っていたけれど、葵と会うのはひさしぶりなのよね」
東子さんが葵ちゃんに言うと、葵ちゃんは「はい」と答える。まだびっくりしている私は、口をパクパクさせてふたりを交互に見る。
「……さあ、恵理子ちゃんがびっくりしたところで、お昼ごはんを食べましょうか」
東子さんは手をパンと叩き、面白そうにそう言った。