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moon.2 甘い朝と昼下がりの調べ

*side Eriko

「ただいまー」
家に帰ると、甘い香りが私を包んだ。
「葵ちゃーん」
買ったものを持ってリビングに向かうが、葵ちゃんはいない。すると、台所から物音がする。私は買ったものを置いて台所に向かう。
「葵ちゃん?」
私が台所をのぞくと、葵ちゃんは「あっ、おかえりなさい」と振り返る。
「えっ、これ……!」
私の目の前には、大きなお皿の上でクッキーが山のように積み重なっている。
「気合入れて、作りすぎちゃった……てへっ」
葵ちゃんは舌をペロッと出して照れ笑いを見せた。
「可愛いなぁ、もうっ」
思わず笑みが込み上げてきた私は、葵ちゃんの頭をなでなでした。葵ちゃんはくすぐったそうに笑った。
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