このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

2nd connect とうことっ♪ ~東子さまが箏を弾けば

翌日。東子さまと私は車にお箏を積み込み、山間部の宿泊施設に向かいました。もちろん、私が運転手です。車内には、島谷ひとみさんの曲が流れています。車内の音楽はすべて東子さまのセレクトです。
「チェックインは15時よね」
「はい! ちょうど着きそうですね」
「陽子ちゃん、ちょっと遅れてくるみたいだから、宿に着いたら部屋で待っていましょう」
「そうですね!」
そして山道を走ること20分。お宿に辿り着きました。なかなか立派な旅館です。
チェックインを済ませ、お部屋で一息。広々とした和室です。東子さまは「ああ~」と声を上げながら畳の上でゴロゴロ転がります。なんとも楽しそうです。私はお部屋にあった緑茶をいただきました。
その後、陽子さんから東子さまの携帯に連絡が入り、私たちは玄関まで出迎えに行きました。
ちょうど玄関を出ようとしたところで、向こうから陽子さんがやってくるのが見えました。
「陽子ちゃーん!」
東子さまは手を振りながら元気よく駆け出します。その時。
「キャッ!?」
短い悲鳴が響いたと思ったら、東子さまはつまずいて、そのまま……転んでしまいました。その間はスローモーションです。何が起こったかわかりませんでした。
「東子さまっ!?」
「東子さん!?」
地面に倒れた東子さまの元に駆けつける私と陽子さん。
「いたたたた……」
私たちが辿り着く前に、東子さまはゆっくりと起き上がります。
「東子さま! お怪我はありませんか!?」
私は上半身だけ起き上がった東子さまのお身体を支えます。陽子さんも「大丈夫ですか?」と不安そうに東子さまのお顔を覗きこみます。
「ふふふ……大丈夫よ」
東子さまはいつもの笑顔でそうおっしゃいますが……
「はっ!? 東子さま、血が……!」
東子さまの左腕にはすり傷ができていました。
「すぐに処置を!」
3/10ページ
スキ