6話
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万斉に連れられ、主人公は食堂に来た。座るよう促され、長机に座ると万斉も隣に座ってきた。
流石に昼を過ぎたから、食堂の中には万斉さんと自分しかいない。話をしよう。と言われたが、二人きりを望まれたということは、改まった話なのかもしれないと、無意識に身構えてしまう。
「主人公。主の仇である狼型天人は、もうこの世にはいないでござる。晋助から話は聞いたでござろうか」
「はい。万斉さんが全滅させたと......」
あぁ。と万斉は静かに頷いた。意図が読めない。高杉に聞いたかどうかを確認する為に、二人きりを望んだのか?
「......できれば、来島では無く拙者に話して欲しかったでござる。思い出したくないなら言わなくていいでござるが、何をさせられてた?」
珍しく眉毛を八の字に歪め、寂しそうに話す万斉が、少し可愛く思えた。
何処で、と言われなくてもわかる。天人に何をさせられていたかを聞いているのだろう。
「屋敷の掃除と、食事の世話、庭の手入れ、散歩の付き添い......ですかね?」
「それだけか?」
隣に座る万斉がググッと距離を詰めて来た。
「は、はい!それだけです......」
「夜の......性の相手は?」
なっ!!と、言葉の意味を理解し、小さく声を出した主人公の顔はみるみる赤く染まり、口をパクパクさせていた。
その慌てている様子がとても可愛くて、何もされていないのを分かっていて万斉は、更に意地悪を続けた。
「主もそこまで子供なわけじゃないでござろう?そういう相手をさせられたことは、本当にないでござるか?」
半分冗談、半分本気。まぁ、あの状況でヤツが嘘を言ったとは思えない。主人公の身体が汚されていないのは分かりきっている。
「売られた時、私は子供でした!!ですから、ずっと子供扱いのまま使われてきたんです。そ、そういう相手はもっと歳上の方が......されていました......」
最後はもう、蚊の鳴くような声だった。真っ赤になった主人公の態度が、自分の潔癖さを何よりも証明している。
「すまん、少し意地悪が過ぎたでござる。あまりにも初で、いじらしいもんだからつい出来心が生まれてしまったでござるよ」
「も、もう!!万斉さんの意地悪!!!!」
恥ずかしさのあまり、万斉を軽くぺちぺちと叩いてしまう。
はっと主人公は我に返って、自分の失礼な態度を詫びた。
「ごめんなさい!!馴れ馴れしかったですよね?」
「いや、拙者に心を開いてくれた証拠でござろう?嬉しかったでござる」
ニッコリと口角を上げ、て万斉は微笑んだ。きっとサングラスの奥にある鋭い瞳も、今は優しく細まっているのだろう。
「良かった......あ、あの遅くなりましたが色々ありがとうございました!!助けて貰ったお礼もまだでしたよね?その上仇もとってくださって......」
「いや、いいんでござるよ。仇討ちに関しては、晋助の命があったからやったものだが、きっと命が無くてもやってたでござろうな」
主人公は、高杉に言われた言葉を思い出した。命が無くてもやる理由なんてあるのだろうか?
「命が無くてもやっていた......というのは?」
ん?と此方を見た万斉は、今度は悪戯っぽく口角を上げた。
そして、さらに距離を詰め主人公の耳元で囁いた。
「まだ教える訳にはいかないでござる。これからゆっくり教えるから、覚悟して欲しいでござるな」
では、また。と去っていった万斉は、チラッと主人公の顔を盗み見た。
耳元で囁かれた主人公の顔は、先程よりも真っ赤に染まり、思考が停止していた。
耳元で囁かれたことが恥ずかしかったのか、それともどういう想いを含んだ言葉だったのか理解したのか......いや、前者だろう。
どちらにしても可愛い主人公の顔を見られた満足感で、既に食堂を離れていた万斉だったが主人公を思い出したのか、自然と口角を上げていた。
流石に昼を過ぎたから、食堂の中には万斉さんと自分しかいない。話をしよう。と言われたが、二人きりを望まれたということは、改まった話なのかもしれないと、無意識に身構えてしまう。
「主人公。主の仇である狼型天人は、もうこの世にはいないでござる。晋助から話は聞いたでござろうか」
「はい。万斉さんが全滅させたと......」
あぁ。と万斉は静かに頷いた。意図が読めない。高杉に聞いたかどうかを確認する為に、二人きりを望んだのか?
「......できれば、来島では無く拙者に話して欲しかったでござる。思い出したくないなら言わなくていいでござるが、何をさせられてた?」
珍しく眉毛を八の字に歪め、寂しそうに話す万斉が、少し可愛く思えた。
何処で、と言われなくてもわかる。天人に何をさせられていたかを聞いているのだろう。
「屋敷の掃除と、食事の世話、庭の手入れ、散歩の付き添い......ですかね?」
「それだけか?」
隣に座る万斉がググッと距離を詰めて来た。
「は、はい!それだけです......」
「夜の......性の相手は?」
なっ!!と、言葉の意味を理解し、小さく声を出した主人公の顔はみるみる赤く染まり、口をパクパクさせていた。
その慌てている様子がとても可愛くて、何もされていないのを分かっていて万斉は、更に意地悪を続けた。
「主もそこまで子供なわけじゃないでござろう?そういう相手をさせられたことは、本当にないでござるか?」
半分冗談、半分本気。まぁ、あの状況でヤツが嘘を言ったとは思えない。主人公の身体が汚されていないのは分かりきっている。
「売られた時、私は子供でした!!ですから、ずっと子供扱いのまま使われてきたんです。そ、そういう相手はもっと歳上の方が......されていました......」
最後はもう、蚊の鳴くような声だった。真っ赤になった主人公の態度が、自分の潔癖さを何よりも証明している。
「すまん、少し意地悪が過ぎたでござる。あまりにも初で、いじらしいもんだからつい出来心が生まれてしまったでござるよ」
「も、もう!!万斉さんの意地悪!!!!」
恥ずかしさのあまり、万斉を軽くぺちぺちと叩いてしまう。
はっと主人公は我に返って、自分の失礼な態度を詫びた。
「ごめんなさい!!馴れ馴れしかったですよね?」
「いや、拙者に心を開いてくれた証拠でござろう?嬉しかったでござる」
ニッコリと口角を上げ、て万斉は微笑んだ。きっとサングラスの奥にある鋭い瞳も、今は優しく細まっているのだろう。
「良かった......あ、あの遅くなりましたが色々ありがとうございました!!助けて貰ったお礼もまだでしたよね?その上仇もとってくださって......」
「いや、いいんでござるよ。仇討ちに関しては、晋助の命があったからやったものだが、きっと命が無くてもやってたでござろうな」
主人公は、高杉に言われた言葉を思い出した。命が無くてもやる理由なんてあるのだろうか?
「命が無くてもやっていた......というのは?」
ん?と此方を見た万斉は、今度は悪戯っぽく口角を上げた。
そして、さらに距離を詰め主人公の耳元で囁いた。
「まだ教える訳にはいかないでござる。これからゆっくり教えるから、覚悟して欲しいでござるな」
では、また。と去っていった万斉は、チラッと主人公の顔を盗み見た。
耳元で囁かれた主人公の顔は、先程よりも真っ赤に染まり、思考が停止していた。
耳元で囁かれたことが恥ずかしかったのか、それともどういう想いを含んだ言葉だったのか理解したのか......いや、前者だろう。
どちらにしても可愛い主人公の顔を見られた満足感で、既に食堂を離れていた万斉だったが主人公を思い出したのか、自然と口角を上げていた。