5話
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万斉side
「お前らが......主人公を匿っているの知ってるぞ。忌まわしい女だ。今まで世話をしてやった恩を忘れて、同胞を何百と殺しやがって......」
深手を負った狼型天人は......まぁ、その深手を負わせたのは自分であるのだが。此方を睨み付けながら言った。
「世話をしてやった?世話してもらったのは主らの方でござろう。主人公を奴隷として扱ったクセに、とんだ戯言でござる」
「こんな事なら性の相手もさせるんだった。そしたら、逆らう気も失せる程ボロボロにしてやれたのにっ......ぐぁあああああ!!!!」
万斉は最後まで聞かず、目の前の天人の首に刀を突き刺した。うるさい口を塞ぐと言うより、声ごと消してやるようなつもりで。
「なんとも醜いリズムでござろう......主人公の身体も心も、主らには絶対に支配はさせないでござる。いや、誰にも傷つけせないでござるよ」
刀を敵の首から引き抜き、既に絶命している相手に向かって言った。
敵陣は全滅した。主の命は果したのだ。次は表の、つんぽとしての仕事を片付けなければならない。
万斉は踵を返した。
気持ちは晴れた。けれど、ひとつ片付けた事で、先日から考えていたモヤモヤが、また浮かんできた。
何故こんなに主人公のことを気にしているのだろう。彼女を誰にも傷つけさせはしない、それを無意識に口に出していた。
何故あの時彼女を助けたのか......未だにその答えは出ていない。否、出そうと考えようと、忙し過ぎてしてこなかった。
外に出ると太陽が万斉を強く照らした。
敵陣を潰すのに丸一日かかってしまったようだ。ここから船に帰って、シャワーを浴びて、少し眠り、また作曲家の仕事をするとなると、暫く部屋に籠ることになるだろう。
主人公に会えないことが残念だと思うことも、今の万斉にとっては何故残念だと自分が思ってしまうのか理解が出来なかった。
ただ、会えないなら彼女の事を考える時間を作ることにしよう。出来ることなら早くモヤを片付けてしまいたい。
万斉はバイクを自身の拠点に向かって、颯爽と走らせた。
「お前らが......主人公を匿っているの知ってるぞ。忌まわしい女だ。今まで世話をしてやった恩を忘れて、同胞を何百と殺しやがって......」
深手を負った狼型天人は......まぁ、その深手を負わせたのは自分であるのだが。此方を睨み付けながら言った。
「世話をしてやった?世話してもらったのは主らの方でござろう。主人公を奴隷として扱ったクセに、とんだ戯言でござる」
「こんな事なら性の相手もさせるんだった。そしたら、逆らう気も失せる程ボロボロにしてやれたのにっ......ぐぁあああああ!!!!」
万斉は最後まで聞かず、目の前の天人の首に刀を突き刺した。うるさい口を塞ぐと言うより、声ごと消してやるようなつもりで。
「なんとも醜いリズムでござろう......主人公の身体も心も、主らには絶対に支配はさせないでござる。いや、誰にも傷つけせないでござるよ」
刀を敵の首から引き抜き、既に絶命している相手に向かって言った。
敵陣は全滅した。主の命は果したのだ。次は表の、つんぽとしての仕事を片付けなければならない。
万斉は踵を返した。
気持ちは晴れた。けれど、ひとつ片付けた事で、先日から考えていたモヤモヤが、また浮かんできた。
何故こんなに主人公のことを気にしているのだろう。彼女を誰にも傷つけさせはしない、それを無意識に口に出していた。
何故あの時彼女を助けたのか......未だにその答えは出ていない。否、出そうと考えようと、忙し過ぎてしてこなかった。
外に出ると太陽が万斉を強く照らした。
敵陣を潰すのに丸一日かかってしまったようだ。ここから船に帰って、シャワーを浴びて、少し眠り、また作曲家の仕事をするとなると、暫く部屋に籠ることになるだろう。
主人公に会えないことが残念だと思うことも、今の万斉にとっては何故残念だと自分が思ってしまうのか理解が出来なかった。
ただ、会えないなら彼女の事を考える時間を作ることにしよう。出来ることなら早くモヤを片付けてしまいたい。
万斉はバイクを自身の拠点に向かって、颯爽と走らせた。