4話
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また子はびっくりして、思わず梅干しを種ごと飲み込みそうになったが、なんとか抑えて種だけ吐き出した。
「ゲホッゲホッ!!主人公どうしたんスか!?そんな顔を真っ赤にしちゃって......」
そう、驚きの理由は顔を真っ赤にして、駆け込むように食堂に入ってきた主人公だった。
「ま、ままままた子さん!!なんでもないです!!」
なんでもない訳ないだろう。とりあえず訳を聞きだそうと、主人公に隣に座るよう促した。
「で?何があったんスか?」
「また子さん、なぜ万斉さんは私を助けてくれたんでしょうね」
無視か。
けれど、それは自分も気になる。なぜ河上先輩は彼女を助けたのだろう。天人と戦って負傷した人間を、全て助けるようか性格でもないし、無条件に女性を助ける性格も持ち合わせていない。では何故彼女を?
「さぁ、あたしにもわかんないっス」
「私......誰かに助けてもらうのも初めてで、名前を呼んでもらうのも久しぶりで......に、人間として扱ってもらうのも......」
主人公は目を伏せた。
「人間として扱われるのが久しぶり!?」
「はい。私は、幼い頃に両親と家を天人に焼かれてから、老婦人のお世話になっていたのですが、その人にも裏切られ、天人に売られました。少し前まで、天人の奴隷だったんです。そこで剣術を盗み、やっと天人達を斬って逃げ出すことに成功したんです」
つまり、天人を斬って逃げていたところで天人から深手を負わされ、今に至るという事なんだろう。それにしても、彼女にそんな過去があるなんて......
「そうだったんスか。少なくとも、ニュースや主人公にやられた天人を何人も見てるから、主人公の実力は皆認めてるっス。......あ、もしかしたら戦力になると思って先輩も主人公を船に連れてきたのかも!」
なるほど。実力を買ってもらっているならこれ以上に嬉しいことは無い。
「主人公、朝食は済んだでござるか?」
いきなり食堂に現れた万斉さんのせいでボボッと、引いた熱がまた顔に戻ってきた。
「ん?どうしたでござる主人公?」
不思議そうに首を傾げて万斉さんが聞いてきた。
「いえいえいえ!!なんでもありません!朝食は今取っているとこでございます」
なら、ご一緒するでござる。と、私の隣に座ってきた。心拍数がさっきよりもっと跳ね上がる。
「河上先輩、主人公ちょっと前まで天人の奴隷だったらしいっスよ!」
ブフォっと、飲んでいた味噌汁を思わず吹き出しそうになった。
「なななな、なんで言っちゃうんですか!?」
「あ、言わない方がよかったスか?」
言わない方がよかったと聞かれれば、隠す必要もない気がするが、なんとなく万斉さんには隠していたい気もしていたのだ。
「ほう......そうだったのでござるか」
静かに席を立った万斉さんは、無言のまま何処かへ去っていった。
「え!?河上先輩、ちょ、何処行くんスか!?」
また子さんは慌てていたが、決して着いていこうとはしなかった。
「悪かったっス......わざわざあたしに打ち明けてくれたことが嬉しくて、つい自慢したくなって河上先輩に話してしまったんス」
私の方に体を向き直して、しゅんと落ち込んだまた子さんは頭を下げた。
「い、いえいえ!!いいんです。隠してくれって頼んだわけでもありませんし、また子さんは悪くありません!」
良かったっス!主人公に嫌われたんじゃないかとヒヤヒヤしたっス!と抱き着かれた。
まだここに来て一週間しか経っていないのに、こんなに心を許してくれているなんて、今まで経験したことの無い状況に戸惑いもあるが、嬉しさの方が勝ってしまう。
それより...万斉さんはどこに行ってしまったのだろう。

「ゲホッゲホッ!!主人公どうしたんスか!?そんな顔を真っ赤にしちゃって......」
そう、驚きの理由は顔を真っ赤にして、駆け込むように食堂に入ってきた主人公だった。
「ま、ままままた子さん!!なんでもないです!!」
なんでもない訳ないだろう。とりあえず訳を聞きだそうと、主人公に隣に座るよう促した。
「で?何があったんスか?」
「また子さん、なぜ万斉さんは私を助けてくれたんでしょうね」
無視か。
けれど、それは自分も気になる。なぜ河上先輩は彼女を助けたのだろう。天人と戦って負傷した人間を、全て助けるようか性格でもないし、無条件に女性を助ける性格も持ち合わせていない。では何故彼女を?
「さぁ、あたしにもわかんないっス」
「私......誰かに助けてもらうのも初めてで、名前を呼んでもらうのも久しぶりで......に、人間として扱ってもらうのも......」
主人公は目を伏せた。
「人間として扱われるのが久しぶり!?」
「はい。私は、幼い頃に両親と家を天人に焼かれてから、老婦人のお世話になっていたのですが、その人にも裏切られ、天人に売られました。少し前まで、天人の奴隷だったんです。そこで剣術を盗み、やっと天人達を斬って逃げ出すことに成功したんです」
つまり、天人を斬って逃げていたところで天人から深手を負わされ、今に至るという事なんだろう。それにしても、彼女にそんな過去があるなんて......
「そうだったんスか。少なくとも、ニュースや主人公にやられた天人を何人も見てるから、主人公の実力は皆認めてるっス。......あ、もしかしたら戦力になると思って先輩も主人公を船に連れてきたのかも!」
なるほど。実力を買ってもらっているならこれ以上に嬉しいことは無い。
「主人公、朝食は済んだでござるか?」
いきなり食堂に現れた万斉さんのせいでボボッと、引いた熱がまた顔に戻ってきた。
「ん?どうしたでござる主人公?」
不思議そうに首を傾げて万斉さんが聞いてきた。
「いえいえいえ!!なんでもありません!朝食は今取っているとこでございます」
なら、ご一緒するでござる。と、私の隣に座ってきた。心拍数がさっきよりもっと跳ね上がる。
「河上先輩、主人公ちょっと前まで天人の奴隷だったらしいっスよ!」
ブフォっと、飲んでいた味噌汁を思わず吹き出しそうになった。
「なななな、なんで言っちゃうんですか!?」
「あ、言わない方がよかったスか?」
言わない方がよかったと聞かれれば、隠す必要もない気がするが、なんとなく万斉さんには隠していたい気もしていたのだ。
「ほう......そうだったのでござるか」
静かに席を立った万斉さんは、無言のまま何処かへ去っていった。
「え!?河上先輩、ちょ、何処行くんスか!?」
また子さんは慌てていたが、決して着いていこうとはしなかった。
「悪かったっス......わざわざあたしに打ち明けてくれたことが嬉しくて、つい自慢したくなって河上先輩に話してしまったんス」
私の方に体を向き直して、しゅんと落ち込んだまた子さんは頭を下げた。
「い、いえいえ!!いいんです。隠してくれって頼んだわけでもありませんし、また子さんは悪くありません!」
良かったっス!主人公に嫌われたんじゃないかとヒヤヒヤしたっス!と抱き着かれた。
まだここに来て一週間しか経っていないのに、こんなに心を許してくれているなんて、今まで経験したことの無い状況に戸惑いもあるが、嬉しさの方が勝ってしまう。
それより...万斉さんはどこに行ってしまったのだろう。