3話
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一週間後私は、誰よりも早く起きて雑用をやり始めた。
トイレ掃除、廊下掃除...etc
「おっ、おはよう 主人公。早い起床でござるな」
しばらくして万斉さんが起きてきた。すると、一瞬眉をひそめ、私の格好をジロジロ見て、
「 主人公、主...もしかして、船の掃除していたのか?」
と言った。ドキッと心臓が跳ねる......わ、悪い事してたわけじゃないのに。
「は、はい......だ、ダメでしたか?」
「いや、幹部が掃除なんてしなくていいでござる。まだ少ないが、幹部以外の隊士もいるんでござるよ」
それは分かっているが何もしない訳には行かない。
「それでもお世話になってるんですから、何かしないと気が休まりません」
無意識に目線が落ちて、自分のつま先を見ていた。
気が休まらないというのは嘘だ。いや、あながち間違っていないかもしれないが、 主人公の癖なのだ。天人に奴隷として扱われていた時の癖。何処か掃除をしていなかったら殴られ、罵られる。
今ここに天人達はいない。しかし、トラウマはそう簡単に拭えるものではないのだ。
そういった考えを、すべてサングラスの奥で鋭く光る双眼に、全て見透かされている気がして 主人公の目は、ますます下を向いてしまうのだった。
不意に、万斉は自分の目の前で俯き、肩を強ばらせている小さな女性に腕を伸ばした。
瞬間、 主人公が身構える。
「っ!!!」
「すまん。驚かすつもりは無かったのでござる」
ただ、小さく脆そうで、今にも壊れてしまいそうな彼女がとてもいじらしく、はたまた危うくて思わず、小さな肩に手を伸ばしてしまっただけだった。しかし、伸ばしたところでどうするつもりだったのか。
行き場をなくした手は、己の頭をかくために使った。
「 主人公、その箒は拙者が預かろう。主も朝食を食べに行くといい」
万斉は、出来るだけ怯えさせぬようゆっくり近づいて、 主人公の持っていた箒を優しく引き受けた。
至近距離に自分より、20cm以上も高い万斉が近づいたことで、万斉の息が頬にかかった。
朝食をとって、洗顔も済ませたのだろう。爽やかなミントの香りがした。
「は...はい!!」
こんなに至近距離に男性が近づいたことなんて滅多になく、しかも自分を助けてくれた恩人だ。それなりに意識していた男性が、息のかかる距離にいれば恥ずかしくなるのも無理はない。
主人公は、赤くなった顔を見られぬように片手で顔を覆い、その場から逃げるように立ち去った。
トイレ掃除、廊下掃除...etc
「おっ、おはよう 主人公。早い起床でござるな」
しばらくして万斉さんが起きてきた。すると、一瞬眉をひそめ、私の格好をジロジロ見て、
「 主人公、主...もしかして、船の掃除していたのか?」
と言った。ドキッと心臓が跳ねる......わ、悪い事してたわけじゃないのに。
「は、はい......だ、ダメでしたか?」
「いや、幹部が掃除なんてしなくていいでござる。まだ少ないが、幹部以外の隊士もいるんでござるよ」
それは分かっているが何もしない訳には行かない。
「それでもお世話になってるんですから、何かしないと気が休まりません」
無意識に目線が落ちて、自分のつま先を見ていた。
気が休まらないというのは嘘だ。いや、あながち間違っていないかもしれないが、 主人公の癖なのだ。天人に奴隷として扱われていた時の癖。何処か掃除をしていなかったら殴られ、罵られる。
今ここに天人達はいない。しかし、トラウマはそう簡単に拭えるものではないのだ。
そういった考えを、すべてサングラスの奥で鋭く光る双眼に、全て見透かされている気がして 主人公の目は、ますます下を向いてしまうのだった。
不意に、万斉は自分の目の前で俯き、肩を強ばらせている小さな女性に腕を伸ばした。
瞬間、 主人公が身構える。
「っ!!!」
「すまん。驚かすつもりは無かったのでござる」
ただ、小さく脆そうで、今にも壊れてしまいそうな彼女がとてもいじらしく、はたまた危うくて思わず、小さな肩に手を伸ばしてしまっただけだった。しかし、伸ばしたところでどうするつもりだったのか。
行き場をなくした手は、己の頭をかくために使った。
「 主人公、その箒は拙者が預かろう。主も朝食を食べに行くといい」
万斉は、出来るだけ怯えさせぬようゆっくり近づいて、 主人公の持っていた箒を優しく引き受けた。
至近距離に自分より、20cm以上も高い万斉が近づいたことで、万斉の息が頬にかかった。
朝食をとって、洗顔も済ませたのだろう。爽やかなミントの香りがした。
「は...はい!!」
こんなに至近距離に男性が近づいたことなんて滅多になく、しかも自分を助けてくれた恩人だ。それなりに意識していた男性が、息のかかる距離にいれば恥ずかしくなるのも無理はない。
主人公は、赤くなった顔を見られぬように片手で顔を覆い、その場から逃げるように立ち去った。