12話
名前を教えて
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「 主人公、一緒に買い物に行こう!アタシ良い店知ってるんスよ!」
それは突然だった。
一夜が明け、食堂で朝食を食べていたら、また子さんが猪のように食堂に入ってきたかと思うと、開口一番そう言ってきたのだ。
「へっ!?い、いいですけど......」
返事を返すと、また子さんは嬉しそうにニッコリ笑って、私の隣に座ってきた。
「良かった。 主人公、中々部屋から出てこないんスもん。出てきたかと思えば万斉先輩と出掛けるか、船内の掃除してるかだし」
万斉先輩だけズルいっす〜!!!と口をタコみたいに尖らせて、また子さんは駄々を捏ねていた。
こんなに可愛い人だったのか......
「ご、ごめんなさい。また子さn
「また子でいいっス!てか、いつまで敬語なんスか。仲間なのに」
せめてまた子ちゃんと呼ばせて、とお願いしやっと、また子ちゃんは納得してくれた。
朝食を済ませ身支度をし、また子ちゃんの元へ行くと、なにやら万斉さんと話している途中だった。
ギャーギャー騒がしい。もっともギャーギャー騒いでいるのはまた子ちゃんだけで、万斉さんはまた子ちゃんを窘める様子もなく、淡々と要件を伝えているようだ。
「あ、 主人公!!」
遠目から様子を見てたが、見つかってしまったらしい。また子ちゃんの声を聞いて、万斉さんも私を見つけ、よう。という風に軽く手を挙げてくれた。
「すまなかったな、 主人公。来島殿に用があったもんで、少々話をしていたでござる」
「いえいえ、いいんです!!私こそ遅くなってごめんね、また子ちゃん」
「いいんすよ!......じゃあ、行ってくるっスよ。万斉先輩」
あぁ頼んだでござるよ。と言い残し、万斉さんは自室に戻って行った。
一体何を話していたのだろう。モヤッとしたが、深く考える暇もなく、また子ちゃんが私の手を引いて、じゃあ行くッスよ!と走り出した。
城下町に着いた私達は服屋、簪屋などまた子ちゃんが、入ろうと言ったところ全て回った。
そろそろ疲れてきたので、休憩しようとまた子ちゃんが言ってくれ、近場のオシャレな喫茶店に入った。
また子ちゃんは、いちごパフェ。私はメロンフロートを頼んだ。
どちらとも届いたところで、先程万斉さんと話していたことを聞くことにした。
「ねぇ、また子ちゃん。さっき、万斉さんと何話していたの?次鬼兵隊が何するかの話?」
「いやいや、鬼兵隊は全く関係ないっス!けど......なんていうか、 主人公はぶっちゃけ、万斉先輩のことどう思ってるッスか?」
これはまた、本当にぶっちゃけた質問だ。面食らってしまった......自分の気持ちに自分も先日気づいたばかりなのだ。どう思ってるかと改めて聞かれると、とても恥ずかしい......が、誤魔化すことも出来ないだろう。
「すき......だと思う」
「なんすか、だと思うって」
「だって今まで恋したことないから、よく分からないんだもん。でも、万斉さんのことを考えると幸せだし、話が出来たら一日中幸せになれるし、でも、たまに苦しくもなる」
生きることに必死で、誰かに恋なんかしたこと無かったから自信が無いのだ。
「あー、それ間違いなく恋っスよ」
呆れたような顔でまた子ちゃんは言った。
人に認められると、余計に恥ずかしさが増して、顔中に熱が集まるのを感じた。
「なーに赤くなってるんスか。全く、焦れったい二人っスね。早くくっつけばいいのに」
「え!?くっつくって、それは無理だよ。だって万斉さんには、好きな人がいるでしょ?」
今度は、また子ちゃんが面食らった顔をした。本気で言ってるのか?と目が語っている。
「はぁ〜......心配しなくても、そのうち分かるっスよ」
大きなため息をついたまた子ちゃんだったが、次の言葉は優しく笑って言った。
そこからまた子ちゃんと、万斉さんのどこが好きなのかとか、恋バナに花を咲かせた。
喫茶店に入った時も、もう既に外が暗かったが、かなりそれから長居したらしい。
いつもより少し遅い夕食を食べる為に、二人で手を繋ぎながら船に戻った。
また子ちゃんと、かなり仲良くなれたらしい。嬉しくてつい、自分より少し背の高いまた子ちゃんの肩に頬を擦り寄せると、
「なっ、もう、可愛いことするんじゃないっス」
とどこか嬉しそうな声が降ってきた。
それは突然だった。
一夜が明け、食堂で朝食を食べていたら、また子さんが猪のように食堂に入ってきたかと思うと、開口一番そう言ってきたのだ。
「へっ!?い、いいですけど......」
返事を返すと、また子さんは嬉しそうにニッコリ笑って、私の隣に座ってきた。
「良かった。 主人公、中々部屋から出てこないんスもん。出てきたかと思えば万斉先輩と出掛けるか、船内の掃除してるかだし」
万斉先輩だけズルいっす〜!!!と口をタコみたいに尖らせて、また子さんは駄々を捏ねていた。
こんなに可愛い人だったのか......
「ご、ごめんなさい。また子さn
「また子でいいっス!てか、いつまで敬語なんスか。仲間なのに」
せめてまた子ちゃんと呼ばせて、とお願いしやっと、また子ちゃんは納得してくれた。
朝食を済ませ身支度をし、また子ちゃんの元へ行くと、なにやら万斉さんと話している途中だった。
ギャーギャー騒がしい。もっともギャーギャー騒いでいるのはまた子ちゃんだけで、万斉さんはまた子ちゃんを窘める様子もなく、淡々と要件を伝えているようだ。
「あ、 主人公!!」
遠目から様子を見てたが、見つかってしまったらしい。また子ちゃんの声を聞いて、万斉さんも私を見つけ、よう。という風に軽く手を挙げてくれた。
「すまなかったな、 主人公。来島殿に用があったもんで、少々話をしていたでござる」
「いえいえ、いいんです!!私こそ遅くなってごめんね、また子ちゃん」
「いいんすよ!......じゃあ、行ってくるっスよ。万斉先輩」
あぁ頼んだでござるよ。と言い残し、万斉さんは自室に戻って行った。
一体何を話していたのだろう。モヤッとしたが、深く考える暇もなく、また子ちゃんが私の手を引いて、じゃあ行くッスよ!と走り出した。
城下町に着いた私達は服屋、簪屋などまた子ちゃんが、入ろうと言ったところ全て回った。
そろそろ疲れてきたので、休憩しようとまた子ちゃんが言ってくれ、近場のオシャレな喫茶店に入った。
また子ちゃんは、いちごパフェ。私はメロンフロートを頼んだ。
どちらとも届いたところで、先程万斉さんと話していたことを聞くことにした。
「ねぇ、また子ちゃん。さっき、万斉さんと何話していたの?次鬼兵隊が何するかの話?」
「いやいや、鬼兵隊は全く関係ないっス!けど......なんていうか、 主人公はぶっちゃけ、万斉先輩のことどう思ってるッスか?」
これはまた、本当にぶっちゃけた質問だ。面食らってしまった......自分の気持ちに自分も先日気づいたばかりなのだ。どう思ってるかと改めて聞かれると、とても恥ずかしい......が、誤魔化すことも出来ないだろう。
「すき......だと思う」
「なんすか、だと思うって」
「だって今まで恋したことないから、よく分からないんだもん。でも、万斉さんのことを考えると幸せだし、話が出来たら一日中幸せになれるし、でも、たまに苦しくもなる」
生きることに必死で、誰かに恋なんかしたこと無かったから自信が無いのだ。
「あー、それ間違いなく恋っスよ」
呆れたような顔でまた子ちゃんは言った。
人に認められると、余計に恥ずかしさが増して、顔中に熱が集まるのを感じた。
「なーに赤くなってるんスか。全く、焦れったい二人っスね。早くくっつけばいいのに」
「え!?くっつくって、それは無理だよ。だって万斉さんには、好きな人がいるでしょ?」
今度は、また子ちゃんが面食らった顔をした。本気で言ってるのか?と目が語っている。
「はぁ〜......心配しなくても、そのうち分かるっスよ」
大きなため息をついたまた子ちゃんだったが、次の言葉は優しく笑って言った。
そこからまた子ちゃんと、万斉さんのどこが好きなのかとか、恋バナに花を咲かせた。
喫茶店に入った時も、もう既に外が暗かったが、かなりそれから長居したらしい。
いつもより少し遅い夕食を食べる為に、二人で手を繋ぎながら船に戻った。
また子ちゃんと、かなり仲良くなれたらしい。嬉しくてつい、自分より少し背の高いまた子ちゃんの肩に頬を擦り寄せると、
「なっ、もう、可愛いことするんじゃないっス」
とどこか嬉しそうな声が降ってきた。