11話
名前を教えて
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日、朝ごはんを食べ自室に戻ると、また三味線の音色が聴こえてきた。
「また弾いてる......熱心だなぁ」
ポツリと呟きながら、空いた窓に腰掛け、聴こえてくる音色に耳をすませた。
そういえば、この曲に歌詞はあるのだろうか。
ーーもし、歌詞をつけるなら
自分には作詞能力など無いが、何回も聴いているうちに覚えた曲なら、もしかしたら歌詞をあてることが出来るかもしれない。
いや、やってみたいと思った。この片想いの曲がどうしても弾いている彼を思い出してならない。
ーーでもなんで、万斉さんを思い出すのかな
彼に抱いている想いは、憧れ......だと思ってた。
強くて、優しくて、仲間想いで、尊敬されていて、その上美しい曲を作れる。
でも、彼が誰かを想って曲を書いているのだと、そう考えるだけで胸が苦しいのだ。
昔、一緒に奴隷として働いていた年上の女性が言っていた。自分には、恋い焦がれる相手がいたと。
彼を想うだけで幸せになれて、時に苦しくなると。
今の自分と似ている。彼と話して、彼のことを考えるだけで幸せになる。そして......苦しくなる時もある。
あぁ...そうか。これが恋なのか。
でもこの恋は叶わないだろう。よく聞くではないか、初恋は実らないと。
彼が想う相手は自分ではないのだ。
でも、お花見に誘ってくれたでは無いか......いや、仲間として花見に誘って見ただけかも知れない。
モヤモヤ考えているうちに、曲がまた最初に戻ってきていた。何度も弾いて練習しているようだ。
窓から顔を出して、万斉さんの部屋の方を見ると、川の水面に、窓を背にして三味線を弾いている彼の影が映っていた。
🎶〜〜
水面に映るあなたの影 誰を想っているの
ガラスの奥に光る 目は誰を見てるの......
ポツリポツリと、気づけば口ずさんでいた。
それから何回も何回も、万斉さんが弾くもんだから自分も歌詞を覚えてしまって、曲に乗せてずっと歌っていた。
いつの間にか空が赤く染っている。ヘッドフォンしている彼の耳に、私の歌が届いてないといいなって思いながら、食堂へ行くために部屋を出た。
「また弾いてる......熱心だなぁ」
ポツリと呟きながら、空いた窓に腰掛け、聴こえてくる音色に耳をすませた。
そういえば、この曲に歌詞はあるのだろうか。
ーーもし、歌詞をつけるなら
自分には作詞能力など無いが、何回も聴いているうちに覚えた曲なら、もしかしたら歌詞をあてることが出来るかもしれない。
いや、やってみたいと思った。この片想いの曲がどうしても弾いている彼を思い出してならない。
ーーでもなんで、万斉さんを思い出すのかな
彼に抱いている想いは、憧れ......だと思ってた。
強くて、優しくて、仲間想いで、尊敬されていて、その上美しい曲を作れる。
でも、彼が誰かを想って曲を書いているのだと、そう考えるだけで胸が苦しいのだ。
昔、一緒に奴隷として働いていた年上の女性が言っていた。自分には、恋い焦がれる相手がいたと。
彼を想うだけで幸せになれて、時に苦しくなると。
今の自分と似ている。彼と話して、彼のことを考えるだけで幸せになる。そして......苦しくなる時もある。
あぁ...そうか。これが恋なのか。
でもこの恋は叶わないだろう。よく聞くではないか、初恋は実らないと。
彼が想う相手は自分ではないのだ。
でも、お花見に誘ってくれたでは無いか......いや、仲間として花見に誘って見ただけかも知れない。
モヤモヤ考えているうちに、曲がまた最初に戻ってきていた。何度も弾いて練習しているようだ。
窓から顔を出して、万斉さんの部屋の方を見ると、川の水面に、窓を背にして三味線を弾いている彼の影が映っていた。
🎶〜〜
水面に映るあなたの影 誰を想っているの
ガラスの奥に光る 目は誰を見てるの......
ポツリポツリと、気づけば口ずさんでいた。
それから何回も何回も、万斉さんが弾くもんだから自分も歌詞を覚えてしまって、曲に乗せてずっと歌っていた。
いつの間にか空が赤く染っている。ヘッドフォンしている彼の耳に、私の歌が届いてないといいなって思いながら、食堂へ行くために部屋を出た。