7話
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万斉side
自分の気持ちに気づいてから早2ヶ月経った。季節はもう春である。
目が回るほど忙しかったこの2ヶ月の間で、主人公と顔合わす暇もなく、進展なんて出来るわけがなかった。
ふと、自室の窓から外を眺めると、川沿いの桜の木が、ポツポツと花を咲かせているのが見えた。
自然と三味線に手が伸びる。一曲出来そうだ。
けれど、仕事として作るつもりは無い。この曲は、たった一人の愛する女性の為に作るのだ。
きっと、主人公も自室にいるだろう。窓を開けたまま弾けばきっと、何部屋か先の彼女の部屋にも音が届くはずだ。
バチで弦を弾く。
自分の心情をそのまま曲に乗せる。自然と切ないメロディーになってしまう。
自分の恋にも、桜の花のように花開く時が有るのだろうか。沢山の人や天人を斬り、千人斬りの万斉なんて二つ名まで持ってしまった自分にも......
そこでピタリと手が止まった。続きが思い浮かばない。そういう時は無理に出さない方がいいと、長年の経験が知っている。
彼女を想って弾いてたものだから、無性に会いたくて仕方なくなってしまった。けれど、会いにいく口実が思い浮かばない......
そうだ!花見だ。花見に誘おう。世にいうデートというものだ。
桜の花と、彼女は良く似合うだろう。想像するだけで口角が上がってしまう。
万斉は三味線を部屋の隅に立て掛け、主人公の部屋に行くために自室をあとにした。
自分の気持ちに気づいてから早2ヶ月経った。季節はもう春である。
目が回るほど忙しかったこの2ヶ月の間で、主人公と顔合わす暇もなく、進展なんて出来るわけがなかった。
ふと、自室の窓から外を眺めると、川沿いの桜の木が、ポツポツと花を咲かせているのが見えた。
自然と三味線に手が伸びる。一曲出来そうだ。
けれど、仕事として作るつもりは無い。この曲は、たった一人の愛する女性の為に作るのだ。
きっと、主人公も自室にいるだろう。窓を開けたまま弾けばきっと、何部屋か先の彼女の部屋にも音が届くはずだ。
バチで弦を弾く。
自分の心情をそのまま曲に乗せる。自然と切ないメロディーになってしまう。
自分の恋にも、桜の花のように花開く時が有るのだろうか。沢山の人や天人を斬り、千人斬りの万斉なんて二つ名まで持ってしまった自分にも......
そこでピタリと手が止まった。続きが思い浮かばない。そういう時は無理に出さない方がいいと、長年の経験が知っている。
彼女を想って弾いてたものだから、無性に会いたくて仕方なくなってしまった。けれど、会いにいく口実が思い浮かばない......
そうだ!花見だ。花見に誘おう。世にいうデートというものだ。
桜の花と、彼女は良く似合うだろう。想像するだけで口角が上がってしまう。
万斉は三味線を部屋の隅に立て掛け、主人公の部屋に行くために自室をあとにした。