6話
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万斉side
あれから三日間、プロデューサーの仕事を片付けながら主人公のことを考えていた。
なんであの時、彼女を助けたのか。
天人に腹たった?いや、別に何もされていない。
機嫌が良かった?いや、特には。
昔どこかで会った?いや、記憶に無いな。
では何故?
太刀筋が......リズムが気持ちよかった。それで助太刀したくなったのは確かだ。けれど、船に連れて帰る理由にはならない。
あの日の事を思い出す......
街灯も無く、薄暗い道で彼女の顔はよく見えなかった。月も建物の影で隠れていたから当てに出来なかった。
一目惚れなんてそんな安っぽい言葉ではない。
運命が......リズムが合ったのだ。自分を作るリズムの全てが、彼女に引き寄せられた。
微かにあの時の彼女から、死のリズムが感じられた。あの場に自分がいなければ、間違いなく彼女は死んでいただろう。
彼女を絶対に死なせはしない。そう誓ったのは、既に心を奪われていたからだろう。
そう、これは恋なのだ。よく自分が作る、甘く切ないラブソングが表す恋だ。
でもそれは想像で作る恋ではない。自分自身のこと。
初めて、自分が主人公のラブソングを、自分が奏でるのだ。初めての想いに、焦りも驚きもない。こうなるだろうと、分かっていたかのようだ。
不思議と心地がいい。片想いを全力で楽しんでいる。まるで心は無邪気な少年だ。
これから先、無垢な少年のように好いてもらえればそれでいい。という考えでは絶対に無くなる。今だってそうだ。想いに気づいてしまえば、あとは加速するだけ。想いだけが急いて急いて、仕方がない。
けれど自分は少年じゃない。感情に流されて起こした行動を、無邪気で済まされる歳ではないのだ。
彼女を絶対振り向かせる。時間をかけてゆっくりと。
あれから三日間、プロデューサーの仕事を片付けながら主人公のことを考えていた。
なんであの時、彼女を助けたのか。
天人に腹たった?いや、別に何もされていない。
機嫌が良かった?いや、特には。
昔どこかで会った?いや、記憶に無いな。
では何故?
太刀筋が......リズムが気持ちよかった。それで助太刀したくなったのは確かだ。けれど、船に連れて帰る理由にはならない。
あの日の事を思い出す......
街灯も無く、薄暗い道で彼女の顔はよく見えなかった。月も建物の影で隠れていたから当てに出来なかった。
一目惚れなんてそんな安っぽい言葉ではない。
運命が......リズムが合ったのだ。自分を作るリズムの全てが、彼女に引き寄せられた。
微かにあの時の彼女から、死のリズムが感じられた。あの場に自分がいなければ、間違いなく彼女は死んでいただろう。
彼女を絶対に死なせはしない。そう誓ったのは、既に心を奪われていたからだろう。
そう、これは恋なのだ。よく自分が作る、甘く切ないラブソングが表す恋だ。
でもそれは想像で作る恋ではない。自分自身のこと。
初めて、自分が主人公のラブソングを、自分が奏でるのだ。初めての想いに、焦りも驚きもない。こうなるだろうと、分かっていたかのようだ。
不思議と心地がいい。片想いを全力で楽しんでいる。まるで心は無邪気な少年だ。
これから先、無垢な少年のように好いてもらえればそれでいい。という考えでは絶対に無くなる。今だってそうだ。想いに気づいてしまえば、あとは加速するだけ。想いだけが急いて急いて、仕方がない。
けれど自分は少年じゃない。感情に流されて起こした行動を、無邪気で済まされる歳ではないのだ。
彼女を絶対振り向かせる。時間をかけてゆっくりと。