1話
名前を教えて
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
これはまだ、新・鬼兵隊が作られたばかりの頃のお話。
「はっ、はっ、はっ」
「探せー!!!まだ近くにいるはずだ!!同胞を殺した小娘を逃がすなぁー!!」
建物と建物の間の細い道を駆け抜け、ゴミ箱の影に身を潜め敵の足音が遠ざかるのを待った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かつて武士の国と呼ばれた江戸。今は天人達に侵略され、廃刀令をら課せられた今武士の力は徐々に弱まりつつあった。勇敢に天人と戦った攘夷志士達の勇姿も虚しく、幕府は天人達の言いなりになる道を選んだ。
私は主人公。
10歳の時、天人に両親と家を焼かれ、18歳まで育ててもらった老婆に、天人に奴隷として売られ、つい先日、隙をついて武器を奪い仕えていた天人を殺し、抜け出すことに成功した。
抜け出してからというもの、裏切った老婆への恨みや、長年私を奴隷として扱ってきた天人への恨みが積もり天人を襲っては斬って、逃げるを繰り返しながら生活をしている。
いつ死んだっていい。ただ、1人では死なない。憎い天人を何百、何千、何万と道ずれにして死んでやる。
ただ...さっきの戦闘で少々深手を負ったようだ。血が止まらない。頭がぼーっとして、フラフラする。足元がおぼつかない。少し歩き出して、また道の隅にへたりこんでしまった。
ここに天人が来たらまずい。と、変にフラグを立ててしまったせいで、お約束のように私は天人に見つかってしまった。
「見つけたぞ!!同胞を殺した恨み!!人間ごときが、俺達に逆らいやがって...死ねぇえええ!」
間一髪、刀で払ってかわしたが払いが甘かったのか、敵は体勢を立て直しすぐに刀を振りかざした。
ーーあぁ...もうダメだ。これで終わりだ。
死ぬ。と覚悟を決め、目を閉じた時「ぐわああっ!」と敵の苦しそうに唸る声が聞こえた。
「主は天人斬りの主人公だな?主の殺陣のリズム、気に入ったぞ」
目を開けると、深い緑の髪に、コートを着て、ヘッドホンとサングラスを付け、三味線を背負っている背の高い男が目の前に立っていた。
助けられ...た?どっと押し寄せる安心と、疲れと、血を流しすぎたことによって私の意識はそこで途絶えた。
「お、おい!主!?」
万斉は、いきなり倒れた目の前の女性に駆け寄り、はっとした。一見わからなかったが、触れると手に血がべったり着いた。かなり深手を負っているようだ。背中から刺されているのか?なんにしても急いで手当をしなければ。
乗ってきたバイクの後ろに##NAME1#を乗せ、しっかりと身体を自分に密着させるように固定して、バイクを船まで走らせた。
「主は絶対に死なせはせん。美しいリズムが消えるなんてこと、あってはならないでござる」
殺陣のリズムが気に入ったから、ただそれだけの理由で彼女を助けた訳では無い。しかし、自分でもたまたまあの道を通って、見かけただけの彼女を助けた理由がわからなかった。いつもなら、仲間以外の天人と一般市民の戦闘など気にもとめないのに。
考えるのはまたあとにしよう。今はとにかく、船に連れて帰って手当を急がねば。
自分の肩に寄りかからせるように固定した、青白くなってる主人公の顔をチラリと横目で窺う。
万斉はバイクのスピードを上げた。
「はっ、はっ、はっ」
「探せー!!!まだ近くにいるはずだ!!同胞を殺した小娘を逃がすなぁー!!」
建物と建物の間の細い道を駆け抜け、ゴミ箱の影に身を潜め敵の足音が遠ざかるのを待った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かつて武士の国と呼ばれた江戸。今は天人達に侵略され、廃刀令をら課せられた今武士の力は徐々に弱まりつつあった。勇敢に天人と戦った攘夷志士達の勇姿も虚しく、幕府は天人達の言いなりになる道を選んだ。
私は主人公。
10歳の時、天人に両親と家を焼かれ、18歳まで育ててもらった老婆に、天人に奴隷として売られ、つい先日、隙をついて武器を奪い仕えていた天人を殺し、抜け出すことに成功した。
抜け出してからというもの、裏切った老婆への恨みや、長年私を奴隷として扱ってきた天人への恨みが積もり天人を襲っては斬って、逃げるを繰り返しながら生活をしている。
いつ死んだっていい。ただ、1人では死なない。憎い天人を何百、何千、何万と道ずれにして死んでやる。
ただ...さっきの戦闘で少々深手を負ったようだ。血が止まらない。頭がぼーっとして、フラフラする。足元がおぼつかない。少し歩き出して、また道の隅にへたりこんでしまった。
ここに天人が来たらまずい。と、変にフラグを立ててしまったせいで、お約束のように私は天人に見つかってしまった。
「見つけたぞ!!同胞を殺した恨み!!人間ごときが、俺達に逆らいやがって...死ねぇえええ!」
間一髪、刀で払ってかわしたが払いが甘かったのか、敵は体勢を立て直しすぐに刀を振りかざした。
ーーあぁ...もうダメだ。これで終わりだ。
死ぬ。と覚悟を決め、目を閉じた時「ぐわああっ!」と敵の苦しそうに唸る声が聞こえた。
「主は天人斬りの主人公だな?主の殺陣のリズム、気に入ったぞ」
目を開けると、深い緑の髪に、コートを着て、ヘッドホンとサングラスを付け、三味線を背負っている背の高い男が目の前に立っていた。
助けられ...た?どっと押し寄せる安心と、疲れと、血を流しすぎたことによって私の意識はそこで途絶えた。
「お、おい!主!?」
万斉は、いきなり倒れた目の前の女性に駆け寄り、はっとした。一見わからなかったが、触れると手に血がべったり着いた。かなり深手を負っているようだ。背中から刺されているのか?なんにしても急いで手当をしなければ。
乗ってきたバイクの後ろに##NAME1#を乗せ、しっかりと身体を自分に密着させるように固定して、バイクを船まで走らせた。
「主は絶対に死なせはせん。美しいリズムが消えるなんてこと、あってはならないでござる」
殺陣のリズムが気に入ったから、ただそれだけの理由で彼女を助けた訳では無い。しかし、自分でもたまたまあの道を通って、見かけただけの彼女を助けた理由がわからなかった。いつもなら、仲間以外の天人と一般市民の戦闘など気にもとめないのに。
考えるのはまたあとにしよう。今はとにかく、船に連れて帰って手当を急がねば。
自分の肩に寄りかからせるように固定した、青白くなってる主人公の顔をチラリと横目で窺う。
万斉はバイクのスピードを上げた。
1/1ページ