if short dream
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「父さん、母さん……」
突然、僕とアクアを訪ねてきたのは僕達の息子であるシグレだった。
「どうした、シグレ?」
「はい…少し、相談があって……」
「相談?」
アクアがそう問うとシグレは複雑そうな顔をして口を開いた。
「カンナの事なんですが…彼女はとても良い妹です。一緒にいても楽しいし……ですが、時々どう接していいか分からなくなります…」
シグレは少し間を置いてから言葉を発した。
「たまにカンナのペースに振り回されてしまうというか…そんな時、どんな風に接すればいいのか……」
「シグレ…」
相談内容だけに僕達も少し悩んでしまう。
カンナの自由さにシグレはまだ付いて行けていないのだろう。
兄妹とはいえ、今までずっと別々の秘境で育ってきたのだから。
「シグレ、そんなに深く悩まなくていいと思うわ」
「母さん…?」
するとアクアがそう口を開いた。
「あなたの性格上、カンナのペースにすぐに慣れるなんて無理だろうし…でも、そうやって仲良くしたいという気持ちがちゃんとあるなら、時間がかかってもいいからシグレも自分のペースでカンナに付き合っていけばいいんじゃないかしら?」
微笑みながらそう言うアクアにシグレは少し考えたような素振りを見せた後、うんと頷いた。
「そうですね…母さんの言う通りだと思います。俺のペースで彼女の事をもっと理解していけるように頑張ります」
そう言ったシグレの顔は悩みが晴れたような表情をしていた。
「二人に話したらすっきりしました。ありがとうございます」
「親なんだから子供の悩みを聞くのは当たり前だろ?」
「これからも何かあったら遠慮なく話してちょうだいね」
「はい!」
最後に笑って見せた彼は軽くお辞儀をして去っていった。
「…すごいな、アクアは。僕なんて何もアドバイスしてあげられなかったよ」
「そう?彼の気持ちになって考えてみたらそう思ったのよ。きっとあの子達なら仲良くやってくれるわ」
「そうだね」
僕はアクアの言葉を聞いて自然と笑みが溢れた。
「さて…そろそろ見回りでもしてくるよ」
「分かったわ。私はもう少しここにいさせてもらうわね」
「ああ。じゃあ、行ってくる」
そう言葉を交わして外に出ようと扉に手をかけた時だった。
「!お父さん…!」
「わぁ!?カっカンナじゃないか…!」
扉が先に開いたと思ったら、そこにはカンナが立っていた。
「ごっごめんなさい、お父さんどこかに用だった……?」
「いや、大丈夫だよ。どうしたんだ?」
とりあえずカンナを部屋の中に入れつつ何かあったのか尋ねてみた。
「うん……あのね、あたしシグレに嫌われてるんじゃないのかなって思って…」
「え?」
もしかしてお互いに兄妹の事で悩んでいたのか…?
「…どういうこと?カンナ」
すかさずアクアがそう聞いた。
「あたしと話してる時のシグレが何だか困ったような表情してる気がするの……だから、あたしの事あんまり好きじゃないのかなって…」
「………」
悲しそうな顔をするカンナの頭に僕はポンと手を置いた。
「カンナ、君は嫌われてなんかないよ」
「え…?」
「さっきシグレも僕達のところに来たんだ。そしたら彼も同じような悩みを持っていてね。今はまだ出会ったばかりでお互いをあまり理解してないから、そういう風に不安になるのは仕方ない事だよ」
アクアも同じ事を思っていたのかカンナに言葉をかけた。
「あなた達はこれからもっとお互いの理解を深めていけばいい。二人の気持ちは同じだから、きっと完全に打ち解けられる日が必ず来るわ」
「お父さん、お母さん……」
「うん、そうだね。二人のおかげで元気出たよ!ありがとう!!」
カンナはそう言って僕達に抱きついてきた。
「ふふ、どういたしまして」
「カンナはそうでなくちゃね」
そして数日が経ち……
「シグレ!見回り行こう!」
「カンナ…はい!行きましょうか」
「もうすっかり打ち解けられたみたいね」
「あんなに悩んでたのが嘘みたいだよ」
相変わらずカンナがシグレを引っ張っていく形ではあるけど、以前とはまるで違って二人共いい笑顔をしていた。
「あの子達を見習って僕達も、もっと仲良くならないとね?」
「……ユーラリユーリルレリー」
「ちょっ、僕は正常なんだけど…!」
~end~
突然、僕とアクアを訪ねてきたのは僕達の息子であるシグレだった。
「どうした、シグレ?」
「はい…少し、相談があって……」
「相談?」
アクアがそう問うとシグレは複雑そうな顔をして口を開いた。
「カンナの事なんですが…彼女はとても良い妹です。一緒にいても楽しいし……ですが、時々どう接していいか分からなくなります…」
シグレは少し間を置いてから言葉を発した。
「たまにカンナのペースに振り回されてしまうというか…そんな時、どんな風に接すればいいのか……」
「シグレ…」
相談内容だけに僕達も少し悩んでしまう。
カンナの自由さにシグレはまだ付いて行けていないのだろう。
兄妹とはいえ、今までずっと別々の秘境で育ってきたのだから。
「シグレ、そんなに深く悩まなくていいと思うわ」
「母さん…?」
するとアクアがそう口を開いた。
「あなたの性格上、カンナのペースにすぐに慣れるなんて無理だろうし…でも、そうやって仲良くしたいという気持ちがちゃんとあるなら、時間がかかってもいいからシグレも自分のペースでカンナに付き合っていけばいいんじゃないかしら?」
微笑みながらそう言うアクアにシグレは少し考えたような素振りを見せた後、うんと頷いた。
「そうですね…母さんの言う通りだと思います。俺のペースで彼女の事をもっと理解していけるように頑張ります」
そう言ったシグレの顔は悩みが晴れたような表情をしていた。
「二人に話したらすっきりしました。ありがとうございます」
「親なんだから子供の悩みを聞くのは当たり前だろ?」
「これからも何かあったら遠慮なく話してちょうだいね」
「はい!」
最後に笑って見せた彼は軽くお辞儀をして去っていった。
「…すごいな、アクアは。僕なんて何もアドバイスしてあげられなかったよ」
「そう?彼の気持ちになって考えてみたらそう思ったのよ。きっとあの子達なら仲良くやってくれるわ」
「そうだね」
僕はアクアの言葉を聞いて自然と笑みが溢れた。
「さて…そろそろ見回りでもしてくるよ」
「分かったわ。私はもう少しここにいさせてもらうわね」
「ああ。じゃあ、行ってくる」
そう言葉を交わして外に出ようと扉に手をかけた時だった。
「!お父さん…!」
「わぁ!?カっカンナじゃないか…!」
扉が先に開いたと思ったら、そこにはカンナが立っていた。
「ごっごめんなさい、お父さんどこかに用だった……?」
「いや、大丈夫だよ。どうしたんだ?」
とりあえずカンナを部屋の中に入れつつ何かあったのか尋ねてみた。
「うん……あのね、あたしシグレに嫌われてるんじゃないのかなって思って…」
「え?」
もしかしてお互いに兄妹の事で悩んでいたのか…?
「…どういうこと?カンナ」
すかさずアクアがそう聞いた。
「あたしと話してる時のシグレが何だか困ったような表情してる気がするの……だから、あたしの事あんまり好きじゃないのかなって…」
「………」
悲しそうな顔をするカンナの頭に僕はポンと手を置いた。
「カンナ、君は嫌われてなんかないよ」
「え…?」
「さっきシグレも僕達のところに来たんだ。そしたら彼も同じような悩みを持っていてね。今はまだ出会ったばかりでお互いをあまり理解してないから、そういう風に不安になるのは仕方ない事だよ」
アクアも同じ事を思っていたのかカンナに言葉をかけた。
「あなた達はこれからもっとお互いの理解を深めていけばいい。二人の気持ちは同じだから、きっと完全に打ち解けられる日が必ず来るわ」
「お父さん、お母さん……」
「うん、そうだね。二人のおかげで元気出たよ!ありがとう!!」
カンナはそう言って僕達に抱きついてきた。
「ふふ、どういたしまして」
「カンナはそうでなくちゃね」
そして数日が経ち……
「シグレ!見回り行こう!」
「カンナ…はい!行きましょうか」
「もうすっかり打ち解けられたみたいね」
「あんなに悩んでたのが嘘みたいだよ」
相変わらずカンナがシグレを引っ張っていく形ではあるけど、以前とはまるで違って二人共いい笑顔をしていた。
「あの子達を見習って僕達も、もっと仲良くならないとね?」
「……ユーラリユーリルレリー」
「ちょっ、僕は正常なんだけど…!」
~end~